高価で贅沢品になったファストフード

お節(料理)に飽きたら、(レトルト)カレー、という、刷りこみがすっかりできていたのが、いまでは、「ファストフード」になった感がある。
これはこれで、脳が欲して、無性に食べたくなる、のだと思いこんでいたら、じつは「腸(内悪玉細菌)」が出す物質に、脳が冒されているからだという。

購買力平価で最も有名なのが、「ビッグマック指数」だ。

世界の通貨価値を比較するのに、「ビッグマック」を基準にしようというもので、わたしの記憶では当初は、シンプルに「ハンバーガー」であった。

むかしは、マクドナルドのハンバーガーといえば、100円だったので、日本円を基準に比較するにはわかりやすかった。

残念なことに、わたしがエジプト・カイロに住んでいた頃の83年から85年には、まだマクドナルドは進出していなくて、ケンタッキーフライドチキンが出店したのが衝撃的だった。

世界統一規格の店舗設計なので、ここはどこか?と思わせてくれたものだが、当時のエジプトには巨大な養鶏場がなかったので、そのチキンの味は、日本よりもうまかった。
わたしの味覚がおかしくなっているかもしれないので、新しく東京から着任したひとを数日内に「連行」して、「あれ?なんだかおいしい!」を確認していた。

しかし、店内がガラガラだったのは、日本よりやや安かったものの、エジプト人にはあり得ない高価で贅沢な食べ物だったのである。
ケンタッキーフライドチキンは、富裕層がドヤ顔で食べるものとなっていたのである。

いまやマクドナルドには、ずいぶんと旨くなったコーヒーだけでしか利用しないので、何かを食べるということはここ十年来記憶がない。
なので、注文カウンターから、ハンバーガーの記載がなくなって、いま販売しているのか?もしらない。

「インフレ目標2%」を掲げて、なんとかのひとつ覚えを10年も続けた、黒田総裁の日銀は、この意味で「異次元の緩和」しかオプションがない、気の毒な状況にあった。

経済政策を日銀に丸投げした、「アベノミクス」のインチキを、どういうわけか「支持する」論を張っているのが、右派で、どうかんがえても左派から批判される筋合いはないのに、左派の高齢者たちの、「アベ政治を許さない」が、わたしにはいまだに理解できないでいる。

こうした高齢者(おそらくかつての全共闘とか全学連)は、立憲民主とか共産党の政権がまったくおなじ政策を掲げたら、大拍手するのに、「なんで安倍なんだ?」ということで、「許さない」と叫んだとしかおもえないのである。

つまり、嫉妬である。

もちろん、沸騰した景気に水をさすために中央銀行がやる「金利を上げる誘導」は、それなりの効果があるったのだろうけど、冷え込んだ景気を中央銀行が「金利を下げたら熱くなる」ような単純なものに、経済はできていない。

それに、経済構造自体がデリバティブとかの金融工学の複雑化によって、通貨価値を中央銀行がコントロールすることは、もう困難になっている。
サブの通貨、たとえば証券・債券とかがそれ自体だけで流通しているのである。

この意味で、大蔵省証券局と銀行局が、「現場部局」としてあったのは、合理的だ。
これらを支配する、「管理部局:大臣官房」の高圧的な態度こそ、官僚の官僚たるゆえんなのである。

こうした構造は、民間企業もおなじで、やっぱり「管理部局」が企業組織の要となっている。

どちらにせよ、アベノミクスは、日本経済の衰退を止めることに失敗した。
いや、むしろ、衰退させるためにやっていたのではないか?

完全に、アメリカ民主党のATMに成り下がって、国富を外国にばらまいているのである。

もはや、アダム・スミスの『国富論』『道徳感情論』は、高校生に読ませるぐらいのことをやった方がいい。
本当は、『武士道』とか『葉隠』あるいは、水戸学の会沢正志斎の『新論』に、頼山陽のベストセラー、『日本外交』といいたいところだけれど。

そうやって免疫力をつけたら、大学に進んでも、サヨク崩れの二流教授からの洗脳に耐性をもつというものだ。
いまの大学は、一流と二流が反比例して、難関有名校に一流教授が減って、それなりの大学に一流の教授がいるのは、サヨク教授会が仕切る「お仲間人事」の効果がそうさせている。

そんなわけで、円安(国力減衰)もあって、本稿冒頭のリンクを観たら昨年7月のデータよりも厳しいことになっている。
「ビッグマック」は、世界トップのスイスで1000円ほどであったが、いまは1500円ほどとなっている。

なお、このデータでは、日本の450円も古くなって、いまは500円だ。
二倍少々の差だったのが、三倍に拡大した。

わたしがエジプト・カイロにいた時期に休暇でスイスを旅したときは、スイスフランは98円(≒100円)で換算していた。

もはや、わが国が別の国になったのである。
今のレートは、167円/スイスフランで、円の価値は6割も減ったのだ。

ところで、ケンタッキーフライドチキンはどうなのか?
いま、たかが6ピースセットで2190円(税込み)となっている。

余談だが、「消費税は価格に含まれる」、という東京地裁の判決があるので、「税込み」とわざわざ書かず、「総額表示」とするのが、やっぱりお国の意向に合致する。

日本人がエジプト化しているのは、これも、要素価格均等化定理が効いているからであろう。

もっとも、日本人の寿命も縮みだした。
ファストフードが高くて食べられないのは、一生涯の健康をかんがえたら悪いことでもない。

お母さんの手料理が、やっぱり本当の贅沢なのである。

一応、明日は早くも「七草」である。

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