日米首脳会談の「成功」

高市早苗氏にとっては、首相として初の訪米における「失敗」は是が非でも避けたいところであったろうから、空路、機内におけるミーティングは入念に行われたにちがいない。

例によって、このブログは「天邪鬼」をモットーとしているので、巷間いわれている情報に反する立場をとりたくなるのである。

むろん、高市氏の出発直前にあたる17日に、トランプ大統領がいったん提案した「ホルムズ海峡への護衛艦船派遣要請」についての撤回があったことは、けっして偶然ではないと前に書いた

だから、入念なるミーティングを機内でやっていたろうと推測するのも、このことに関してのことである。
つまり、日本側に、イランのこと=ホルムズ海峡、という刷りこみをやったトランプ政権2.0による仕込みの「成果」としての入念なる機内ミーティングだといいたいのである。

この用意周到なアメリカ政権は、ウクライナで結束したヨーロッパ(EU&NATO)と日本の切り離し=分断=日本だけアメリカへ引き寄せ(グリップ)を目論んだ上での、17日発言、だとかんがえれば、ものの見事にトランプ大統領の思惑通りとなる、日本側の「擦りより」となったのだ。

これを、日本側はどこまで意識して「擦りよる」と決めたのか?は不明だが、残念な日本政府官僚の勉強エリートぶりをかんがえれば、日本側の決定に「(能動的にもむろん戦略的にも)意思」はなく、ただ単純に「トランプの不興を買うことのないようにする」というだけの、「決定」ではなかったかと勝手に邪推するのである。

これを、むかしのひとは「御殿女中」と蔑んだが、いまはそんな批判をする者がいなくなった。
ようは、長いものには巻かれろの思想で、強い者には媚びることがなによりの「保身」だという発想様式のことである。

それゆえに、石破政権で約束された(当時交渉担当の赤沢亮正氏は現職の経産大臣に昇格している)投資額に、追加・加算が決まる「大盤振る舞い」となったのに、石破茂氏と同様に、「異例」となる、「共同声明」もなかった。

なんと、日米首脳会談は、共同声明がない、ことが、外交上の慣例となってしまった「軽さ」になったのである。
これを、「アメリカのポチ回帰」というのだが、大御所たる吉田茂のことを「ポチ」と名付けたGHQの悪行に触れることもできない弱さを世界が観ていることだろう。

しかして、トランプ大統領がご満悦なのは当然で、ほぼ全面的な日本国の「屈服」となったことで、高市政権としては、つぎはヨーロッパ(EU&NATO)からの秋波にどう対応するか?という、またまた出たとこ勝負をやらねばならぬ「悪手」を打ち続けなければならない宿命へと追いやられている。

かつての「全方位外交」なる、「八方美人」を貫くことも、今回のアメリカ陣営へ引き込まれたことで容易ではなくなった。

日本国内では、「リュウマチの包帯」で、気の毒な人物を演出しながらも、国際舞台における国家元首の「病気=健康状態」とは、「国家機密」に値する重大事である。
この基本中の基本を、自身の都合=国民が阿呆なことを前提としているものだがから、機内で包帯をほどいても、トランプ氏は丁寧な握手をしてみせた。

これは、心遣い、でもなんでもなくて、80歳にならんとする老人の「国家元首たるものの気概」を見せつけたまっとうな態度なのである。
恥ずべきは、高市に包帯を巻かせることを許す、自民党という組織の国際オンチ=非常識としかいいようがない。

むしろ、トランプ大統領からみたら、高市氏が退陣するときの理由としての「リュウマチ」だけが脳にインプットされたことだろうし、「腸」に問題のあった安倍氏との共通性に不気味さを感じたのかもしれない。

何はともあれ、岸田政権、石破政権と、反トランプを露わにする政権が続いてきたが、事ここに至って、安倍氏の弟子でもなんでもない、高市氏が、無理やりともいえない「術数」にはまりこんで、親トランプに転換せざるをえなくなったところが、囲碁・将棋でいえば「詰んだ」のであるけれど、アラスカ産原油の件しかりで日本国民には結構なことなのである。

まったく、日本政府にはお粗末な外交結果ではあるが、トランプ政権2.0には、「大勝利」といえる成果である。

なんと、外交的な大敗北が日本国民に「幸」をもたらすことこそ、国民の敵は本能寺ならぬ、日本政府だとわかる大成果となったのであった。

すると、「世界的な地ならし」絶賛実施中のトランプ政権2.0として、日本政府の体制転換にも着手した、といえる記念碑的首脳会談になった、と観ることができるのである。

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