戦時総動員体制の強力推進のねじれと日米冷戦

いまさらに、今世紀初めからの「(小泉)構造改革」とは、いったいどんな「構造」の改革だったのかをかんがえると、直近は、「戦時総動員体制」のことであった。

明治以降のわが国の経済体制は、いくつかのトピックによって転換してきた。

・江戸の分散(幕藩)体制が金属(金、銀)貨幣の流失によるインフレで体制転換した
・明治維新から日清戦争までの近代工業泰明期
・三国干渉による「臥薪嘗胆」から日露戦争までの、世界初となる総力戦期
・第一次大戦による、大戦景気と戦後の不況期(大正ロマンと大正デモクラシー)
・関東大震災の復興期
・昭和恐慌と世界大恐慌、東北大飢饉による困窮期
・満州&支那事変からの戦時総動員体制期と敗戦、戦後復興期
・バブルの絶頂・崩壊から(小泉)構造改革期

歴史をこうしてみると、いまにつづく「火だね」は、遠く江戸期にまで遡ることができる。

今年の「昭和100年」は伊達ではなく、昭和恐慌と世界大恐慌が、その後の戦争(準備)によって構築された、「戦時総動員体制」となって、これが敗戦後も継続した。
GHQの日本支配の都合上(冷戦対応)のためと重なって生まれた、高度成長がバブルを頂点にした崩壊からどうやって転換させるのか?になって、今があるのである。

つまり、いまだに「構造改革」は継続したままだから、まさに現在も、「構造改革期=失われた30年期のダラダラ続く計り知れない延長期」にあるといえる。

なので、「改革疲れ」なる言葉もあるのは、一向に改革の満足な「成果」がでないことにあるばかりか、却って国民生活は悪化し、経済衰退が止まらないからである。

ふつう、一世代以上の時間をかけ一貫してやっている政策が、かくほどまでに成果がでないなら、これを「失敗」と認め、路線変更を試みるものだとおもうが、日本人の知能の劣化が顕著なためからか、「失敗を認めない」だけでなく、さらに既定路線を走ることに鞭打って加速させようとまでしているのである。

これを、「自滅の道」というのではないか?

そこで、「(一連の改革の)既定路線」とはいかがなものか?を問えば、そもそも「構造改革」という用語を初めて用いたのが、イタリア共産党だったことにたどり着く。

あの、ファシスト党を創設したムッソリーニは、イタリア社会党左派であったが、これを図にプロットすれば、当時のイタリア共産党よりも「左」であるがために、社会党から除名処分をくらっているし、イタリア共産党からも嫌われたのである。

つまり、本物の「極左」が創設したファシスト党の根本思想たる「ファシズム」とは、図からはみ出し過ぎて裏面を通過して、あたかも「極右」になったようにみえるところが、「ミソ」なのだ。

ようは、「自・公・立憲」政権の根本思想がこれだから、自由経済体制とはかけ離れていくばかりなので、日本は自由経済体制だと思いこんでいる国民から観たら、ぜんぜん「成果」がでないことになっている。

しかしながら、ファシズムという「変形共産主義」に染まった、「自・公・立憲」政権からしたら、はなから自由経済体制を破壊し、「政府主導の集産主義:計画経済」の体制に転換することが目的となっているのである。

だから、党組織として、まったく「失敗」を認めないばかりか、「道なかば」として、上に書いたように、改革の既定路線をより強力にかつスピード感をもって推進することが、「正義」となっているのである。

これは、戦時総動員体制期を転換させるという意味ではなく、より強固にするという意味の「改革」なのである。
もっといえば、共産主義革命が静かに、しかも、30年以上かけて粛々と実行されているから、国民生活は困窮化することも「既定路線」になっているといえる。

そんなわけで、本来、敗戦後一貫して宗主国であったはずのアメリカにできたトランプ政権を1.0であろうが2.0でも、「無視」を決め込む度量は決して鈍感なのではなくて、「確信犯」としての対峙だといえる。

驚くことに、わが国はいま、アメリカと「冷戦状態」にある。

もちろん、「ソ連」としての冷戦であるのだから、いまのわが国の正式国名は、「ソビエト社会主義日本帝国」と名乗るべきなのである。

すると、あんがいと江戸時代にあった、「小中華思想」も頭をもたげて、なんとも不可思議な「管理型自由経済体制」を確立した、中華人民共和国よりも「共産主義の本家である」という意識となって、北京詣でという見た目とは裏腹に、ご本人たちは「降臨」してやっている、という優越感が先にあるのではないのか?と疑うのである。

それが、なんの悪びれもない態度になるのだろう。

トランプ政権2.0からしたら、優先順位は、
・国内
・北米(カナダとメキシコへの関税)と、足元のパナマ運河
ヨーロッパ金融貴族支配からの脱却(対EU&NATOからの距離と親ロシア)
・中東(イスラエルとアラブとの「アブラハム合意2.0」と対イラン)
・東アジア(中国と日本)
ということのはずなので、わが国へのコミットはもう少し時間をおくことになるだろう。

さてはいかなる戦略で、日本との冷戦に勝利するのか?は、日本国民からしたら「救い」となる「ねじれ」となっている。

ために、懲りないマスコミもまた、トランプ政権2.0を叩いて、共産化に加担しているのであった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください