トップランナーというと聞こえがいいが、未知の体験も最初にするので、その対処方法をかんがえるのも実行するのも、「前例がない」という立場におかれるものである。
日本で「起業」が困難になったのは、社会が安定してからのはなしで、あんがいと混乱状態にあったときに起業はふえる。
それが戦後の場合にもいえて、個人商店があちこちに誕生し、「商店街」を形成した。
いま、元気が良かった商店街ですら衰退しているのは、このときの起業初代が引退して後継者がいないために廃業になっているからである。
じつは、後継者になるはずの二代目、三代目の学業での好成績や、附属中学からの進学で、どちらさまもサラリーマンになって「安定した」ことが、廃業の原因なのである。
もちろん、初代が稼いだカネで教育投資がふんだんにできたためでもある。
人類史上で、産業革命がはじまったという英国で、どうして産業革命が起きたのか?については、新技術の蒸気機関の応用とそれで大量生産できた物資(繊維製品)を、紅茶の輸入赤字帳消しとしてインドに持ち込み、またインドからアヘンを清国に持ち込んで清国から銀を得るという、大儲けのシステム化に成功したからだといわれている。
何度も書いてきたが、資本主義が生まれてから産業革命が成立するという順番だけど、以上から資本主義は生まれてすぐに死んでしまったのではないか?と疑っている。
それで、資本主義は「株式の所有者優先主義」となって、とうとう労働者も株を所有して株主になって、「資本家」となにがちがうのか?がわからなくなったのである。
そこで、株式の保有比率が高くて企業経営を支配できるまでになった「大株主」が出現し、これがまた個人なのか法人なのか?という問題を内包しながら、国境をまたいで活動するので、「国際金融資本=世界中の企業の大株主」なるひとたちが、都合よくする組織的行動にでて、その第一世代的代表が「国際連盟」で、第二世代が「国際連合」となった。
ここから派生したのが、「EU=ヨーロッパ連合」だ。
都合がいい政策が、あたかも普遍性をもっていると一般人に見せないといけないのは、本音たる儲け主義のむき出しでは都合が悪いからで、うまいこと「SDGs」とかの屁理屈を発明し、カネで釣ったマスコミをつかって大宣伝をやっている。
その気になった先進国の国民たる、英国人が、まさかの「保守党」に裏切られて、持続可能なエネルギーという持続不可能なものに大量投資したら、産業コストが大上昇して国際競争力を失ってしまった。
おなじことが、先進国のドイツで起きた。
化学者から政治家になったメルケルによって、英国とおなじ道をさらに過激に実行したら、とうとうヒトラーの置き土産たる「フォルクスワーゲン=国民自動車」の経営が立ちいかなくなって、15万人ほどが失業する危機になっている。
もちろん、自動車産業は「裾野が広い」産業なので、下請け・孫請けの中小・零細企業がどうなるかを含めると、こんな数ではすまないはずだ。
ドイツは来年に総選挙が予定されているので、おそらく政権交代になること確実なのである。
そんな世界潮流のなか、わが国の衆議院議員総選挙では、劇的な変化はなかったかに見える。
もちろん、これは「英国化」のためで、小選挙区制の英国では、おもに「労働党=極左グローバル全体主義」しか選択肢がないために、政権交代してもマイルドな「保守党=グローバル全体主義」よりもっと酷いことになっているのとよく似ているのである。
そんな中、マスコミが「極右」と規定している、英国では「リフォームUK」、ドイツでは「ドイツのための選択肢(AfD)」が存在感を強めているし、ほとんど支持率が末期的なフランスのマクロン政権に対抗して「国民連合」は着実に地歩を固めている。
英国は離脱したが、ドイツとフランスがEU離脱ともなれば、EUは崩壊する。
そんな状態のEUに何周遅れかしらないが、熱い加盟意欲でまんまんの現職大統領が再選されてモルドバをウクライナ並みの危機に追い込もうとしている。
これもまた、東アジアのきな臭さと似ているのである。
さて、アメリカの大統領選挙は、とうとうマイク収めにまでなった。
人類の将来を決める投票がはじまる。