ミサイル「誤報」と戦争「誤報」

報道ベースのはなしだったが、バイデンのアメリカがウクライナに供与はしたが、使用許可を出していなかった長距離ミサイルの使用許可をだしたと話題になったら、ほんとうにATACMSミサイルをぶっ放した。

なお、労働党のイギリスとマクロンのフランスも同調したというが、翌日にウクライナは英国提供の「ストームシャドウ」も使用した。
これで、マクロンは同ミサイルのフランス語名「SCALP-EG」についての許可を出しているのかどうかが不明になった。

これらのミサイルは、発射制御から着弾までを、衛星システムで管制管理する方式で、独自衛星をもたないウクライナができるのは、「発射地点」だけなのだ。
よって、ミサイル制御=操縦だと解すれば、ロシアがいう「直接介入」だという言い分に分がある。

まさに「第三次世界大戦勃発」の危機、に、西側戦争屋が踏み込んだ。

どうして「第三次世界大戦」になるかといえば、それはNATOの条約上での取り決めが、「集団的安全保障体制」であることが前提で、ロシアからすれば、ウクライナ製ではない直距離ミサイルについて、発射と着弾までの管制システムが、製造国によることでの「参戦」とみることができるからだ。

ようはアメリカ製なら、アメリカ軍の管制官が制御するので、アメリカがロシアに直接攻撃したのだと認定できる。

すると、ロシアはアメリカを攻撃することも「報復」として成り立つので、NATO加盟国による被害はNATO全部への攻撃と見なす、という条約が発動して、一気にロシア対NATO(ほぼヨーロッパ全部)が戦争状態に突入する。

おなじ理屈が、英国製ミサイルにも、フランス製ミサイルにも適用する。

このような阿呆なことを、ほんとうにバイデン政権はやったのだし、労働者がつくっているはずの英国労働党政権が率先しているのである。

それをまた、G20開催中に仕掛ける意味はなにか?

さて、ここでかんがえないといけないのは、長距離にせよ短距離にせよ、攻撃目標設定によっては、民間人に被害がでることにもっと敏感にならないといけないことである。
われわれ日本人は、かつの広島・長崎をふくめた「空襲」によって、あたかも民間人がターゲットになることに違和感がない異常な状態に慣れさせられている。

近代の戦争は、基本的に「軍人同士の戦い」でなければならなかったものが、おもいきり「退化」して、民間人を犠牲にすることが「ふつう」になった異常がある。

わが国の歴史でいえば、1019年の「刀伊の入寇」がこれにあたり、その後に二度の「元寇」(1274年、1281年)がある。
なんにせよ、婦女子をふくむ民間人に多大なる被害がでたが、時代背景はとうてい「近代」とはいえない。

それで、民間人への被害をなくすために、近代の戦争法では、「ゲリラ戦を禁止」しているのである。
これは、軍服を着用していない者は民間人だとして保護する代わりに、軍服を着用しない市民を装った者は、たとえ敵でも軍人を攻撃してはならない、という規定だ。

疑心暗鬼なった側が、民間人を虐殺してしまうはめになるからである。

これが、捏造とはいえいわゆる「南京事件」になったし、アメリカによる「北爆」や「枯葉作戦」になったし、いまは、イスラエルが「ハマス」やらを叩くためにガザやヨルダン川西岸でおこなっていることにつながるのである。

こうした民間人への不当な攻撃は、「無差別攻撃」だとして非難されるものだが、人類史上のはじめての空爆が、ドイツ空軍による内戦になったスペインでの「ゲルニカ爆撃」だった。

しかして、ウクライナの困ったは、何度も書くが、西のポーランド系と東のロシア系住民が、ぜったいに統一国家を作れやしないものを無理やり共産党の圧政で成し遂げたのが、スターリンだった。

両民族の対立を利用して、無国籍(グローバル全体主義)な共産党が支配する安易な構造を「恐怖政治」で成り立たせていたが、ソ連の崩壊でこの矛盾が「ユーゴスラビア」のごとく噴出したのである。

チトーが押さえたユーゴスラビアも、チトーのカリスマと暴力が消えたら、ああなった、のと同様に、西側にできた政権が、東側のロシア系住民を無差別攻撃したのである。
戦時国際法は、国軍が自国民を攻撃する想定をしていない。

ために、「ジュネーブ4条約」の適用もなく、見かねたプーチンが救助活動をしたのが、この「特別軍事作戦」の発端である。
いまいちど、ロシアの「目的」について、冷静に確認するひつようがある。

逆に、アメリカを中心とした「戦争屋」は、ウクライナ人の命を犠牲にして、自分たちのカネ儲けのための戦争を煽っているのである。
これが恥も外聞もなく、牙をむき出しにしている。

そんなわけで、トランプ政権2.0は、だまってみているはずもない。
とうとう、連邦上院が「承認しない」ことが決定的となり、マット・ゲイツは指名を辞退したが、ディールしたはずのトランプ氏が新たに指名したのは、かつて「ヒラリー・クリントンを監獄に送りたい」といった最強のパム・ボンディ氏だ。

チーム・トランプのこの人材の厚みこそが、強みなのである。

にもかかわらず、わが国防衛大臣がウクライナを訪ねて追加支援をいうあたり、もう、「トランプ2.0」を堂々無視しているのが、なかなかに腹の座ったことをやっている、ともいえるのである。

しかして、ヨーロッパ各国民は、ロシアの言い分を理解しはじめたのは当然で、戦争屋たちの自国政府とEU委員会に呆れだした。
この連中の国民を見下した思想こそ、排除の対象になりつつあるのだが、東アジアではまだ「夜明け」が遠いのである。

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