民主党(議会トップは上院リーダーのチャック・シューマー)が、8回も否決して予算案を妨害したことが、今回(1日から)の「政府閉鎖」につながった。
オオカミ少年の逸話のごとく、どうせ今回もいつも通りのことだろう、というほどに、与野党の政争でやってくる政府機関閉鎖の危機は、なんだかんだの「談合」で解決するのがこれまでの通例だった。
ようは、政府債務の上限を「上げる」議決をすればいいだけ、という安易さ(国債の発行=FRBによる現金化)が答えだったのだ。
しかし、トランプ政権2.0には、強力なシナリオライターが存在する。
選挙公約にあった、「DS」あるいは、「ワシントンの沼に巣くう怪物たち」の排除という約束を実行するには、どうしたらいいのか?
これに、民主党の頭が悪いチャック・シューマーの力を利用して、合気道のごとく順手による施策を思いついたにちがいない。
つまり、「脅し」だけの民主党に、「閉鎖」で対抗する案で、予算がないから閉鎖だけでなく、予算がないから、カーター時代からの定年がない終身が約束されている官僚制=SESの民主党思想(グローバル全体主義)に偏向している高級官僚たち、とくにオバマが約2000人と大量採用した「オバマ・チルドレン」を中心とした解雇を企画したのである。
対象者は4000人で、すでにトランプ政権2.0は、各省庁の長官をして、これらへの解雇通告を実行している。
「連邦政府は、あなたの政府へのサービスを必要としなくなった」が、解雇理由である。
これには、スティーブン・ミラー(Stephen Miller)大統領次席補佐官がからんでいるはずだ。
この人物は、あのDOGEの産みの親で、連邦職員の本格的解雇について、トランプ政権1.0から仕込んでいた逸材なのである。
その「仕込み」とは、バイデンに解雇された職員に裁判で敗訴させるという巧妙さであった。
民主党の息のかかった連邦裁判官による「判決」を利用した。
「連邦職員の解雇権限は、行政府長官としての大統領にある」という決定が、いま、トランプ大統領の権限として活用されているのである。
よって、この民主党側判事のおかげで、さしもの高級官僚たちも解雇に応じるしか術がない。
それをまた、実行させたのが、民主党のチャック・シューマーという構図なのである。
トランプの政府を追いつめたはずが、自分たちがどうにもならない窮地に追いつめられて、打つ手なし、にされている。
今回の政府機関閉鎖の後に、トランプ政権2.0は、「SES制度」そのものを廃止する可能性もある。
24年大統領選挙中、トランプ氏は「猟官制度:スポイルズ・システム」を発展させた、第7代大統領アンドリュー・ジャクソンの功績を称えていた。
だが、ジャクソン大統領こそ、民主党初の大統領であったのだ。
もっとも、トランプ氏は元は民主党員だった。
このことも、いまの民主党は忘却しているし、RFK.Jrにしても、トゥルシー・ギャバード女史にしても、そもそもがバリバリの民主党員だったのである。
つまり、トランプ政権2.0とは、「旧民主党政権」なのである。
「旧」が、共産化=グローバル全体主義化した「新民主党」を排除する闘いを展開している。
その手法が、「新民主党=力業」に対しての「旧民主党=合気道」なのであった。
なんにせよ、日本でこのような議論が微塵もないことも、わたしが高市早苗氏にまったく期待しないばかりか嫌悪する理由となっている。