政府によるファクトチェックの恐怖

グローバリズムとは、かつての「国際共産主義運動」が、別のカタカナ単語になっただけの、全体主義体制をめざす政治思想である。

18世紀のフランス革命を皮切りに、20世紀になってロシア革命が起き、それから、イタリアでファシズムが、ドイツでナチズムが、それぞれ「派生変化形」として誕生し、21世紀でもまだ生き残っている。

ロシア革命の複雑さは、あんがいと面倒な話で、それはまたフランス革命のそれと似ているのは、双方ともにおおくの犠牲者を生んだことにある。
もちろん、権力闘争の挙げ句、ということではあるが、そのへんの一般市民も犠牲になったのは、あたかも「魔女狩り」よりも大規模で組織的だったからである。

レーニン亡き後の権力闘争の挙げ句、勝者のスターリンがロシアを独裁支配する。
似たもの同士のヒトラーとスターリンの犬猿の仲は有名だが、スターリンに敗れたトロツキーの執念は、アメリカへとむかう。

そんなわけで、都合よくトロツキー派がアメリカ民主党を乗っ取れたのは、資金源が大富豪たちだったからだ。
ロシア革命の資金も彼らが出して、「冷戦」による武器開発競争で投資回収以上の利益を得たのである。

つまるところ、スターリンとても道具にすぎなかった。
大富豪たちにとって、各国民の不幸はどうでもいいのである。

この「倫理の崩壊」が、日本の自民党や財界を呑み込んだ。

それでもって、トランプ氏が登場したことで、以上の構図があからさまに見えるようになってきた。
あたかも、『プレデター』(1987年)の、光学迷彩装置(Cloaking Device:クローキングデバイス)が機能不全を起こしたごとくである。

むかしでいえば、あぶり出し、だ。

映画の設定でもそうだが、敵から「見えないはず」が見えてしまうことに慌てるのは、グローバリストも同様で、以来、さまざまな不正や嫌がらせをこれ見よがしに行うのは、その思考回路が原始的な凶暴性(=肉食の思想)によってできているからだろう。

バイデンの4年間弱で、トランプ時代4年間の意味に気がつかなかったアメリカ人もおおくが気づき初めて、もはやカマラ・ハリスの敗北も、見えてきてしまった。
CNNがカマラ・ハリスをこき下ろしているのは、欲求不満行動だとおもわれる。

そこで、アメリカ大統領選挙前に、日本でのグローバリズム政権を維持するために、自民党総裁選なる「隠蔽工作」をしようとしてはいるが、どれもこれも相似形のグローバリストばかりなので、国民の関心は低いままだ。

民主党の言いなりで、支持率の低迷が歴史的にもなった岸田氏が、とにかく命じられるままにやったなかでの最高峰は、「政府によるファクトチェック」を行うと決めたことなのである。

それで、地方自治法も変えて、「政府が命令できる」ようにした。

戦前の歴史は、「国民に自由な言論はなかった」と教えられてきたが、これから先は、はるかに不自由な言論空間になろうとしている。
これを、言論人がぜんぜん批判しないのは、日本の言論人がみなグローバル全体主義(共産主義)に染まっているからだとのお里もしれたのである。

文春新書から出ている、『内閣調査室秘録』(2019年)には、冒頭、初代室長の名前があるが、彼はGHQ参謀第2部の傘下にあった、キャノン機関の協力者だったことは、『何も知らなかった日本人』(1976年)をみればわかる。

ようするに、政府がファクトチェックをしても、それをファクトチェックできないようにしたから、もう、ソ連共産党やらナチスが支配するも同然になった。

なるほど、正統ナチスのゼレンスキー政権を全面支援するわが国としては、当然の政策なのである。
それでもって、隣国のロシアから敵国認定されたのは、国際法の適用において先手を打たれたことになったのに、この意味に国民を気づかせない言論統制がはじまっている。

つまり、なんと、わが国与党の本性は、ナチスなのだとバレたのがいまの状況なのである。

さすれば、ハンナ・アーレントの主著『全体主義の起源』こそが、毒抜きのための解毒剤にほかならない日本国民必読の書なのである。

自民党総裁選という用語で誤魔化して、間抜けな顔ぶればかりで誤魔化してはいるが、「総統」を選出するのだと言い換えれば、なんの違和感もないのが現代なのである。

ちなみに、台湾の大統領を「総統」といまでもいうのは、蒋介石とナチスとの関係における伝統だからである。

残念ながら、トランプ政権の再度の誕生で、これらを吹き飛ばしてもらうしか、日本人に選択肢がなくなっている。

野党の酷さを目立たせる「立憲民主の党首選」が、かくも低調なのも、わざとだとしかおもえないのだ。

ただし、次の総選挙でどこまで自民党の議席を減らすことに成功できるか?が、国民の自助努力になっていることだけはまちがいない。

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