マット・ゲイツ氏の司法長官指名辞退のニュースで見えてくる、「敵」とは、共和党内の「元主流派=RINO(Republican in name only:名ばかり共和党員)」だと、世界に知らしめたのは、最初からの仕込みではないか?と疑ってしまうほどの注意喚起だった。
連邦上院で通るはずもない人事をぶち上げて、アメリカ国民ばかりか世界の一般人にRINOが誰かをあぶり出して、いまいちど明確に知らしめることに成功したからだ。
では、誰だったのか?
5人いる。
先ずは、ミッチ・マコーネル(ケンタッキー州)、リサ・マーカウスキー(アラスカ州)、スーザン・コリンズ(コネチカット州)、マークウェイン・マリン(オクラホマ州)の4人の現職で、引退するゴリゴリのRINOミット・ロムニーに替わって今回当選した、ジョン・カーティス(ユタ州)を加えての5人である。
ちなみに、このミット・ロムニーを「共和党穏健派」だと噴飯物の紹介をしているのは、わが国のマスコミなので、初心者は騙されるから新聞を読んでもテレビを観てもいけないのである。
とくに、連邦下院から鞍替えして上院議員になった、ジョン・カーティスは、下院議長を解任されたRINOケビン・マッカーシーに近い人物で、解任劇の先頭にいたゲイツ氏に深い恨みを抱いているという。
この意味で、アリゾナ州とネバダ州で落したふたつの上院議席が響いている。
これに、上院議長の副大統領票の3票があれば、難なく通る人事となったからだ。
なので、全米の恨みが合計7州に向かっているのは、日本での神奈川県とか島根県とか広島県に向かうのとおなじだ。
今後の政権運営でも、この5人はいつでも名前が出ることだろう。
ゆえに、つぎのターゲットは、RFK.Jrへの非承認だとおもわれる。
製薬会社と食品会社が多額のスポンサーになって、はげしいロビー活動が展開されているからだ。
ただし、民主党の一部良識派に、RFK.Jrを推す議員もあらわれているというから、もうアメリカも、共和党対民主党という旧来の対立構図ではなく、トランプ連合(穏健派旧民主党連合)対既得権益(DS)という図式に変化しているので、「あぶり出し」が一巡するまで当面はわかりにくい状態がつづくだろう。
最新の情報で、マット・ゲイツ氏は議員に復帰する気もないそうなので、有名人でトランプ2.0にまだ加入していないのは、上述したアリゾナの上院議員選で惜敗したカリー・レイクと彼の二人になっている。
それもこれも、あんがいと映画に出てくるような子供じみた単純さが、「議員」の本性なのだというのが実際なのかもしれないとみえてきたのは、マット・ゲイツを否認する代わりにのんだとみられるパム・ボンディ氏に愕然としたという反応でわかる。
なんだか、世界にお間抜けな姿を晒したのが、連邦上院RINOたちなのである。
このポンコツな、「抵抗勢力」は、わたしには『チキチキマシン猛レース』にみえてならないが、今後あらゆる場面で「ヒール:プロレスでいう『悪役』」として活躍させられることになること確実だ。
それで次回以降の選挙での落選が相次ぐ、ともなれば、もう「勧善懲悪」のマンガのような条件は揃ったも同然なのである。
それがまたあらたに発表された人事で、本物のプロレス団体のトップだった、リンダ・マクマホン氏を教育省長官に指名したことで、トランプ氏の格闘技好きとかけ合わせて、何重ものサプライズとなっているにちがいない。
なにせ、トランプ氏は1.0でも公言し、今回の選挙でもブレなかった、「連邦教育省の廃止」のために選んだのがマクマホン氏の指名だからである。
もちろん、彼女もやる気満々なのだ。
これには、諜報機関をぶっ壊すために、トゥルシー・ギャバードとラトクリフのコンビを指名したことと同様だし、司法省の下部組織とはいえ強大な法執行機関たるFBI長官も、誰になるのか注目されるのさえも、おなじ「ぶっ壊す」ための人事になるだろうからである。
これらの役所では、すでに民間企業への転職をはじめた職員が多数いるというが、逃げてもムダだとパム・ボンディ氏はさっそく釘をさしている。
兵庫県のわからない騒ぎどころではない、国家公務員の大量解雇がアメリカで実施される。
公務員は解雇できない、という常識を素直に受けとめる気がまったくないばかりか、公務員の身分に関する法の改正も視野にいれているのが、トランプ政権2.0だ。
しかも、「省」が消滅するダイナミズムは、わが国の既存体制にも影響しないはずがない。
それでもって、これら人事案をさらにちゃぶ台返しするのが、共和党RINO上院議員たちときているから、下手なドラマを観るよりずっと見逃せないのである。
もう、プーチン氏もトランプ政権2.0としか対話しないとアドバルーンを上げて、あわてて戦線を拡大しようとしているのが、既得権益を死守したい英国やらEUになったのは、まことに無様である。
その代表、ボリス・ジョンソン英元首相は、ヨーロッパでのインタビューでヌケヌケと、「われわれはDS(既得権益)の召使いに過ぎない」と告白・自己弁護したのが話題になっている。
なんだかもう「底が抜けた」感にあふれているのだ。
しかし、かんたんに諦めるDSではないので、何が起きるか分からない。
もちろん、律儀にこの無様に協力している「自・公・立憲」政権の無様は、世界の一般人にもバレて、いよいよ日本国の評判を落とすという分かりやすさになってきたことが、日本国民には朗報なのである。