日本語の本だけで世界の知識をカバーできる、といったのは、晩年の岩里政男(通名:李登輝)氏であった。
たしかに、日本人の学者が、「翻訳家」としての顔をもっていただけでなく、経済成長期には出版社も挑戦的な企画を通したので、外国の有名どころはジャンルに関係なく何でもかんでも「翻訳出版」されて、はやければ数ヶ月後には店頭に並ぶことも珍しくなかった。
原書を英語で読む必要性の希薄さがあったけれども、このことの社会貢献ははかりしれない。
当時の日本人は、世界一の読書家の国ともいわれ、またこのことを自慢していたのである。
もちろん、これには「識字率の高さ」という分野での、世界一もあった。
しかし、30年もの衰退期にある昨今、出版不況という言葉が消えるほどの絶滅危惧産業化し、街から書店が消えるばかりか、読書の習慣までが消えそうになっている。
なので、この衰退は「アマゾン」の書籍通販のせい、ばかりとはいえない。
そもそも、「活字離れ」は、もう40年もまえの70年代後半あたりからいわれていた。
つまり、いま60代以上の世代が、若いときから本を読まないことに慣れていたのである。
いまでは、本を読まないように誘導されていて、愚民化が著しいのである。
さて、いま、ウクライナに関する解説本として話題になっているのが、Benjamin Abelow『HOW THE WEST BROUGHT WAR TO UKRAINE』である。
しかもなんとこの本は、上のリンクから「無料」でPDFとしてダウンロードできるのである。
対応言語は、英語、オランダ語、フランス語、の三つである。
さっそく読もうにも、問題は、「英語」をどうするのか?にある。
ipadだと簡単に自動翻訳して読むことができる。
なお、ipadユーザーなら、むかしからの方法なので新味はないだろう。
おおかたは「Kindle」本からの応用だ。
本書のようにPDFが「原本」の場合は、さいしょに文字認識できるようにするため「OCR」にかけるひつようがある。
ここでよく使うのが、無料で提供されている「Adobe Scan」だ。
ただし、無料版だと一回の操作では25枚までなので、これをこえるときには、何度か操作を繰り返すひつようがある。
わたしは、無料版を使い過ぎたからか?突然、一回3ページまでという制限が強化されてしまい、実用に耐えられなくなったので、どうせ費用がかかるならと、評価が高い「vFlat Scan」の有料契約をしている。
どちらも、基本的なやり方はおなじである。
もちろん、OCR処理した後は、上のリンクとは別に、「Deepl」や「Google翻訳」などを使う手もある。
さて、『HOW THE WEST BROUGHT WAR TO UKRAINE』が、日本人にとってヤバイのは、あたかも「日清・日露戦争」とおなじパターンが見いだせることにある。
このところYouTuberとしてアクセスが増えてきた、「伝統保守チャンネル-最期は笑って」さんの体験談回『日本共産党を抜け出して参政党支持に変わった理由とは?自虐史観を抜け出した経緯についてお話しします!』のなかでも語っている。
ようは、「戦争屋」が、むかしからいて、これらのものたちが戦争を商売にしているのである。
だから、国同士の闘いに見えて、じつはその裏では、利益があがって笑いが止まらない者たちがいることに気づくことが重要となる。
この意味で、「戦争屋」の出現は、産業革命による近代工業化の人類史に与えた「負の遺産」であり、その「相続人」たちがいまだに跋扈しているのである。
そして、そんな戦争屋たちを隠すために、もっとらしい正義をかざす宣伝=プロパガンダが実行されるのもパターンなのである。
あのロシア革命でさえ、いまではこれらの戦争屋たちが資金提供して、西側と対立させることがイコール、両陣営に武器売る、ことの仕掛けだったことがわかっている。
そのやり方のなかには、相手を感情的に憎むように仕向ける「感情操作」もセットで実施される。
ジョージ・オーウェルが、「二分間憎悪」と呼んだものだが、現代日本では、「ワイドショー」における感情操作として応用されている。
これで、まんまと大衆は人格的な正義感の発露としての行動をコントロールされているのである。
「日清・日露」から、先の大戦に至るまで、この視点からしたら、まったくおなじパターンでわが国は戦争へ誘導されたことがわかる。
いまは、ロシアがそのパターンで追い詰められたが、仕掛けた側が困惑するほどにロシアが有利な展開になってしまい、どうにもならない状態になったのである。
その流れを、とうとう英語、オランダ語、フランス語での解説を読めるようになったのは、日本人からみても「ざまぁ」なのである。
しかして、このパターンをしっている日本人の方が少数派だから、笑ってもいられないのが現実なのである。
なので、『HOW THE WEST BROUGHT WAR TO UKRAINE』は、しっかり読んでおきたい貴重な情報なのである。