ヤバい自民党の内部統治

高市政権に期待する阿呆がたくさんいて、それがジャーナリストを自称しているから噴飯物なのだといいたい。

わが国の支配構造は、ソ連・中共型(党主導)なので、政府よりも「党」が上の地位にある。
だから、政府のあらゆる機関は「党」内部にある様々な部会やらの長に支配されている。
ゆえに、「財務省解体デモ」なるものは、たんなる「デモンストレーション」にすぎないガス抜き行動なのである。

このことを、あたかも「政府(官庁)主導」のごとく報じているから、意図的なミスリードをされて始末が悪いのである。
当然に、政府主導のトップは「内閣総理大臣」であるから、首相依存症という病気を発症する。

それで、自民党の場合は、党務を司る「幹事長」が実質的に首相をコントロール立場にあるのであって、石破氏と森山氏との関係はこの意味でわかりやすかった。
むろん、ソ連時代を長く仕切ったのが、ブレジネフ「書記長」であって、コスイギン「首相」ではなかった事でわかるし、中共も同様になっている。

それゆえに、党幹部になるには「党人」として選挙で勝つか、「官僚から上がる」かの2コースとなっているが、官僚機構=政府事務官をシンクタンクとして無料で活用している自民党は、経済界を利権と役所からの締付けで組織化しているので、政治家として「自分党」なる後援会をもって個々に選挙をたたかう仕組みになっている。

この点で、党組織を挙げて選挙をたたかう近代政党(公明党・共産党・参政党)と比較して「前近代性」が色濃く残るのが自民党という存在なのである。
だから、「古い自民党をぶっ壊す!」という本来の意味は、脱皮して近代政党になることであるはずが、たんなるグローバル全体主義のイデオロギー政党に変態してしまったのだった。

例として、防衛大臣で安定的な議論をしていた、小野寺五典氏ではあったが、その後のキャリアでグローバリストの犬であることが発覚して、なんだかなぁになってしまった残念がある。

しかし、かんがえてみれば「防衛大臣」という職は、最高指揮官が内閣総理大臣であると法に明記されているので、アメリカの「戦争大臣(トランプ政権2.0は、「国防総省」を建国時の名称に変えた)」と同様に、「軍政(人事と予算)」が主たる業務請負範囲なのである。

「作戦(参謀機能)」は、アメリカ軍の指揮下にあると岸田内閣であっさり決めたので、「防衛庁」が「防衛省」になったごとく、「自衛隊」は名称をたとえ「国防軍」にしても、なんだかなぁになるようにできている。

それゆえに、小泉某が就任しても、あるいは初代「防衛大臣」が小池百合子だったことを勘案しても、権限がないことに国民からしたら妙な安心感がある構造なのである。

高市首相の肝いりという、自民党税務調査会の会長が、あの宮沢某から小野寺氏に交代して、さてどうするのか?と思いきや、ガソリン暫定税率の廃止問題はそのまま宮沢氏から「引き継がれた」のである。

ここに、あたかも「やる」と宣言した高市氏特有の「欺瞞」がみてとれる。

それもそのはずで、政府税調よりははるかに権力がある党税調でも、秋も深まった「この時期」でできることはほとんどないのである。
なぜなら、企業の「予算」もおなじで、とりまとめ段階に入ってからの大幅変更は、実務的に不可能だからである。

しかも、この国の経営は、支出と収入の算段を別々にやっているばかりか、政府支出こそが政治の本質のために、税収の基本となる「税制」について、よしんば本気で議論するなら、「選挙」と「春から夏まで」しかチャンスがない。

政府の運営資金は、「税制」による「税収」と、「国債発行」、それに「各種事務手数料」とがあるが、すでに「国債」が主流となってしまっている。
つまり、収入源のはなしも分断されているから、国民を騙すのに都合がいいのである。

春に政府がだす「予算編成方針(「骨太の方針」とかと化粧している)」に対応して、各省庁は8月までに「概算要求」をしないと国会審議の日程が組めないのである。

すると、「党主動」だから、いつ党として政府に命じるのか?という日程が最優先されるのは当然なのである。

ようは、「骨太」でも「骨粗鬆症」でも、なんでもない、「党内決定」こそが最重要なのであって、その実態を報じるものがないという、「黒いベール」に包まれているのがわが国という共産国家なのである。

それでもって高市氏には、驚くほどの「党内基盤」がない。

なにせ、ずっと「無派閥」のひとであった。
ここにも、巷間、高市氏こそが安倍晋三氏の後継者だという根拠がわたしにはぜんぜんわからないのである。

そんなわけで、高市氏だろうが誰が首相であろうが、どうして自民党に期待してしまうのか?まったく現代日本のミステリーなのである。

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