華麗なる最年少報道官デビュー

28日、27歳のキャロライン・レビット女史がトランプ2.0政権発足後初の定例記者会見で、華麗なるデビューを果たしたことが話題になった。

彼女は、トランプ政権1.0での日本で、「ホワイトハウスの浜崎あゆみ」と称された、ケイリー・マクナニー報道官の補佐官だったキャリアがあるため、最初の挨拶で「おなじみの顔がたくさんある」とまったく動じずに語りだしたのである。

オールドメディアに対する、ネットを中心とした独立系ニューメディアの厚遇を宣言したり、旧政権の「ウソ」とはちがって「真実だけを語る」と宣誓したり、さっそくオールドメディアからの切り込んだ質問に、骨髄反応的スピードで完璧な論理の切り返しをするなど、完全に仕切っていたのが観る者の印象に残った。

つまり、彼女の一存でかはしらないが、メディアの世代交代を宣言し、オールドメディアの終了を政府見解として世界に発表したことこそが、歴史的な意味のである。

こうした人物が、涌いて出てくるアメリカ合衆国の人材育成こそが、本当の衝撃であって、今後、ロシア外務省の49歳になるマリア・ザハロワ報道官と渡り合うことになるのであろう。

アメリカ、ロシアのどちらにせよ、日本ではかんがえられない「(抜擢)人事」なのだ。

わが国の場合、政府報道官にあたるのは、官房長官ということになっているし、外務省にも「外務報道官」はいる。
しかし、大臣官房国際報道課にあっての長として「局長級」という、わけわからんがあり、日本国民すら、世界の顔たる外務報道官が誰なのかをしらないではないか?

唯一記憶に残るのは、NHKのニュースキャスターだった高島肇久(はつひさ)氏が、「抜擢」された、2002から05年までの特別だけである。

ようは、「あたりさわりのない官僚答弁」こそが、最上である、という価値観が現れているのである。

ここでいう「あたりさわりのない」とは、国内法はもとより、国際法に照らして、という枕詞がつくので、事実上の「国連基準」がそこにあるという意味である。

まったくもって、かわぐちかいじの代表作『沈黙の艦隊』における、自衛隊=国運そのものを国連に委ねるというバカげたアイデアが、そのままリアルになっているのである。

しかし、この作品において、日本人はこれを「美談」あるいは「理想」として観ているか、あくまでも「エンタメ」として観ているかに分かれていて、とくだんこの作品(実写映画版もある)に関しての議論がないことも、まったくの「異常」とさえ論評しないふつうがある。

しかも、本物の自衛隊が、実写版では「協力」しているのである。

ようは、防衛省としての「プロパガンダ」になっているから、外務報道官も「無言」を貫くのであるし、オールドメディアはこれについての質問すらしない「談合」がある。

レビット女史がいう、前政権の「ウソ」とこき下ろしたことの延長線に、このような日本政府とオールドメディアの双方による「ウソ」があるのだ。

とにかく、「国連:連合国:戦勝国」に弱いのが、戦後日本人の民族的な特性になった。

だから、味をしめ(日本をナメきった)た国連はそこにつけ込んできて、「皇位継承」についてまで、「勧告」をだすなどという内政干渉を平気で言ってくるのだが、それを「正解」だと信じる愚か者がいるのは、文科省の独占教育による成績優秀者ほど洗脳されていることの証左なのである。

すると、レビット女史の「育ち」が、俄然興味深い。

カトリック系の高校からおなじくカトリック系のカレッジを出ているのだけれども、実家がアイスクリーム屋さんだったことを考慮すると、アメリカの古風な一般的な家庭育ちだということがわかる。

それが、いつから「思想」になったのか?

おそらく、「退任後」に、「自伝」を発表するだろうから、いまから楽しみなのである。

それにしても、アメリカやロシアとは、明らかに「体制」がことなるわが国は、いったいどんな「体制」なのかと自問すれば、やっぱり「官僚国家」としての「集産主義」しかみえてこない。

なにせ、日本における「ミッション系」の学校でさえ、政府助成金欲しさに、「信教の自由」にかこつけて、「祈りの時間」を授業時間に含めることができないのである。
これをだれも「宗教弾圧」だとはいわないし、かくほどまでに宗教色を嫌うのは、底辺に共産主義思想の強制があるからである。

このようなまねを、「打破せよ」と、彼女たちの口から言われる屈辱を、これから味わうことになるのは、まったくもっての「屈辱」ではあるものの、甘んじなければならぬと覚悟しないといけないのがいまの日本の姿なのである。

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