水素バスに初乗車した

2025年の1月、人生初の「水素バス」に乗ったので記念に書いておく。

「都バス」でみかけてはいたが、乗車したことはなかった。
このたび、「横浜市営バス」で初乗車したのである。

結論から先にいえば、特段乗り心地などの進化はなかった。

このバス車両が一台でいくらするのか?が不明なのだが、これが「怪しさ」の原点にあることを、横浜市などは気にしていない風情でいる。
何度も書くが、国を除く地方自治体は、「二元政治」なので、市長(行政)だけの意向で、なんでもできる、というものではなく「議会の承認」が不可欠なのである。

つまり、購入費用を当局が公表しないことも、議会承認を経てのことになるのだろう。

ここに、「ぐるみ」という構造が現れるのである。

もちろん、地方自治法できわめて曖昧な、県との関係においても相似形である。
神奈川県は、「脱炭素推進」のための補助金制度を民間にも普及させようとしているからで、これらも知事(行政)の単独ではできず、県議会の承認が必要だ。

もっとも、狂った日本政府が推進しているから、トップダウンでやっているだけという話ではある。

1959年(昭和34年)7月に開業し、1972年(昭和47年)の年度末に廃止となった、つまり13年しか営業しなかった「トロリーバス」を思い出すのである。

このときに廃止の理由として市民に説明されたのは、「車両更新にあたって、ふつうのディーゼルバスと比べて多額の費用がかかる」というものだった。
トロリーバスであろうが、内燃機関のバスであろうが、バスはバスの機能しかない、から、安いにこしたことはないという論理である。

ならば、どうしてトロリーバスを採用したのか?ということはぜんぜん議論されなかった。

ちなみに、横浜市のトロリーバス路線は、横浜駅西口からの「循環系統」一路線だけで、内回りのほぼ半分の経路に、その後市営地下鉄が走ることとなり、バスの乗車率が激減したのである。

なお、トロリーバスも市営地下鉄の整備も、法的な根拠は、昭和25年法律第248号「横浜国際港都建設法」であった。

ところで、「水素(H)」は、地球上に水素そのものとして存在していない。
この原子番号1番にあたる物質は、酸素やや二酸化炭素に比べて軽すぎるために、人工的にでも水素とした存在したとたんに、宇宙へと拡散されるのである。

地球の弱い重力では、水素を空気中に留めることができないからである。

また、水素原子が最小であるため、あらゆる物質を通り抜けるのである。
たとえば、ペットボトル入りの清涼飲料としての「水素水」がすぐに販売されなくなり、アルミボトル製に変更されたりしたが、結局市場から消え去ったのは、製造時に充填したはずの水素が、容器の分子構造を抜けてしまってしばらくすると「ただの水」になるためだった。

それゆえに、水素は水素単体としてではなく、たとえば「水(H2O)」として別の原子(この場合は酸素)と結合して存在している。

ために、人類が水素を単体として得るには、水を電気分解することになる。

それで問題になるのは、水素を得るためにかかる電気の量と、得られた水素がもつエネルギー量(ざっと3割)が、圧倒的に電気消費の方が多くなることである。
だったら、電気をそのまま動力としてつかった方がぜんぜん「エコ」なのである。

これも、トランプ氏がいう「環境詐欺」の典型なのだ。

いま、水素自動車の完成車を事業として製造できるのは、世界広しといえどもトヨタ自動車だけであるが、トヨタは会社として政府からの補助金目当てに開発したという、いわば「詐欺」に加担したことの心の痛みはないのか?と問いたい。

この世界最大かつもっとも利益をあげている自動車メーカーの倫理は、いわれるほど高くはないのである。
たとえば、先月23日に出た、「トヨタイムズ」の、「イチローさん、次いつ出社しますか?」”世紀の偉業”へ豊田章男から”世紀の現物支給”?」を精読すると、この企業の「センスの悪さ」を通り越した、経営上の噴飯が見て取れるのである。

「田舎企業」を自負するのはいいが、「田舎もんの」狭くてどうにもならないトップの自己憧憬・自己撞着をみせつけられると、まったく情けなくなるのがわかるだろうか?

これが、「世界のトヨタ」の本性だから、世界が思想汚染されるばかりか、気づいた世界から相手にされなくなるとき、わが国の産業の自滅と評価されることになるだろう。

持続可能でないものを「持続可能性」という、ダブルスタンダードが、先月29日のワシントンD.C.における旅客機と米軍ヘリの衝突事故になって現れたようだ。
管制官の採用における、「DEI:Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)」をやった挙げ句の、致命的な管制ミスによる事故ではないかと疑われているからである。

「水素バス」とまったく異なる話に展開したようだが、じつは地下茎におけるつながりでみると、おなじ話なのである。

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