政府支出=国民負担(含税)

前回からの続きである。

ここでいう「税」とは、広義の「国民負担」のことである。

つまり、国民にみえて課税される「税」と、国債発行による通貨価値の下落=インフレによる物価上昇分も「税」に含まれるということだ。
そのインフレ退治のために、中央銀行があるのだけれど、政府がわざと引き起こすインフレに日銀が対処できるはずもない。

たとえば、コメや野菜の高騰とか、政府にいいなりのマスコミ報道では、天候のせいにはしたが、農水省のHPに残った昨年の作柄指数が平年並の「101」だったことが一般人から漏れて、「ウソ報道」だとしれたし、怒った農家の発信もあった。

もちろん、肥料の元になる天然資源としての原材料も、ロシアからの制裁で輸入できなくなったので倍になるコスト増大が農家を廃業に追いやって供給を減らしていることも、広く政府の行動による。

こうしたことが従来通りの「政府の失敗」にならないのは、最善を尽くした上でのことではなくて、しっかり「わざと」であるから、恐るべき計画どおりなのである。
それで、国会で農水大臣は「国民は国産ではなくて輸入品を食べたがっている」という信じがたい答弁となるのである。

すると、長く続いた「デフレ」の時代とはなんだったのか?

いまからしたら、賃金を引き下げるための施策だったことがわかる。
また円高にしたのも、そうやって、生産拠点を海外に移転させて、ついでに技術も移転した。

この技術の移転には、外国に不当に盗まれる、ことも含まれた。

いま、最後の「刈り取り」としてのM&Aによる企業買収で、人財ごとの外国移転が実行されていて、日本の国内産業は空前の空洞化が始まっている。
もちろん、上場株のベースを日銀がおさえた上に、外国投資家が保有している日本企業株が膨大だから、どこまで「日本企業」といえるのか?が会社名からでは不明な状況にもある。

つまるところ、いま小学生の子供の就職先が「外資」に変換されているのである。
なのに、進学させるための努力が止まらないのは、大部分の凡人には悲劇的な努力だともいえる。

たとえ東京本社に「総合職」で入社できても、オーナーが外国人なので、ローカル職員扱いを受けるからである。
オーナー企業の「総合職」として就職するのは、日本の教育だけではほぼ不可能だ。

それでもって、横浜なら、小学生から中華学校に入学させることがとっくに流行っている。

戦後GHQ定めさせた教育のリニア化(単線的)から、戦前のような多数の選択肢があっていいのに、文科省はこれを、大学の分化(学術系と職業系)だけでやろうとしているから、不登校をいつまでも環境不適合と決めつけるばかりか、幼少の子供に投薬指示までしているのである。

そんなわけで、いかに「小さな政府」にするのか?という議論が、70年代の英・米両国であって、一定の成功をおさめたのになぜかその後は、一転して、政府は肥大化しかしていない。

敗戦国の日・独は、逆に絶好調の経済だったのも、いまからしたら「家畜」やら「麦」やらの収穫を目前にしただけの刹那(肥らせてから屠殺する)で、堕ちるばかりの状況となった。
気がついたドイツ人が、日本人に共同で立ち向かう呼びかけをはじめたが、ほとんどの日本人はこれに気づいてもいない。

「ソ連」からいまのロシアに至る短い歴史を観察すれば、大資本による収奪のやり方がわかるし、いまの日・独にも応用されていると認識できるだろう。
しかし、いまの日本人の「中堅」たる30代が、「ソ連」をしらないのである。

幸いにも、ロシアには奇跡的なプーチンという指導者が出て来て国力の再興をはかっているが、日・独の共通は、歴史的にも残念な指導者によって、逆に収奪が止まらないのである。
19日、そのプーチン氏の年末恒例・生インタビューが今年もあって、ガチンコの質問が4時間も続いた。

なんと、この生中継の視聴率は、ウクライナやモルドバで8割レベルの状態で、わざと同時間に設定した、それぞれの自国大統領の演説を観るものは少数派だったのである。

しかして、そのロシアも、中央銀行の定める金利が20%超という状態で、「戦後」に起きるだろうインフレが懸念される当然が、中央銀行だけの仕事で解決できるのか?

まずは、なんでもいいから政府支出=国民負担を削減させなければならない。

日本の良き時代の政府予算は、たとえば1980年で、いまの半分以下の40兆円程度だったのであるし、それでも12兆円の国債発行が問題視されていたのである。
鳩山由紀夫内閣で初の100兆円越えをして以来、あたかも当然のような政府の「肥大」が、財務官僚の脳を冒してしまった。

少数政党の参政党は、国民負担率を35%に制限するように提唱している。
いまや、6割に迫らんとする中で支持者からは「思い切った」提案だと評価されている。

しかし、予算規模で半減以上の40兆円とすればいいのである。

それから、闇深い特別会計の世界に切り込むのが手順だろう。
簡単にいえば、社会主義理論の範疇にある、ケインズ理論との決別が必要だということだ。

これを、「つなぎ予算」で、見せつけたトランプ=イーロン・マスク=マイク・ジョンソンの三羽カラスが、すっとぼけて民主党案をたっぷり含ませた「原案」が1547ページであったものを、政府閉鎖の責任を民主党に転嫁させるどさくさのシナリオから、120ページにしたものを可決させることに成功し、バイデンもこれに署名した。

やればできるを見せつけられたのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください