ポエマーとはもちろん、小泉進次郎衆議院議員(神奈川11区:横須賀市、三浦市)のことである。
高市内閣の防衛大臣になって、過去の環境大臣やこないだまでの農水大臣のときとはちがって、巷には「覚醒した!」という評判がたっているようであるが、そんなことはぜんぜんないとかんがえるので書いておく。
なお、自民党は党内決定が優先される政党なので、閣僚の一存でできることは、カウンターパートの党内機関との調整なしにできることはすくない、といったん引いてみることが必要である。
たとえば、評判がすこぶる悪かった、岩屋毅外務大臣ではあったが、自民党の外交部会(政調会の下部組織)からどこまで糾弾されていたのか?は不明で、外国人へのビザ発給緩和に関しても、あたかも岩屋氏の一存でできた、というには無理がある。
外務大臣として最長の任期(安倍晋三内閣)を誇る?岸田文雄元首相の、いまだに不明な外交感覚がどこからやってくるのか?の疑問の答も、外交部会のコントロール下にあったとかんがえれば妥当であろう。
この意味で、「ヒゲの隊長」こと佐藤正久参議院議員が、外交部長をやっていたのを有権者はしっかりみていて、前回の選挙(比例13位で次点)で落選となったのは意義深いことであった。
石破内閣時代の外交部長は星野剛士衆議院議員(神奈川12区:藤沢市、寒川町)であった。
派閥は、谷垣グループから菅義偉グループという流れであるから、基本左派だとおもわれる。
いまは、高木啓衆院議員(東京12区:北区、板橋区の一部)になっている。
こちらは、民社党から安倍派という異色の人材にみえるが、その民主社会主義の基本思想からしたら、きわめて妥当だ。
自民党という組織は、企業組織のようなキッチリとした運営がどこまでされているのか?よくわからないことがあって、外交部会で決まったことが政調会をどのように通過するのか?を詳しくしる国民はすくないだろう。
不人気著しい立憲民主党などは、組織があるのか?も疑問だが、これもまた、マスコミが報道しない「闇」なのである。
そんなわけで、「族」ができるのは、政調会の傘下にある役所のカウンターパートたる各種「部会」の決定に依存しているために、ポエマーも「国防族」との肌が合うだけなのだろうと思料する。
アメリカが200年前の「モンロー主義」に回帰して、トランプ政権2.0の「国家安全保障戦略」をどこまで読み込んでいるのかさえも怪しいのである。
この発表とほぼ同時にトランプ大統領の署名をもって発効した「台湾保証実施法」を、単純思考で喜んでいる場合ではない。
軍事的にアメリカは、東アジア(じつは「東半球」)から撤退の様相を示しているばかりか、ヨーロッパからも引いて南北アメリカ大陸だけ維持範囲にする「縮小」を意図しようとしているのである。
だが、これがいまのアメリカの実力なのである。
だから、アメリカで一気に「日本核武装論」が花咲き始めている。
この戦後的上から目線の議論は、しかし、超大国のアメリカが君臨していた時代の上から目線ではなく、落ちぶれたために日本や韓国の面倒をみることが困難になった、ことからの弱気であって、しかも、軍事技術・製造技能を日本に依存する必要からのものである。
こんな状況から、中共の戦略を再考すると、脅威であることに変わりはない。
ポエマーが、あたかも自衛隊の総司令官のように振る舞うことに、とんでもない違和感があるのは、首相をないがしろにしているだけのことだからだ。
防衛大臣とは、軍政(予算執行と人事発令)を担当しているだけで、作戦は首相の権限なのであるし、予算を握るのは財務省なのだ。
どこまでも無能は無能なのである。

