小学校で暴れるおとな

8日、東京の立川市にある公立小学校で暴力事件があったと夜7時のニュースでトップ報道されて、ネット上でもおおきな話題になっている。

ところが、その「原因が不明」なのである。

なので、一方的に暴力を振るった方が悪い(に決まっている)という、決めつけで論じられているのである。
このパターンは、ロシアのウクライナ進攻とおなじで、「進攻」ではなく「侵攻」だという論とそっくりだから、念のため書いておく。

真の原因がわかったときにいまの論調がどうなるのか?があるためである。
これを「早合点」といったものだが、いまだにウクライナ支持とは、なかなかに「早合点」すると修正がきかないのは、人間の「第一次情報に依存する」という習性のためである。

むかしなら、たとえば横溝正史の『金田一耕助もの』における、警部や警察署長役のお約束的早合点とか、ふるいところでは野村胡堂原作で大川橋蔵のギネス入りした『銭形平次』における仇役の岡っ引き、「三ノ輪の万七」が典型的な早合点のキャラであった。

視聴者は、かれらの早合点を嗤っていたが、いまは嗤えないことになっていないか?
それても、他人のなり観て襟を正すことも忘れたか?

さて巷では、学校側となんらかのトラブルがあった児童の母親が、校長やらと話し合うことになったが、これが決裂して、知人のおとなふたりを呼んで、彼らが暴行するに至ったという情報だけで、「最悪な母親」ということになっている。

何度も書くが、そのトラブルとはなにか?がいっこうに不明なのである。

つまり、「暴行事件」の第一報レベルであって、詳細がわからない状況における「推論」だけでの「悪の決めつけ」が堂々とおこなわれていることになる。
もちろん、どんなトラブルかによっては、今後、悪いのは学校当局にある、ということにもなりかねないのである。

むろん校長等を殴って怪我をさせたり、器物破損をしたり、校内を騒然とさせて児童に怖い経験をさせたことは「処罰理由になる」ので、これを無視しているのではない。

たとえば、ウクライナでは、ソ連崩壊後から政府・役人の腐敗ぶりは「世界一」というほどの荒れた状態で、これに民主党政権のアメリカ国務省とCIAが画策して、親米派=ナチスに政権をとらせたことで、一気に国内の平穏が悪化した。

ロシア語話者の多数の地域(東部4州)の一般住民に、最初は「アゾフ大隊」なる、新興財閥が保有する「私兵団」が無差別の殺戮をおこなっていたのである。
この財閥の支援をうけて大統領に当選したゼレンスキー氏は、このような無謀な振る舞いはやめさせると公約していたが、とうとうこの私兵団を国軍に吸収したのである。

しかし、実のところは、私兵団に国軍が乗っ取られたというのが本当で、大統領就任後すぐに「大隊長」と面談したとき、ゼレンスキー氏がボコボコにされた映像がYouTubeにアップされていたことがあった。

それで、ウクライナ軍が東部ウクライナの一般人を無差別に攻撃する事態となり、おなじ民族として我慢の限界を超えたとしての「特別軍事作戦」に踏み切ったのがロシアであった。
フランス人の女性記者が、「ウクライナ軍がウクライナ人を攻撃している」と泣きながら訴える動画もあったが、西側世界はこれを無視していまにいたる。

国連の場でもフランス人はウクライナ軍の無謀を訴えたのに、だ。

いま、トランプ政権2.0は、こうした経緯に鑑みて、ロシアの言い分を尊重しているのである。

歴史家の顔を持つプーチン氏からしたら、日本がウクライナ方につくことに大いなる違和感があるだろう。

わが国の例なら、たとえば1937年(昭和12年)の「通州事件」があるからだけれど、近代史を教えない政府の方針で、日本人は学校で教わらないし、受験にも出題されないのですっかり忘却してしまった。

80年もこれをやってきたら、小学校の校長だって、市役所にいる教育長の意向に逆らえない組織人に飼い慣らされても文句のひとつもいえなくなったのである。
これは戦前でも似たようなものだったので、『警察日記』(日活、1955年)の東野英治郎扮する元小学校校長が「狂人役」を好演しているごとくである。

生徒たちを戦場へ送り続けたことの「顛末」なのだと劇中で説明されているのである。

さてこの事件は、どんな顛末になるのか?
ただしい情報がマスコミから伝わることはないだろうけど。

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