ポジティブなデマが拡散される閉塞

18日、日本のネット界隈は、「トランプ大統領が消費税とガソリン税と酒税とたばこ税の廃止を要求した」ことを、大絶賛している。

しかしながら、ぬか喜びともいえぬ「デマ」だと判明した。

一方のアメリカでは、連日のように、トランプ政権2.0に反対するデモやマスコミの論調は絶えず、それはまたRFK.Jrのいう「科学」についても同様である。
これに、イーロン・マスク氏は例として「科学の方法論」を挙げて反論している。

結局は、わからない、のだと。

人類は、自然科学について大きな成果をあげて現代の文明社会を築いたが、自然のすべてを理解したわけでもないし、学問が進歩すればするほど、疑問も細分化されて深くなっている。

つまり、わからない、のである。

なので、わかったつもりになるのが現代生活での作法となっている。
これを、子供の時分から教え、脳の深みに書き込む作業が、国家が独占命令する学校教育の場で実行されている。

まさに、マルクス=エンゲルスの『共産党宣言』が、実行されているのであし、「教育無償化」はこれの永続化政策である。

ところでデマには少しの事実も含むから、事実以外のウソがたっぷり混ぜられても気がつかないようにするという騙し構造になっている。
つまり、本当の事実とわざとのウソの、ハイブリッドが「デマ」なのである。

ゆえに、ひとびとの「こころのすき間」に入り込む。

それが、また、『共産党宣言』にも応用されているのだが、教育の完全無償化における真の目的は、支配者が国民を支配しやすくするための奴隷化を人生の早い段階で擦り込むことにあるので、この部分ははなから「ウソ」ばかりなのである。

日本における教育委問題の原点にこのことがあることをしらずに、無償化という魔語に引き寄せられるのは、みごとに愚民として育ったことの結果である。

さてそんなことを含み置きながら、冒頭のデマを確認すると、「消費税」についての本当がまっ先に登場するので、ガソリン高時代のガソリン税についてのデマが、実現したらいいなという願望・希望とともに脳に入り込むようになっている。

酒とたばこについては、嗜好品だがわかりやすさから挙げられたのだろう。

わが国でもっともわかりにくいゆえに、もっとも適当な税制の、「印紙税」をここで挙げたら、トランプ大統領がずいぶんと細かいことまで知っている違和感が先にきて、全体がデマだと疑われてしまうだろう。

「酒は百薬の長」という科学もあるので、適度という分かりにくさで指導を受けるものだが、たばこについてはすっかり「肺がんのもと」のように信じ込まされている。
けれども、肺がん患者の数と喫煙率は、みごとな「逆相関(「負の相関」という)」になっていて、さいきんではニコチンが肺がんの抑制剤ではいか?との説もでてきている。

これまた、わからない、のである。

それでも、冒頭のようなデマがよろこんで拡散されるのには、トランプ氏が「所得税は合衆国憲法違反」といったことへの期待がおおきいからではないのか?
もちろん、テレビや新聞しかみない人には、この「憲法違反」発言すらしらないだろうが。

なんで「税」を負担せねばならぬのか?について、アメリカでは、公共の維持のため、は理解できても、およそ前政権がポリコレ重視に転換した結果を眺めれば、ぜんぜん公共のためとはちがって、あたかも公共のためを掲げる、「NPO」だか「NGO」だかの一部への資金提供と、DOGEによって暴かれつつある国家予算の政治家への「還流」が、理不尽さを超えて怒りを増しているのである。

それで、アメリカの特に民主党の国会議員たちが、慌てふためいているのは、DOGEによる調査が個々の議員にも及ぶことをすでに示唆しているからである。
議員報酬と個人資産の差が大きすぎる議員の名前は、とっくに挙げられている。

英国の超短命首相だったトラス女史は、演説で、DOGEによる調査を英国でも依頼したいと発言したが、全体主義に走る労働党スターマー政権は、アップル社にiPhoneなどのセキュリティ対策の解除を命じこれに従ったため、「間違った情報発信者」の逮捕を可能としたことが、完全にJDヴァンス副大統領のミュンヘン演説を踏みにじっている。

もはや英国は、『1984年』の世界が現実となった。

バブル期のわが国の繁栄の頂点を分水嶺としてから、もう30年以上もダラダラと続く衰退で、社会で中堅以下のひとたちは「好景気」というものをしらない。
子供の頃に観た倉本聰の名作ドラマ、『君は海を見たか』を思い出すような、気の毒さにあふれている。

もっとも、同世代の日本文学も外国人の独壇場となったのか?

「美しいニッポン」を忘れたい言葉とした(台湾出身の)芥川賞作家は、自身でその理由の「誤解」をとく説明を書いている。
なお、この際、わたしは台湾出身であることにこだわってはいない。
素直に興味深い理屈と内容なので引用する。

このひとの作中にある、「排外主義者に乗っ取られ、ディストピアと化した遠い未来の日本を指している」としてさらに、「加えて、「美しいニッポン」は、安倍晋三をはじめ排外的な右派が盛んに用いているスローガンなので、それに対する皮肉も込められる」という。

なんだか、虹色の思想にあふれているのだが、前提としての「安倍晋三」なる記号が気になるのである。

是非とも彼が「保守」とか「右派」という一般論的なデマに惑わされることなく、適菜収の書籍でも読んで、安倍晋三の虹色=お仲間としての正体に気づいてもらいたいものだとおもう。

また、「MAGA」のアメリカ人やハンガリーのオルバン氏などが気づいた、虹色思想の本質がナチが愛した優生思想だということにも気づかれると、上に挙げている「ディストピア」だということの意味が二方向にブレるのである。

さらに一流作家の代名詞、芥川賞作家として、トマス・モアの『ユートピア』(本来は「ありもしない社会」という意味)自体が、ディストピアを描いた世界なので、これも一般的に「ユートピア」を「理想社会」と解する定義の間違いをどうするのか?という問題があることはご存じのことだろう。

もうひとつ挙げれば、「ディストピアと化した遠い未来の日本」とは、わたしからしたら現代日本のことである。

もしや日本における「マイダン革命」はステルス型で、細川護熙内閣やら村山富市内閣を経て、民主党内閣の悪夢をわざと経験させた上での安倍長期政権以来の日本破壊でこうなったのではいか?と疑えば、本物のDOGEが日本対策としてどんな機密情報を解除するのか?でみえてくるはずである。

それでも、作家が「いやいやあくまで文学です」と後でいい訳するのなら、やっぱり枕詞として「あくまでも文学です」といえばいいのか?も議論となる時代になった。

たとえば、衆議院議員が3人いる日本保守党党首の百田直樹(党首だが立候補していない)氏が、「SFですが」とことわりながらも大批判となった女性蔑視発言が許されないのと似た状況にならないか?という懸念があるからだ。

なお、共同代表の前名古屋市長、河村たかし衆議院議員は、こうした話題に関与しないでいるようなのも不思議なのである。

そんなわけで、面倒な世の中をクリアにするトランプ政権2.0の、ロケットならぬ光速スタートの一ヶ月に、ただただ驚嘆するのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.