このブログでなんども引き合いに出しているオルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』は、ヨーロッパが先祖返りして「野蛮化」するという論理を表した「名著」となっている。
よって、オルテガの論を進めると、野蛮に回帰する小国からの脱却が「進化」にみえるので、EUなるヨーロッパ連合が必要となる論理的な根拠になるのである。
かんたんにいえば、寄らば大樹の陰、のことだ。
しかし、EUの支配層こそが、その「野蛮」を根源にもつ人たちだから、統治そのものが野蛮になるので、あたらしい全体主義が生まれることになり、とうとう民族国家ごとによる「反逆」がはじまったのである。
それが「ウクライナ」という踏み絵となり、ロシアも含めて、全ヨーロッパがEUから分離するエネルギーを生み出して、とうとう「バルカン半島」の火薬庫(ハンガリーやスロバキア)がヨーロッパに蔓延することとなった。
20日投開票の2025年参議院通常選挙において、前評判通り「参政党」が大躍進したのは、オルテガがいう「大衆」ではなくて、「日本文明」に独自の「庶民の反乱」が起きたのだとかんがえられるのである。
トインビー博士が記した中で、「日本文明」は6世紀の仏教伝来からはじまったとされているが、「国史」の立場からしたら、千年単位ではるか以前の「縄文文明」を無視するわけにはいかない。
「正規」の歴史では文字で残ってはいない「縄文文明」ではあるが、大量の遺跡から解明されているのは、「文明」に恥じることのない高度な社会形成の実態(武具が発見されない)から見える、「平和」であって、「上品」とか「穏やか」といった野蛮の反対語にあたる文化生活なのである。
これは明らかに、「日本文明」の特徴で、ヨーロッパの歴史から想像もできない「高度さ」なのである。
それが、ずっと続いてきた「自・公・立憲」政権の悪政に、はじめて大がかりな拒否を発動したのが今回の選挙だったといえる。
感情だけでうごいた、過去の「日本新党」やらの一過性ではない。
ただし、「政局」自体は、古いままの価値観から動き続けるのは、「慣性の法則」が当面まだはたらくからである。
しかし、摩擦によるエネルギー喪失で、そのうち通じなくなる。
この意味で、そのうち確実にある衆議院総選挙で、波状攻撃的に古い体制が土台から破壊されることがすでに決まっている、といえる。
その象徴が、「自・公・立憲共産」政権の弱体化に現れるのである。
直近のステージは、8月1日の前まで、つまり今月中に妥結しないといけない、トランプ関税の処置なのだが、どうにもならないのをアメリカのトランプ政権2.0が悪い、という理由をつけて責任逃れをするしかなくなっている。
でも、それが、日本を貧困化させたいとするこれら「与党」の目的だから、まずはそれでいい、ということなのである。
これをまた、国民に反乱のエネルギーを蓄えさせることになろうとは、ツユほどもかんがえないのは、ひとりよがりの共産革命政権としての本音だとしれるから、自滅のループにはまっているのであった。