アメリカは日本の10年先を行く、と昭和の時代からいわれてきた。
できればこの教育分野では、何十年も追いつけないことが望ましいのだが、果たして実態はどうなのか?
ネットでは複数の動画が教師あるいは元教師からアップされていて、驚くべき姿が紹介されている。
ただし、これらを事実だとしても、それが「どの州」のことなのか?が不明なので、一口に「アメリカ全土」でのこととはいいきれない。
独断と偏見であえて書けば、民主党の州、ではないか?と疑っている。
しかし、その中に、州政府と教育委員会によって支配された各校の校長をはじめとした管理職が、単に盲従している告発があり、PTAで保護者たちを騙しているという。
そのために、子供たちの学習理解度についての誤解を促し、残念なことに保護者が自分の子供の学力についてまったく把握できないで進級するという。
気がつけば、高校2年、3年生になって、読み書きがまともにできない子供がクラスの半数にのぼるのだが、教師には定められた学年プログラムをこなす義務があり、いまさら小学校レベルの授業をとてもではではないができないというのである。
高校の音楽教師の告白は、より具体的である。
欧米では、音階をアルファベットで表現する。
日本の、ドレミとイロハの組み合わせではなく、イロハにあたる表示をアルファベットで行う。
コードの「C:ハ」や「G7」とかのアルファベットである。
なんと、「CDEFGABC=ハニホヘトイロハ(ドレミファソラシド)」の8文字すら、高校生がアルファベットで理解できない、と。
これに、アメリカにおける「英語=国語」の教師が、小学校低学年で終える「フォニックス」を、いまさら高校でやる時間はない、と断言している。
別の動画では、黒人の高校生ふたりがホワイトボードに教師からいわれたとおりの「文字を書け」と命ぜられるが、冗談のようにまったく書けないのである。
たとえば、「数字の2」では、なんと「2」と書いて、「Two」と書けない。
アメリカの学校では新学期にipadが全員に貸与されるのだが、それは、教科書も電子化されているためである。
しかし、生徒は、音読することはなく、「文章読み上げアプリ」で読んでもらっているために、文字を読む習慣すら身につかないという。
作文では、チャットGPTのお世話になるから、入力したキーワードがおなじなら、クラス全員がおなじ作文を書いたことになる。
理科の教師が「生態系」についてのかんがえを作文するよう宿題を出したら、「物価」や「投資」の内容だった。
これは、生態系の「ecosystem」と「economy」をチャットGPTに誤入力したためだとわかった。
しかし、こうしたアウトプットを不思議ともおもわず堂々と提出する生徒は、「自分が書いた」作文を読めないことが判明したのである。
そこで、20代で教師を辞めた人物は、学校でのipadの利用を即刻中止すべきであると断言しながら、州政府と教育委員会による各校の管理職を盲従させることも大批判している。
とにかく、進級試験をえらく易しくしたので、本人もクラスメイトも自分の学力のまずさをしらないで進級し、気づけば手遅れになっているという。
ここで15年以上前にもなるエピソードを思い出した。
とあるビジネスホテルで、フロントでの釣り銭ミスが頻繁なので、勤務表からアルバイトの女子大生の仕業だと判明した。
彼女は、有名=高偏差値の女子大英文科の才媛のはずだったのである。
しかし、小学2年生の「算数ドリル」にある引き算がまるでできなかった。
受験に数学がないための、偏差値神話が崩壊した瞬間だった。
けれども、周囲の学友たちも皆、ふつうに引き算ができないので特に気にしていなかったという。
むろん、必要のときにスマホで電卓を使えばいい、というレベルでもなく、電卓の使い方もしらなかったのである。
解雇にあたって、引き算ができないと社会で困る、ことに気づけたいいアルバイトだったとの感想に、スタッフ一同、妙に感動したのである。
いま、彼女も「アラフォー」である。
さて、近代産業は「識字率」との正の相関があってのことである。
江戸時代の常識だった、「読み書き算盤」とは、じつに近代的なのである。
それがどうして崩壊の危機にあるのか?と問えば、国家=政府の意図的計画だとかんがえるのがふつうだろう。
個人が生き残るための常識としての「(現代における)読み書き算盤」は、家庭という個人集団がまず意識しないとできない相談になったのは、国家=政府が「読み書き算盤」能力を奪うことに専念しているからである。
しかして政府は、その家庭=家族を壊すべき手を打ち出しているのである。

