22日に公開され23日に更新された記事の見出しである。
「Le Figaro」は、「Le Monde」(夕刊紙)と共に有名なフランスの新聞である。
立ち位置は、中道右派となっているが、日本の「読売新聞」と提携していることから推測するに、DS側の仲間とも推測できる。
この記事自体は、同紙、セバスチャン・ファレッテイ東京特派員の署名記事である。
わたしは同紙の定期購読者ではないので、この特派員のことはしらない。
一般に、わが国の新聞やらとちがって、外国の新聞には「記者の署名がある」のがふつうだ。
それで、記事の小見出しを自動翻訳でみると、「習近平時代の鉛のマントから逃れてきた中国人の避難所、日本」とある。
あんがいとこの記事が「古い」のは、似たような内容で昨年の11月17日付け「COURRiER」が、「Le Monde」のSimon Leplãtre記者による「移住先に東京を選んだ中国人たちの「いま」」を掲載していることでわかる。
なお念のため本稿では、昨今のわが国における「外国人移民問題」については深掘りしない。
むしろ、いまの東アジアの情勢は、「日清・日露戦争」の状況に近いことをテーマとしたいからだ。
すでに、当時の日本帝国は、「脱亜入欧」(明治20年頃の造語)を意識的に、しかも重点的に実行していたので、「遅れた」大陸や半島からの亡命者は多数いて、これらを欧風に啓蒙して送り返す「革命分子の輸出」もやっていたのが日本人だった。
これを支えたのが、中国の戦国時代にはじまるとする「食客」の風習が、儒学を通じてわが国にもやってきたことだ。
それで、さまざまなパトロンたちが有望だと判断した人物を自家に囲って食わせていた。
今に通じる例なら、赤塚不二夫がデビュー前のタモリを食客としていたことは有名だ。
むかしは、高級官僚やら政治家、あるいは学者も、「書生」というかたちで食わせることでの人材の囲い込みをしていたのである。
それで、政治家の秘書から身を立てるルートとなって今に至る。
けれども、「食客」を多数抱えることができるほどの「お大尽」が絶えて、いまや死語に近い。
別のいい方では、「居候」である。
だから、日本にやって来ても「自力」での生活が必要かとおもえばさにあらず、なんといまでは「国家」がこれらのひとびとを「食客」として迎えているともいえるのだ。
このところわたしは、習近平氏を複雑な目線でみている。
それは、習氏が「ナショナリスト」という本質的な思想の持ち主で、毛沢東の信奉者ということの重要性に注目したいからである。
これとは逆に、「反・習近平」とは、あんがいと「反共」とは別の、「親・江沢民派」という側面があることが重要なのだ。
江沢民派=改革・開放政策=グローバル全体主義に通じるので、いわゆるDSとの相性がいい。
つまり、反・習近平とは、グローバル全体主義者をさすことと同義となるのである。
しかし、だからといって、「インターナショナル」だった共産党のトップである習氏が共産主義を棄てたわけでもない。
ここが旧来のインターナショナル全体主義、対、グローバル全体主義の対立となって、それぞれを内包する共産主義との絡みで、習氏の立ち位置が両者をまたぐわかりにくさがある。
とはいえ、その習氏の体制が嫌だから=江沢民派だから、日本にやって来たのだというのは、もっともわかりやすい、わが国がグローバル全体主義のDSによって支配されていることを示すのである。
この目線に立つと、トランプ政権2.0が、トランプ政権1.0のときに築いたという、習氏との個人的な関係がある、と主張することに矛盾はない。
反DSを政治目標とするトランプ大統領の立ち位置から、プーチン大統領とともに、習氏は「仲間内」となるからだ。
江沢民亡き後の江沢民派はどうなっているのか?
深くもぐり込んでよくわからない。
ただし、香港・浙江財閥との関係の濃さがある。
つまり、冒頭の「東京は新しい香港になる」が意味するものは、東京=日本が、江沢民派の亡命地になったことを意味するだけでなく、そのまま乗っ取られて、新しい中国になって習氏の大陸とかつての蒋介石に征服された台湾のようになることを示すのである。
少なくともフランス人のインテリはそうみている。
それゆえに、中国との貿易対立に当てつけて、トランプ政権2.0が最初にわが国をやり玉に挙げたのは、放置すれば日本が江沢民派に奪われることの、代理戦争をやっているともいえる。
この意味では、習氏の国内統制が弛むことは、江沢民派に乗っ取られたわが国の与党には有利だが、習氏の統制が強化されると困るのである。
このために、トランプ関税交渉のこの時期に、あえて自公のトップが北京詣でをするのは、親・習近平を装った江派へのヨイショの緊急テコ入れなのではないか?と疑うのである。
もちろん、江派はDSの一部だから、アメリカ民主党とも懇意である。
その民主党の活動家たるウィスコンシン州地裁のハンナ・デュガン判事を、FBIが公務妨害として逮捕・訴追したと、カッシュ・パテル長官が「X」に26日投稿した。
すさまじい攻防戦が、アメリカ国内の末端でもおきている。
次期大統領選挙に民主党の最有力は、いまのところ民主党員ではないバーニー・サンダースとアレクサンドラ・オカシオ・コルテス(A・O・C)の極左コンビのようだが、このふたりは当然だがグローバル全体主義側なのである。
これが日本の与党に関係しないわけがないのである。
そのための援助が、政権与党の政策になっているから、アメリカとちがって事件とならないのがわが国なのである。
つまるところ、トランプ政権2.0と習政権の中枢が、わが国政府を攻める理由がこれだ。