なんの同情もできない。
もしもなにかの感情を表現しようとしたら、憐れみ、となるのだろうが、被害者は国民だからそんなこともいえない。
11日、ニュージャージー州(典型的な民主党のブルーステート:いわゆる「敵地」)で開催された、トランプ氏のラリー(演説会)は、8万人から10万人が集まった今年最大規模のものとなっていた。
民主党も同日、集会を開催したが、こちらには50人ほどという「閑散」だった。
これでほんとうにブルーステートなのか?と疑うが、選挙投票と集会参加の数に相関性がないか、逆相関することは前回4年前の選挙から顕著に判明したことである。
このことは、わが国の参議院議員通常選挙でも同様で、もうすぐ2年になるが、大阪での岸田首相の動員がかかっていた聴衆と、その裏でやった参政党・松田氏の動員のかけようもない諸派(当時)の聴衆の歴然としたちがいが話題になったものだった。
じつは、いまでも「世界は広い」ので、日本の常識とはちがうことが起きている。
その最も興味深い国は、エルサルバドルである。
世界最悪の治安と揶揄され、犯罪多発では表現がまだ緩いといわれたこの小国が、たった数年で「カナダ並」の治安を取り戻したのである。
わが国でも、ネット界隈で話題の埼玉県・川口市の治安悪化は、移民行政についてのまちがった判断がもたらしていると評判なのである。
つまり、治安とは、意志をもって取り組まないと崩壊もするし、立て直しにはたいへんな覚悟がないと正常化は到底できないのである。
ところで、わが国の治安は、建前上、「国家警察がない」ことになっているので都道府県警察の長が責任者だとおもいがちだが、最高責任者は「知事」である。
都道府県警察のトップは、いわゆる「警察官僚(おおむね課長級)」にすぎない。
これは、日銀の支店長とおなじ組織構造だからなのである。
ただし、警察庁には「管区警察局(長)」があるので、この点では経産省とおなじ構造になっている。
埼玉県の場合は、知事が移民側に「優しい」ために、多数の存在である県民側に我慢を(政治的に)要請しているので、そのまま埼玉県警も、移民を住民から保護するという行動になったのは、知事の意向にしたがっているからなのだ。
その埼玉県知事は。自民党、立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党のいずれも県組織が支持して、史上最低の投票率の中、「圧勝」したのであるけれど、自民党色が強まったのだった。
そんなわけで、自民党以外の、立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党は、なんのために存在するのか?という点で、全国どこにもある「仲良し与党」を形成するためだけにあるのを嫌忌したひとたちが棄権して、投票率を落としているのだろう。
つまり、ここが狙い、なのである。
いかに、有権者を棄権させるほどに呆れさせ、実質的な「独裁」を可能とするか?をやったのは、エルサルバドルがマフィア支配になる過程での方法とソックリなのである。
それでもって、あまりにもあんまりな状態になって、余裕のある国民から国外脱出があいついだのである。
結局、国内に住むしかないひとたちが我慢の限界を超えて「決起」したのが、いまのエルサルバドルになった原動力なのだ。
痛みを伴う改革なんて生易しいことではない。
いつ犯罪に巻きこまれて、つぎの瞬間さえどうなるかわからない状態に追い込まれたことが、「生存」をかけた戦いになったのだ。
この意味で、埼玉県の川口市界隈はどうなるのか?が、あんがいとわが国の未来図なのである。
県レベルと侮ってはいけないのは、しょせん自民党、立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党とは、そういう性格の集団だからだし、当然に「本部」が関与するのは、どちらにも「組織」があるからである。
日本人は、水と安全はただ、だと思いこんでいるとずいぶん前から指摘されてきたけれど、日英同盟の相手国、イギリスのロンドンでは、とうとう、民営化した水道会社が経営破たんしそうになっている。
麻生副総裁なる無責任な人物は、河野太郎を派閥から除名処分にもしないけど、熱心な水道民営化論者なのである。
治安はエルサルバドルの回復、水道なら英国の悲惨が先行事例だが、もっと英国の悲惨をつくったのは、「揺りかごから墓場まで」をスローガンとした、手厚い「福祉国家」を目指したとんちんかんが諸悪の根源なのである。
日本人は、律儀にも「福祉国家」=「善」だと信じ込まされて、イギリスの後を追いかけて自滅の道を爆走しているのである。