図書館システムが動かない

わたしが横浜市に住んでいる理由は、基本的に「図書館の充実」だけである。

あとは、空っぽな街になったので、ほとんど魅力はない。

昨年の暮れ、12月22日から休館して、この15日に開館したのは、「システムの入れ替え」を意図したからであった。

旧システムにとくに不満はなかったが、新システムにはいろんな機能がてんこ盛りされるというので嫌な予感がしていたが、やっぱり、初日のアクセスが事実上のサーバー攻撃状態になって、むかしの電話のように「つながりにくい状態になっています」という画面展開になってしまった。

コンピュータ・システムの入れ替えで、大混乱を生じたのは、あのみずほ銀行だった。

合併前の旧三行、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行がそれぞれに開発していたシステムの統合のことであった。

あたかも、みずほ銀行への非難(「このボケナス!」とか)が、その預金者たちの迷惑から自然発生して、こうしたシステム統合の難易度が一般にしらされない不幸もあった。

ただし、行内勢力争いとかもあって、どうしても特定難関大学(東大✕)出身者で固めている「興銀」がチームの統制を邪魔したのは、一般人にも十分に予想できることではあった。

まったく「平家でなければ人に非ず」といって滅亡した平家のようで、東大卒以外を大学出と認めない風潮には呆れたものであった。

これを、合併後もやっていたにちがいないから、人間とは怖い動物なのである。

ちなみに、同じように破綻した「長銀」は、東大に対抗して「京大✕」で、同じように平家状態となっていたけど、長銀は興銀と違って潔く消滅した。

これらの「長期信用銀行」がなくなったことが、日本経済にどんな影響をしたのか?について、あんまり語られていない。
善かれ悪しかれ、世界から「日本型」と呼ばれた経済システムは、そのコアに長期信用銀行の存在があったのが理由だった。

ために、日本では、企業の資金調達が「株式」発行が中心の欧米式ではなくて、「債券」中心だったのである。
もちろん、ここでいう「債券」とは、長期信用銀行が発行した「割引興業債券」(略して「ワリコー」)などのことである。

ここで、陰謀論としてでてくるのは、絶好調の「日本型」をバブルを煽って崩壊させて、欧米型に強制的に切り替えさせるのに、「破綻」という手段を用いた、というものである。

それで、日本人はろくな株式投資の知識がないので、日本が溜めこんだ巨額の金融資産を、たとえば、ゴールドマン・サックスとかが進出して扱えるようにさせた、というシナリオが加わるから、真実味をますのである。

銀行のシステムの話を図書館の話で長々するのは、「貸出」という機能における、似たもの同士であるからだ。

ただし、図書館の場合は、「現物」がメインで、「電子書籍(データだけ)」はまだサブになっている。
銀行のシステムは、「データだけ」が動いて、現金は動かない。

しかして、わが国の公共図書館は、たいがいが「教育委員会」の管轄ということになっている。

すると、横浜市立図書館のシステム入れ替えを企画したのは、教育委員会であるから、こいつらが何を意図していたのか?について、市議会のチェックはどうだったかが怪しまれるのである。

なお、「教育委員会の長」である、「教育委員長」は、2015年(平成27年)4月1日に施行された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正に伴い、教育長に統合されて廃止されている。

つまり、選挙で選ばれた市長とは別にある、役人がなる教育長が、民主主義教育のため、という名目でできた教育委員会を牛耳っているのである。
それが理由は、「党派性の排除」ということになっているが、役人に党派性がない、と誰がわかるものか。

そんなわけで、横浜市教育委員会は、あたらしい図書館システムに、危険極まりない「LINE」とのリンクも画策している。

これぞ、党派性の発揮ではないかと疑うが、いまや教育長を審問できるのは、議会しかないのに、その議会がただの承認機関に成り下がっているので、こうなる、ということなのである。

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