歴史的イングランド地方選挙結果

1日、連合王国の構成国の一つ、イングランドで23の地方議会選挙があり、ナイジェル・ファラージ率いる「リフォームUK」が、0議席から677議席/1600議席の大勝利をおさめたことが世界の話題になっている。

それでも、過半ではないのだけれども。

わが国における「統一地方選挙」とは規模がちいさいが、いわゆる「二大政党制」のふたつの大政党には「地方選」とはいえ大打撃となったことはまちがいない。
昨年まで与党だった「保守党」の凋落は悲惨で、数字的には保守党が失った議席数と、「リフォームUK」が獲得した議席数がほぼピッタリ入れ替わった形となったのが印象的だ。

一方で、現在与党の「労働党」も、しっかり「大敗」していて、183議席を失い、当選したのは99議席だから、ざっくり3分の1になったのである。

これぞ、「地方自治は民主主義の学校」の具現か?

英国が「先進国」なのは、いまや、わが国と比較した場合、という条件付きになっていて、幕末から英国に実質支配されたわが国の「先行事例」となっているから、この結果が日本にも「重い」のである。

なお、「ロンドンガゼット=英国の官報」に、明治から昭和の3代にわたる天皇が、英国の「陸軍元帥」に就任したと、その都度にしっかり記載があるので、英国国王の下に天皇があることは英国では法的常識なのだ。

ゆえに、わが国の皇族方は本人の意思とは関係なく、英国に留学させられて、英国国王の臣下としての教育を受けさせられている。

これを、マスコミは「皇室とも縁が深い英国ロイヤルファミリー」と逆転した書き方で、日本人を騙してきた。
その象徴的なできごとが、ウインザー朝最後の(女)王、エリザベス2世の逝去にあたっての、英国大使館への日本人一般による弔問の列となったのである。

なお、いまの国王チャールズ3世は、マウントバッテン朝の初代となる。

わが国が、覇権国だった英国の保護国となったけれども、巧妙な統治策として、あたかも「対等」を装ったのは、さすがに海賊国家の悪知恵が一段も二段も上だったからなのである。
それで、東アジアの橋頭堡としてのわが国をもって、「清国」の植民地化を推進したが、この「方便」を第一次世界大戦の後始末である「ベルサイユ会議」で振り払ったのが日本だった。

ヨーロッパ白人(貴族)による「人種差別をやめろ!」と主張した日本代表は、その後、アメリカ黒人協会とも「黄禍論」で提携するも、「つぶす」と決意した英・米の白人支配者たちに、徹底的なイジメと破滅に追い詰められたのがその後の歴史である。

なお、おなじパターンで追い詰めたロシアにうっかり武力で負けてしまった誤算に、トランプ政権2.0の登場で、かつて日本を破滅させたシナリオが狂っている。
そのシナリオに、敗戦・破滅した日本が、あろうことか積極的に参与しているのが現状なのである。

さていまも健在なヨーロッパ貴族は、「身分制」を基礎にして自身たちの「血筋」のネットワークを駆使して各国を統治している。
それが、ヨーロッパ鉄道の誰も乗っていない「ファーストクラス:一等車」でわかると書いた。

この「王侯貴族による統治」の伝統は、娯楽としての「狩猟」にも影響して、「狩猟犬」の改良に努力したのは、「使える」と「仕える」との両義にまたぐ「犬」を所有することの自慢大会となる。

日本人は、この意味で、「犬扱い」されたのである。

これを暴いたのが、会田雄次の名著『アーロン収容所』であるし、三島由紀夫が「戦後日本文学の金字塔」と絶賛した沼正三の『家畜人ヤプー』であった。
覆面作家だった沼正三は、死去の前に突如あらわれて、家畜人執筆のいきさつを書いている。
それは、会田のいう「イングリ」の習性に通じる「肉食の思想」の共通告発なのである。

英・米が歴史的な分断期にあるいま、極左のスターマー政権はもとより、はっきりとアメリカ民主党的左傾化した保守党の姿は、そのままわが国の自民党以下の既存政党の状態であって、「党内から変える」という古い言い分すらとっくに浮ついた嘘に聞こえる末期なのである。

ドイツでは、とうとうシュルツ政権の最後に連邦憲法擁護庁が、AfDを過激派(ネオナチ)認定し事実上の非合法化、を宣言した。
また、ルーマニアではやり直し大統領選挙の、政府=EUからの締付けが露骨化している。

英・米の分離だけでなく、米・欧の分離をEUとNATOが推進していて、日本はそのNATOの準加盟国から加盟国入りへと舵を切り出した。
つまり、日・米もかつてない距離感にある。

とうとう「関税交渉」において、日本政府は禁断の「米国債売却」をいいだしてしまった。
財務官僚時代に「いいひと」と評判の高かった、加藤財務大臣の「いいひと」とは、誰にとっての評価なのか?
改めて「勇気ある発言」のおおもとがしりたくなる。

グローバル全体主義が原因の大揺れのヨーロッパ+日本は、これからも大きく揺れ続けることは確実なのである。

それで、なりふり構わぬ強権的な統制をするしか方法がない。
まことに、歴史文化破壊にいそしんだ明治新政府のごとくなのだが、だまって「お上」に従う日本人ばかりでもないのが唯一の光明なのである。

あと2ヶ月あまりの、わが国での参議院通常選挙は、こんな世界トレンドのなかで、脳天気=知能低下の日本人がどんな選択をするのか?という、「政権選択」よりも世界へのメッセージ性の高い選択がある。

だけれども、投票率の低さ、という点で、「眠りの森の奴隷」でいるのだろうと予想できる残念が、わずかな光明を打ち消すのである。

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