ニューヨーク市長選挙の結果を受けて、6日、ナンシー・ペロシ(85歳)元連邦下院議長(大統領、副大統領=上院議長に次ぐ国家ナンバー3)が、来年の中間選挙不出馬を表明し、政界引退が確定した。
このひとの選挙区は、カリフォルニア州サンフランシスコという、民主党の牙城であるというが、そもそもカリフォルニア州はずっと共和党が支配してきたのに、その共和党のレジェンド、レーガン大統領時代に詐欺的な法案に署名させられて、以来、共和党は勝利できず民主党の支配下になった経緯がある。
なにしろ、元俳優だったレーガン氏はハリウッドがあるカリフォルニア州知事から大統領になったのである。
それがこうなったのは、大統領になったレーガン氏が、移民の受け入れと選挙権付与についての大幅緩和を民主党から提案されて、中間選挙に負けたことでの議会コントールの取り引き材料に使われたことによる妥協が原因とされている。
これが、取り返しのつかないこととなった。
ようは、いま、ヨーロッパなどで起きている移民問題の原点ともいえるのである。
それゆえに、「レーガン大統領」は、意味がちがうけれど、共和党からも民主党からも「偉大な大統領」としての人気が歴代トップになるほど高いのである。
しかして、その移民問題が今般、ニューヨーク市に飛び火して、いいだしっぺの民主党を内部崩壊に導くブーメランとなっているのである。
さて、そんな民主党は、いま三極から二極そして、一極支配に変化しつつある。
三極とは、
・穏健的な古き民主党支持者層
・極左
・現状よりもやや左 の三層であって、旧来の穏健派が少数派(約1/3)になったばかりか、やや左派が極左に呑み込まれ、多数派として一極を形成したのである。
そのリーダーが、AOCなるアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州)と、民主党員ではなく無所属で社会主義者だがカネになびく人物なのになぜか人気がある、バーニー・サンダース連邦上院議員(バーモント州)だ。
むろん、極左のトロツキー派に乗っ取られたのは第二次大戦の戦前であるから、「穏健派」のなかにも、「トロツキー派=極左」が隠れて存在していた。
それが典型は、フランクリン・ルーズベルト政権だったし、昇格後継のトルーマン政権がそうだった。
悪名高い、ダレス兄弟(兄は国務長官、弟はCIA長官)もここにいる。
だが、これとは別に、ペロシが引退せざるをえないのは、トランプ政権2.0からの捜査が進展しているからではないのか?
主たる容疑はふたつ。
・連邦下院議員が知りえる国家情報を利用して資産形成した、巨額のインサイダー疑惑
・トランプ大統領を二度も弾劾した、「1月6日事件」の首謀容疑
前者は、トランプ政権2.0発足時に司法長官に指名され、その後辞退し議員も辞したたマット・ゲイツ元連邦下院議員が指摘し続けていた問題点で、民主党がゲイツ氏の司法長官就任を是が非でも阻止し、それに同様の疑惑がある共和党議員が同調したのだった。
アメリカの腐敗は、民主・共和双方の議員たちのインサイダー疑惑にも象徴されるのである。
トランプ政権2.0は、マット・ゲイツ氏を通じて、これをあぶり出して国民にみせたのである。
そして、10日にホワイトハウスは、ペロシの株取引における利益を、ダウ平均株価の伸び率の万倍単位にあたる「超天才的投資家」だったことを発表したのである。
議員も辞したことから、ゲイツ氏の功績をどのように活かすか?も、トランプ政権2.0には「義務」として残っている。
そして、後者は、「国家反逆罪」に匹敵する大問題である。
現職の大統領=政権の転覆を狙ったことになるからである。
むろん、連邦下院が共和党支配になって公開された、1月6日当時の膨大なビデオには、悠然と議事堂内を歩いて「避難」するペロシ一行の映像もあるし、この姿を、実の娘(後継者として出馬の噂もある)が撮影していることも、セキュリティー上の大問題になったが放置されているのである。
撮影した場所が「議事堂内機密エリア」だっただけでなく、そもそも「議長の実の娘」とはいえ、このエリアに入るセキュリティー資格を持ちあわせていないからである。
そんなわけで、ペロシは逃亡を図っているようにもみえる。
これを、トランプ政権2.0の司法省とFBIは、どうするのか?が、今後の見どころになっているのだが、身内の民主党が極左になって古いペロシは排除されたも同然だから、かつての権力者の凋落ドラマは、「肉食の思想」に見合った悲惨になると予想できるのである。
これに関連して、同日、BBCが「1月6日事件」の捏造報道をやったために、会長とニュース番組責任者のふたりが引責辞任したというニュースで世界が沸いたのである。
このことは、別稿でもとりあげる。

