未知との遭遇「3I/ATLAS」 

1977年に公開された『未知との遭遇:Close Encounters of the Third Kind(「第三種接近遭遇」)』のような現実が起きている。

各種探査の配備で、人類は恒星間移動する、つまり、太陽系外からの天体として、歴史上3番目に発見されたこの天体を、チリにある恒星間移動天体専用望遠鏡(小惑星地球衝突最終警報システム)の「アトラス」がみつけたことで、「3I/ATLAS」と名付けられた。

「I」は、interstellar object のことで「恒星間天体」をさす。

「線状降水帯」もそうだが、はるか昔からある自然現象なのに、人類が観測できなかったことを理由に、あたかも最近の「異常気象」とか、「地球温暖化」とかと結びつける政治的な要素を加えているから、こうした「新発見」の定義には注意がいる。

気象でいえば、もっと始末が悪いのは、「史上最大(の台風)」とかの表現の統計根拠が、明治8年からの観測によるものなのか?いつからの「史上」なのか?の定義をわざとはしょって、その都度変えていることの意図ある解説がふつうになっていることの悪辣がある。

さてそれで、最初の発見時(今年7月1日)は、よくある「彗星」だとの認識をされていたが、太陽系に入るにつれて、「もしや人工物?」という疑念がうまれるほどの「異常」さがみえてきた。
たとえば、太陽系の惑星が「黄道面」に並んで公転しているのに、「3I/ATLAS」もこの面の角度に沿っていることが妙で、統計的に外れ値にみえる。

一般に、太陽系の彗星すら、この面を大きく貫く角度で進入する軌道の場合があるから、恒星間移動天体であれば、その自由度はもっとあってよい、というかんがえだ。
さらに、「彗星」なら、氷と塵(不純物)で構成されていて、太陽に接近すれば「尾」ができるので、それを解析すればおよその組成がわかる。

しかし、「3I/ATLAS」の「尾」は、ほとんどが二酸化炭素で、彗星として「ありえない」組成だし、表面が「ハニカム構造」になっていることも「ありえない」という。
それに、いかに宇宙空間とはいえ、秒速68キロ(マッハ200)というスピードも、「彗星」として「ありえない」のだ。

アメリカで最大の「ポッドキャスト」発信者だから、事実上は世界一の「ジョー・ローガン(Joe Rogan)・エクスペリエンス」に、ハーバード大学の天文学者(元天文学科長)、アヴィ・ローブ教授が出演し、「3I/ATLAS」が人工物の可能性があると発言して大きな話題になった。

むろん、教授の言葉には、科学的根拠があって、面白半分で適当なことを述べたのではない。

いま、ネット上では、さまざまな「3I/ATLAS」に関する解説がアップされているし、また、反論もある。

先月末から「3I/ATLAS」は、地球からみて太陽の後を通過しているために、地上からの観測が不可能になった。
たまたま太陽をはさんで向こう側にある、火星からの観測ができるはずで、教授がNASAにデータ公開を申し込んだが、無視されているという。

なお、これには、政府予算が承認されないための「閉鎖」が、NASAにも及んでいるから、という反論がある。

なんにせよ、天文学者たちが「不可思議」だという、「天体」が、いま、太陽系にあって、主たる惑星観測ができる軌道を、これまた統計的にはありえない完璧なコースとして進んでいるのはまちがいなく、その主たる惑星に地球も含まれているのである。

しかも、NASAが昨年10月14日に打ち上げた木星の衛星エウロパを探査する「エウロパクリッパー」と「3I/ATLAS」は、この広大な宇宙空間で「交差・遭遇する」軌道にある。
これは、クレー射撃における「狙点(あたる点)」とおなじで、一点しかない。

つまり、「3I/ATLAS」が軌道と速度を自ら制御している可能性がある。

いまは9等星の明るさなので、肉眼ではみえないが、時間の問題として、接近遭遇することはまちがいない。

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