新・フランシーヌの場合

わたしが子供のころに、新谷のり子が歌ってヒットした『フランシーヌの場合』(作詞:いまいずみあきら、作曲:郷伍郎、1969年)の歌詞の意味がわからないでいた。
さらに、この曲にはフランス語のナレーションが入るので、それがまた何を言っているのか不明だったことが印象に残っている。

1969年3月30日の日曜日に、パリの路上でフランシーヌ・ルコントという女性(当時30歳)が、ベトナム戦争やナイジェリアのビアフラの飢餓(ナイジェリアからの独立を求めたビアフラ共和国の分離独立戦争で)に抗議して焼身自殺したことを唄っている曲だ。

ようは、今日から56年前の日曜日に、「反戦」をとなえた事件を指す歌なのである。

時は流れ、いまのフランスは戦争を希求する大統領が支配する国になった。
それが単独ではなく、かつての宿敵、英国と組んでの話だし、またこれにドイツまでが加担して、EUという官僚による連合組織も賛同している。

対して、ハンガリーとスロバキアに、イタリアとスペインも加わって、「反戦連合」を形成しだした。

アメリカが、戦争屋政権から戦争が大嫌いなトランプ政権2.0に交代して、なんとかウクライナを終結させようとしているが、当事者で、かつ、もはや敗戦が確定的のはずのウクライナが戦争継続を望む本末転倒を操るのは、これらの戦争屋が支配する邪悪な者共であることが世界にもしれている。

ルーマニアの大統領選挙に、EUがあからさまな介入をして、一回目投票で最大得票した親露的な大統領候補を、この投票を無効とするだけでなく裁判所を用いて「立候補禁止」にするという前代未聞を起こしてでも親EUの候補を大統領にしたがった理由を、及川幸久氏が例によって適確な解説をしている。

地中海の奥にある黒海の自由航行もアメリカとロシアが合意したことであるが、その黒海の西側沿岸部にあたるルーマニア国内に、NATO最大の基地が建設されているために、この基地の運用を親露派大統領が規制することをおそれたことが選挙介入の理由だとわかった。

つまり、なんとしても第三次世界大戦を勃発させたい勢力は、和平の進展を邪魔したい。

ロシア領内深くある石油基地を、ウクライナがドローンによって大規模攻撃したのは、フランスの衛星からの情報と、英国軍のオペレーターがやった疑いがあると、29日、ロシア外務省は正式に表明した。

これが真実なら、事実上、第三次世界大戦は勃発している。

おそらく、アメリカはNATOからの脱退を表明するだろうし、再開したウクライナへの軍事支援も停止させるだろう。
また、ドイツに駐留しているアメリカ軍の撤退も既定路線であるが、もしやこれをウクライナに送って、電撃的にゼレンスキー氏以下を逮捕・拘束するのか?

フランスと英国は、完全にアメリカと敵対しているし、EUの魔女フォン・デア・ライエンは、NATOをあきらめて、「欧州基本条約」にはない、EUそのものを軍事同盟化しようとしており、自ら「最高司令官」に就任するつもりらしい。

だが、いまからでは遅いのだ。

明日、フランスの裁判所は、「政治資金流用疑惑」で被告になった、マリーヌ・ルペンの政界からの排除となる判決を出すのか?が注目される。
当然だが、ル・ペンは第三次世界大戦を忌避する側にいる。

このように、いま、世界は「裁判所」をつかっての、政敵の排除がトレンドにあるのだ。

はたして、ル・ペンが焼身自殺を試みるはずもないが、あたらしい「フランシーヌの場合」になっているのみならず、フランス人のなかにさえ「フランシーヌ・ルコント」の存在は忘却の彼方にあるのか?

次の「3月30日の日曜日」は2031年。
このころの、世界はどうなっているのだろう。

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