予備選挙がはじまった

日本にはない選挙(制度)である。

本選挙に立候補する候補者を、有権者や党員が選ぶ制度である。
いわゆる、「タイマン(一対一)」の決闘が文化だったからだろう。

日本では、1889年(明示22年)の「決闘罪ニ関スル件」によって禁止されたので、すっかり馴染みが薄くなっているが、わたしが子供だったむかしの小学生は、空き地とかでちゃんと「決闘」をやっていた。

「ちゃんと」というのは、決闘状を書いて相手に渡し、相手も受けて立つことを表明するから、「立会人」も野次馬もいた。
だから、ヘンな武器とかを持っていると、野次馬が騒いで、立会人がこれを許さなかったから、たいしたケガもしなかった。

そもそもへんな武器を持ってきたら、後々まで(たぶん一生)汚いやつだとレッテルが貼られることを子供でもしっていたので、そんなものを持ってくるやつはいなかった。

なので、ピストルをつかう西部劇の決闘を、汚い奴らだとおもっていたのである。

アメリカは州が国だから、予備選挙のやり方も州によってちがう。
日本でいう、選挙管理委員会がやる「予備選挙」もあれば、政党がやる「予備選挙」もある。
どちらも、日本のマスコミは、「予備選挙」としかいわないので、全部の州でおなじやり方の選挙が行われていると勘違いさせられる。

それに、有権者も事前に「選挙登録」しないと、投票所にいっても相手にされない。
しかも、選挙管理委員会がやる予備選挙でも、有権者は「どちらの党員なのか」も登録するのである。

そうやって、民主党とか、共和党、あるいは無党派と登録して、その登録した党派に名前があるひとに投票するのである。

ここがまた、日本的な厳密さに欠けていて、自己申告なのである。

いまや追いつめられた民主党は、「一日だけ共和党員」というキャンペーンを実施中で、選挙登録の際に、ほんとうは民主党員なのに、「共和党」と申告して、共和党予備候補から、トランプ氏以外(ご指名は「ニッキー・ヘイリー」)に投票するように公然と呼びかけている。

アメリカ人も、「決闘のルール」を忘れたようなのだ。

しかも、ニッキー・ヘイリー候補自身も、この民主党のやり方を喜んでいる始末で、共和党有力連邦上院議員のひとり、ランド・ポール氏は、「ニッキー・ヘイリーにだけは投票するな」というキャンペーンを独自に展開している。

もちろん、ニッキー・ヘイリー候補が喜んでいるのは、おカネについても、大口献金をしている民主党支持者(有力財界人)たちが、こぞって彼女に献金しているからである。

とにかく、なにがなんでもトランプ氏をおとしめたい。
なぜなら、自分たちがやったこの3年間の「報復」を、再選された第二次トランプ政権も「やるにちがいない」と思い込んでいて、それに恐怖しているからである。

まさに、自己の穢れた魂の姿が、閻魔大王の憤怒の姿になって映し出され、自分が自分を裁く仏教をしらないひとたちが、「餓鬼」のごとくに陥っている。

おそらく、宗教家であるトランプ氏は、分断ではなく「愛」をもって、融和を図るのだろうに。
それこそが、「MAGA」の真髄だということもわからずに、戦争屋に加担する財界人たちの思いは、狂気へと変容しているのである。

それゆえか、鉄板の民主党支持団体が、とうとう共和党支持に転換を開始している。

英・米とも、議会承認を得ないでやった、イエメン空爆は、バリバリの反戦団体が両国政府を徹底非難している。

人口密度の高いイエメンの首都空爆は、国際法違反(虐殺)にあたるという意見もあるが、その前に、英・米とも国内法に違反しているのである。

フーシ派にとって、願ったり叶ったりの状況が生まれたが、これを「作っている」のが、英・米の戦争屋政権なのである。

それで、アメリカ連邦下院議会は、上院とも歩調をあわせてバイデン政権を非難している。

けれども、こうなることは事前に予測可能だから、むしろ、議会承認を経ないで空爆作戦を急いでやった事情はなんだったのか?を疑うのである。

ようは、戦争屋たちを儲けさせるための、「援軍」であって、現場を混乱させるほどに軍需が高まるのである。

ちなみに、イランの経済大臣だかは、アメリカがアフガンにプレゼントした武器や、ウクライナ支援の武器が、ブラックマーケットで無尽蔵に手に入る状態にある、と発言している。

敵が撃ち込んできたミサイルの断片を確認したら、味方製だったというお笑い種が現実になっている。

15日のアイオワ州の予備選挙は、共和党の党内選挙方式だ。
なんと、民主党は、伝統だったアイオワ州での予備選挙を「やらない」と決めている。

ぜんぜん民主的でなく、党規約も、「大統領候補は民主党幹部だけで決めることができる」と改訂し、共産党とおなじにしている。

それで、民主党の予備選挙がないので、民主党員に一日共和党員になって、ニッキー・ヘイリーに投じろといっている。

ところが蓋を開けたら、ニッキー・ヘイリーは、落ち目のデサンティス知事にも及ばなかったのは、ワシントンの民主党幹部を震撼させているにちがいない。

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