「トランプ・ヴァンス劇場」が大盛り上がりしている。
報道陣の前で、英国の邪悪な男、スターマーをトランプ大統領が褒め殺ししながら、ヴァンス副大統領は、言論の自由ではしっかり釘を刺した。
帰国後、英国で言論の自由を守るのか、それとも白々と無視するのか?が問われるが、このふたりを裏切るといかに、英国、といえども血祭りになることを世界に示すのだろう。
それに、あくまでも戦争継続を欲している英国は、トランプ政権2.0がいうウクライナの鉱物資源についての話をしながら、「ロシアに自分たちだけで対抗できると思っているのか?」とぶつけて、報道陣も含め同室した全員が笑い出したのである。
英国陸軍は、8万人弱しかおらず、現場戦闘要員はそのうち3万人弱という規模なのだ。
ちなみに、2月25日、デンマークの女性首相は、「ウクライナ和平は戦争より危険かもしれない」と発言している。
これで、グリーンランドはアメリカ領になることが決まったも同然だが、この婦人はそれがなぜかも気がつかないのだろう。
西ヨーロッパ首脳たちの知的劣化が、そのまま政治劣化となっている。
まずは、デンマーク王国の歴史と、グリーンランド領有の歴史をみれば、上に書いたことの意味が分かるだろうし、そもそも第二次大戦でデンマーク本国はナチスドイツに全土を占領されて、アメリカ駐在大使の独断で、グリーンランドがアメリカの保護領だった時期がある。
さて翌28日、時のひと、ゼレンスキー氏がホワイトハウスを訪問したけれど、すっかり「劇場」化した舞台で、この元喜劇俳優は蹴り出されるという歴史的大失態を演じてしまった。
無情なカメラは、駐米ウクライナ大使が絶望のあまり顔を覆う姿を世界に報じた。
これを受けて、ウクライナ国会はさっそくゼレンスキー氏の弾劾=解任提案がされた。
24日にはEU首脳のいる前で、ゼレンスキー氏の続投承認を否決したのがいまのウクライナ国会なのである。
おそらく、ホワイトハウスでの彼の態度豹変はEUからの指令にちがいない。
「外交とはなにか?」が口論のきっかけとなったが、ヴァンス副大統領の隣で沈黙を貫いた重要人物は、マルコ・ルビオ国務長官であった。
事務方として「資源開発協定」の調印に確約を得たから、渋るトランプ氏を説得してホワイトハウスに呼んだ責任者だからである。
マルコ・ルビオ国務長官の怒り心頭はすぐさま発揮された。
残存するUSAID(すでに国務省管轄の外局として、マルコ・ルビオ国務長官はUSAID長官代理を兼務している)からの、ロシア軍によってズダズダにされたウクライナ電力網復帰支援を即日で打ち切る決定をしたのである。
それにしても、欲にくらんでいるのがEUだし、ゼレンスキー政権なのである。
はなからこの戦争の目的は、ロシア資源の掠奪とロシアの国家としての分割・解体であったけれども、それの手先とするウクライナにある資源も農地も奪い取るのがこれらのものたちの前提だから獲物獲得の直前になっての、トランプ政権2.0がいう「取引」が成立したら、EUの取り分がなくなってしまうのである。
つまるところ、EUは支援した投資回収が見込めない、という状況に追い詰められている。
それで、先陣を切ってマクロンとスターマーを派遣したが、相手にされないばかりか笑い飛ばされたのである。
これは当然で、トランプ政権2.0は、EUとゼレンスキー政権の欲望がどこにあるかをしっており、これを粉砕することでの和平を追求しているからである。
もちろん、おなじくこれらのターゲットにされているロシアは、アメリカ案に賛成するしかないし、ロシアの安全保障上、トランプ政権2.0の提案はもってこいなのだ。
戦争経済でインフレがとまらないロシアは、政策金利が22%になったままである。
戦後の後始末に失敗すると、国内経済が厳しいことになるから資源開発投資をアメリカがやる案は、ロシアにとっても救いの手なのである。
戦争は経済が原因だという歴史の教訓をいうまでもなく、トランプ政権2.0のアイデアは、経済利益による戦争防止=平和維持という、ご明察、なのである。
しかし、世の中がこんな状態になっているのに、わが国は27日、ウクライナ駐在大使とクレバ副首相が88億円の無償援助協定に調印している。
どこまでも反トランプ政権を続ける、EUの手先なのである。
しかしてそのEUの失態はなにもウクライナだけでなく、ルーマニアの大統領選挙に介入したことが裏目に出ているし、それがギリシャに飛び火している。
選挙後のドイツのグダグダは続き、英国でさえ「MBGA(MAKE BRITAIN GREAT AGAIN)」の掛け声の下、大規模デモがおこなわれて政権に対抗している。
アメリカはとっくにこれまでの支援に対する「完全監査」の実施を開始している。
ここからでてくるのは、どうかんがえても「中抜き・横流し・マネロン=キックバック」の巨大詐欺スキャンダルしかない。
それでも日本政府がゆるぎない支援をするのは、日本企業がウクライナ復興事業に関与する、国内でやらなくなった「公共事業」をもって、ゼネコン以下の企業に利益をもたらすから、という理屈に相違ない。
これを、勝手に「ジャパン・ファースト」と定義付けしているはずだ。
すなわち、わが国がJICAを通じてやってきたことの闇まで、アメリカが暴くことに無警戒なのは、「ジャパン・ローカル」のやり方を、アメリカから学んだことの無防備なのである。
しかし、その「アメリカ」とは、民主党とRINOのことで、トランプ政権2.0とは縁もゆかりもないことに気づかないふりをしている。
なぜにUSAIDも、ネオコンの女王ヌーランドが理事をしていたNED(National Endowment for Democracy:全米民主主義基金)が資金停止の血祭りになったのか?
トランプ政権2.0は、攻め口の順番を適当に決めているのではない。
あぁあ、というため息が出るばかりだけれど、国会でこれをいうのが少数派というイライラが当分続くのであった。