15日、ロシア・ラブロフ外相がSNS(TikTok)で語る、「日本が傀儡国家だと十分に認識している。日本は(ロシア)制裁に参加するように命令され、直ちにその命令を実行しました。まぁ、これも彼等の人生です。問題なのは日露関係がさらに低く深い暗闇へ行ってしまってよいのか?」がネットで話題になっている。
ウクライナの終戦に目処がついてきたことでの、次のステップに入ったということだとかんがえられる発言だが、プーチン氏が以前からいっていることと寸分も狂いのない繰り返しでもある。
いつも唐突に見える、トランプ大統領の数々の発言には、たいがい「裏」があることを学ばないといけない。
ウクライナの鉱物資源に関する二国間条約は、アメリカからしたら過去のオバマ・バイデン政権がやったアメリカの一方的なコスト回収だとプロパガンダされて、あたかもトランプ氏がカネの亡者だと刷りこみをして、しっかりそのまま擦り込まれた日本人もおおいから、もっと情報統制されているヨーロッパではより深刻だろう。
しかし、1月、トランプ政権2.0が発足する直前にウクライナ訪問をした、英国の邪悪の権化スターマー首相が、この時点で、「ウクライナの全ての天然資源を英国の利権とする密約」をゼレンスキー氏と結んでいたことが判明したのである。
このことに対抗してのことだというのが正しい見方だが、トランプ政権2.0の深さは掠奪しか頭にない英国の浅はかさとは次元が異なる。
・契約当事者のゼレンスキー氏に、「大統領」としての正統性に法的な根拠はあるのか?を問いながら、アメリカ案を提案しているはずで、調印者はゼレンスキー氏だけではないのではない(憲法上の大統領代行者たる国会議長も)か?
・これによって、事実上の英国との契約を破棄させたのではないか?
つまり、2月28日のホワイトハウスでの前代未聞の口論は、英国のスターマーがやらせた茶番ではなかったか?
14日、ホワイトハウスを訪問したNATOのマルク・ルッテ事務総長(元オランダ首相)は、トランプ大統領に全面降伏し、これまでの主張を翻して、「ウクライナはNATOに加盟することはない」と明言したから、いよいよゼレンスキーだけでなく、戦争継続(利権よこせ)の英国とフランス、それにEUのハシゴを外させることに成功した。
こうして、ロシアの終戦条件のひとつが解決したのである。
おそらく、トランプ大統領はルッテに、「アメリカのNATO脱退」をほのめかしたにちがいない。
とにかく戦争をやめさせて若者がムダに死ぬことをなんとしても止めたいトランプ大統領は、ロシア・クルスクにてロシア軍に完全包囲されたウクライナ軍の命乞いをプーチン氏に求め、降伏するなら保証するとプーチン氏は回答した。
主語が、ゼレンスキー氏、ではないことに日本人も気づくべきだし、「米・露同盟」が実質的にはじまっていることにも注目しないといけない。
すなわち、14日のラブロフ発言とは、まもなく東アジア・極東情勢へと米・露の目線が変化することを予告したモノで、「傀儡政権つぶし」をやると宣言したのである。
これは、先の、コルビー発言とも呼応・連動している。
しかして、脳天気そのものの日本政府は、「米・露同盟成立」という、21世紀の大地核変動に気づきもしないでいるのは、まさに「ダチョウ」とおなじなのである。
11日、東日本大震災の遺児ら支援と称するコンサートで、オーケストラを指揮した官房長官(元外相)を褒めている場合ではなく、現外相のG7会議でのウクライナイ支援発言にいたっては、まだ言うか?という滑稽さを世界に披露して自慢する愚かさである。
とうとう、日本政府は米・露を敵に回した。
12日のクロアチアでのプーチン氏の、ヨーロッパ向けメッセージと喧伝されている実は日本向けメッセージでもある、「ロシアはあなた方の敵ではない。あなた方の指導者があなた方の敵なのだ」がしみるばかりなのである。