日本のズレた関税交渉

トランプ政権2.0が打ち出した「相互関税」を、「衝撃」として一斉報道している大手マスコミの論調がまた、一致して「自由貿易体制の崩壊をもたらす」というのも、いいかげん怪しいと疑うのが、「学習」というものであろう。

元TBSワシントン支局長だった山口敬之氏が「文化人放送局」で解説している、時系列が興味深い。

この解説を観れば、本ブログにおける主張もまんざらハズレではないことがわかる。

まず、前提に、トランプ政権2.0の「大戦略」は、トランプ政権1.0からぜんぜんブレていないし、このことは2024年選挙でのトランプ・ラリーを観ていたら、まったくもって「公約通り」なのがあっけないほど何度も主張されていることである。

とにかく、最高度の上位概念は「MAGA:Make America Great Again」なのであって、これの達成のために何をするのかという、「下位概念=具体的な政策」は、優先順位と実施のためのスケジュール管理がきちんとされているのが、トランプ政権2.0のほんとうの意味での「すさまじさ」なのだという認識がないといけない。

これには、マインドマップを活用しているはずだとも書いた。

この実務に通じた政権チームをおとしめたいマスコミは、いつもの「印象操作」で、あたかも「思いつき」やら、「その場限り」やら、「出たとこ勝負」といった、ほとんど民主党バイデン政権の実態を隠しながら、トランプ大統領のパーソナリティにかぶせることに躍起になっている。

トランプ政権2.0の最大の敵は、グローバル全体主義のDSである。
これらは分散しているので、あるひとつを潰せば目的達成するという単純さではない。
国家単位とみた場合、共産主義というグローバル全体主義が敵になるのは当然だ。

そこで、トランプ政権2.0は、すでに「中華人民共和国=中国」というこれまでの公式な表現を改めて、「中共=中国共産党」といい換えますよと宣言している。
さらに、その中共を解体するための方策として、ロシアの中共離れ、すなわち、歴史的な「米・露同盟」の実現を画策しているのである。

よって、ウクライナの終戦も、米・露同盟実現のために利用する冷徹がある。

愚かなゼレンスキー政権は、東部ドンバス地方がすべてロシアに占領されるまで「待つ」というアメリカの戦略にはまっている。
18日、そのゼレンスキー政権は、8月6日まで戒厳令を延長することを国会決議させたが、なぜにアメリカが放置しているのか?もわからないのだろう。

さて、「トランプ関税」のはなしである。

ターゲットは中共一択なのに、まず大風呂敷を世界を相手に一旦広げてみせたが、すぐに90日の延長とした「手順」に注視しないといけない。
あたかも、2+3×4、とか、(2+3)×4、のように、順番が大事なのである。

そして、上述したように山口氏が適切に解説する、「釣り堀」で、中共という「大物」狙いがその通りの状態になったまさにそのタイミングこそが、ワールドチャンピオンとなった野球チームをホワイトハウスに招聘する恒例で、ドジャースの大谷選手との「ご機嫌」なツーショットになったのである。

劣化が激しい外務省は、こうしたトランプ政権2.0やトランプ大統領の動きをぜんぜん理解していない風情なのは、もしや「自・公・立憲」政権に対して「スト」でもやっているのか?

トランプ政権2.0と「答合わせ」ができている各国は、とっくに自国の対米関税と(非)関税障壁の撤廃を表明して、「90日後にスケジュールをあわせている」のは、だいぶ前から準備していたからできることだから、アメリカとの事前打ち合わせがあったとみてよい。

知らぬが仏なのは、中共とわが国「だけ」なのである。

わが国の次にホワイトハウスを訪問した、イタリアのメローニ首相の余裕は、打つ手を失ったEU(フォン・デア・ライエン)からあたかもヨーロッパ「全権代表」として乗り込んだ感があったのも、答合わせが相当前にあったことを示唆する。

ときに、わが赤沢氏(元運輸省航空課長補佐)は、わが国政府が中共のスパイとして認識されているとは露もしらず、東京の政府へ「詳細報告」したら、そのまま中共に伝わって、あれだけ威丈高で対抗関税合戦をやった中共がまたたく間に「交渉」をアメリカに通告するに至ったのである。

これぞ、スパイ国家、として世界が日本を認識した瞬間である。

ついでに赤沢氏がトランプ大統領との写真を公表する前のタイミングで、同日、東京のアメリカ大使館は、「ルビオ国務長官は、」ではじまる、言論の自由を徐々に抑圧するような、予想外の国々からの権威主義的な検閲の動きに対しても、目を光らせ続ける」とのポストを発信している。

つまり、なぜにアメリカ・トランプ政権2.0が、わが国を「交渉の政界初の国」としたかは、対中共の「先鋒」としてあしらわれたということなのである。
逆にいえば、トランプ政権2.0は、わが国へは事前に意識的に答合わせを「しなかった」ということになる。

それは、1月の石破訪米でもそうだった、ということだ。

戦後史の中で、このような「敵国対応」同然の扱いをされたのは「初」のことだから、「有職故実」にしがみつく役人根性の外務省には、対応できる隙すらないのだろう。
それもこれも、2016年選挙で、ヒラリーへのあからさまな応援をしていた外務省への意趣返しともいえる。

こうしてわが国は「レッドチーム」だと認定されているなか、18日、新駐日アメリカ大使が来日した。

さては、暗黒に堕ちた日本政府は、「信任状捧呈式」をいつ執り行うのか?

任国にやってきただけでは、「次期大使」であって、信任状捧呈式をもって前職の解任と「特命全権大使」としての外交権が与えられるからである。

しかして、ビビるしかないお勉強エリートたちに、ヤンキーそのもののトランプ大統領以下の政権を相手にするのは困難なことだ。
これを承知のトランプ大統領は、21日、「Truth Social」に「非関税措置の不正行為8項目」というヒントを投降している。

1:通貨操作
2:関税と輸出補助金として機能するVAT(消費税のこと)
3:原価割れでの投棄
4:輸出補助金およびその他の政府補助金
5:保護農業基準(例:EUでは遺伝子組換えトウモロコシは禁止)
6:保護技術基準(日本のボウリングボール試験)
7:偽造、著作権侵害、知的財産権の盗難(年間1兆ドル以上)
8:関税を回避するための積み替え!!!

野党でも、消費税廃止をいわないで、たとえば食料品だけ対象の選挙キャンペーンは、トランプ氏には通じない。

これから、三匹のネコ(米・露・中)にイジられることになるけれど、覚悟も何もないのだ。
まずは、夏の参議院通常選挙がひとつの分かれ目になることはまちがいない。

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