13日、英国・ロンドンが中心で地方都市や、カナダなどで同時に開催された「極右抗議デモ」が話題になっている。
メディアで「極右」と称されているスティーブン・ヤクスリー・レノン(通称トニー・ロビンソン)氏が主催した極右の街頭抗議行動で、集会の共通テーマは、『連合王国(イギリス)の団結と言論の自由の祭典』だった。
参加者数は警察発表で、11万人、主催者発表で300万人という開きがあるのは、ロンドン以外とカナダやらの外国「各地」を加えていないからだという。
それで、ロンドンで「アンチ」と衝突した参加者が25人ほど逮捕されたともいう。
英国が「手遅れ」なのは、この古い身分体質の国のいまでも社会に残る「身分」が、7つもあることでもわかる。
だから、ヨーロッパの「伝統」を根本から支える「身分制」を無視しがちな、「四民平等」を信じて疑わない日本人は、とくに気をつけないと意味不明になるのである。
1939年のかつて、平沼騏一郎内閣が「欧州情勢は複雑怪奇なり」といって、総辞職したことの現代へ通じるヨーロッパ社会の複雑と、それで総辞職することをいまの自民党内閣との比較をすれば、変わらぬヨーロッパに対して日本の劣化だけが目立つのである。
その大元の四民平等だって、たかだか100年この方だけの、作られた社会常識にすぎない。
しかも、キリスト教をソックリ真似た「日本教=現人神」のおかげでできた四民平等なのであったが、GHQによる「人間宣言」で破壊された日本も、ヨーロッパの現状とそっくりになったのである。
ヨーロッパが日本よりも先に崩れだしたのは、キリスト教が日本教より先の18世紀には崩壊をはじめて、20世紀には壊れきったからである。
なので、日本もおなじような工程をたどって壊れるようにされて今がある。
つまり、イギリスでのデモは、完全崩壊の抵抗イベントでもあるから、全体主義のマスコミは喜々としてこれを報じているのである。
同様に、パリを中心にしたフランス社会の崩壊も、農業地帯とは温度差があるものの、イギリスとおなじ壊れ方に注目すれば、「ロン・パリ」がいまや斜視ではなく「正常視」になっている。
これも、イギリスの「国教」が壊れたのと、フランスのカソリックが壊れたことの構造はおなじで、マリー・アントワネットの時代から、フランスの大司教は腐敗していた。
それで、ロベスピエールが、革命直後にパリのカソリック修道女を全員処刑した実話のオペラになって残っている。
英・仏共にじっくりと時間をかけた崩壊なのだが、ドイツは急激である。
しかし、旧同盟国の変わり様をみれば、それは「鏡」としてのいまの日本を写しているともいえる。
最初に産業革命をなした先進国・英国の救いようのない崩壊によってなにがもたらされるのか?
身分社会構造を無視した平坦な世論調査によれば、ファラージ氏率いる「リフォームUK」が支持率で圧倒的な数となっているけれど、いったん「リフォームUK」を全面的に支持すると発表したイーロン・マスク氏は、上に書いたスティーブン・ヤクスリー(通称トニー・ロビンソン)氏への支持がえをして、「リフォームUK」からファラージ氏を追放すべきとの主張に大変化している。
その理由についての詳しい説明がないのが、複雑で隠したい社会的身分にまつわるからではないかと疑っている。
イギリスを支配するひとたちの身分は、「上流階級」だと決まっていて、これらが移民を使って下層階級イジメをしている、というエマニュエル・トッドの分析は説得力がある。
アメリカも、建国の父たちは連邦最高裁判所をもって、白人(WASP:白人のプロテスタント)支配を確固とするよう設計したが、とっくに壊されて今があると分析している。
このパターンを日本におとせば、「自・公・立憲共産」政権は、やっぱり移民を使って下層国民をイジメている構図なのである。
そして、家畜化された日本の下層民は、選挙でこれをはね返す知恵もあたえられていない。
戦後学校教育の目的達成ともいえるのである。