22日、わずか1票差というギリギリで通過したのが、政権公約のなかでも重要度の高い「減税法案」である。
この法案には、トランプ政権1.0時代の「期限付き減税」を恒久化させる内容も含まれているため、「総仕上げ」的な意味もある。
しかし、タイトルにもつけた「歴史的」だということの意味は、とにかくその減税規模の「巨大さ」だからである。
これまでの「歴史的」は、80年代のレーガン減税のことを指す。
レーガン政権の功績では、「マルコム・ボルドリッジ賞」の創設があった。
ときの商務長官の名前を冠するこの賞は、制度設計の途中で事故死した不幸を慰める意味もあるが、本質は「経営品質」という概念における顕彰を意図したもので、単純に日・独の製造業にかなわないことを嘆くようなヤワな賞ではない。
むしろ、この賞の創設に刺激されて、いまのアップル社からはじまるアメリカ・テック企業の復活があったことに注目したい。
それで、GAFA+M(マイクロソフト)ができたから、日本の「もっぱら作るだけ」の製造業とは別次元を達成したともいえる。
しかし、これら企業の成長・躍進を税制面で支えたのが「レーガン減税」だったのである。
トランプ減税は、より大きく・広く、その恩恵を国民に還元することを目指し、もうとっくに経済成長の要となっている「個人消費」の拡大を意図している。
個人経済を痛めつける消費税をぜったいに減税しないと断言する、与党幹事長とは真逆の発想なのである、
異例なことに、下院議長の許可がないと敷地内にも入れない大統領が、直接に議会共和党の面々と「交渉」して、この法案通過のための努力をしたことだ。
それでも、2名の「造反」があったことは、「財政規律」という枠の思想がいかに強固かを世界にしらしめたのである。
これが日本なら、「党議拘束」という全体主義の発動で、造反しようモノなら即座に党籍を除名され、次期選挙には刺客が擁立されることとなる。
ところが、これを「禁じ手」として我慢するのが、アメリカのやり方なのである。
そんなわけで、この政権の浮沈を決める重要法案は連邦上院へ送付された。
下院より厳しい議席配分なので、はたして無事通過するのか?はアメリカ人ならずとも気になるのは、日本政府の辞書に「減税」なることばがないからである。
少なくとも、「自・公・立憲」政権には、ない。
あるのは、「財政規律」の最優先であって、そのための「増税」なのだ。
しかして、トランプ政権2.0の減税が、どんな効果を経済に及ぼすのか?は、いまのところ「社会実験」に近い状態にある。
主流派経済学者のいう常識では、成り立たない「はず」だからだ。
社会科学の最弱点がこの無闇に「社会実験」ができないことなのである。
一方で、実験そのものが困難な自然科学の分野に、「宇宙」がある。
最新のジェームズ・ウェブ宇宙望遠鏡の観測で、これまでの常識が疑われはじめたけれども、地球から遠い銀河の「赤方偏移」による、宇宙の加速度的拡大についても、最新の学説が発表されて宇宙論に混乱がひろがっている。
それは、なんと、この宇宙全体が自転している可能性で、そのスピードが一回転に5000億年かかるという壮大さなのである。
この理論を用いれば、「ダークマター」や「ダークエネレルギー」といった未知のものを使わずに様々な問題が解けるという。
そして、驚愕すべきは、この宇宙そのものがブラックホールだという論なのである。
ビッグバン理論からすれば、宇宙の誕生からぜんぜん5000億年も経っていないので、まだ一回転もしていない。
しかし、ブラックホールが超巨大星の超新星爆発によってできるなら、この宇宙は、とてつもない超新星爆発で生まれたのかもしれない。
そんな情報と並行して、超大型減税なる議論の小ささをかんがえると、人間というのは、じつに小さな生き物だと改めておもうのである。
トランプ減税が、アメリカに歴史的な経済繁栄をもたらすことになったら、主流派経済学という分野も吹き飛ばし、その恩恵にわが国もあずかることになる。
宇宙がブラックホールだという「論」は、観測不可能=証明できないという致命的な問題があるけれど、トランプ減税の効果は観測可能なのである。