明と暗、正義と悪、人類最古の啓典宗教=ゾロアスター教が生まれたのは、いまのイラン北部の地域であった。
ふたつのうちどちらにつくか?を、宗教として問うたのである。
むろん、明をよしとして、暗と敵対する。
それが、明=正義となれば、暗=悪となって、悪は炎の力で滅ぼさなければならぬ、となるし、暗にはあまねく明=光で照らさねばならぬ。
ゾロアスター教を「国教」としたのが、ササン朝ペルシアである。
ゾロアスター教がギリシアに伝わり、ミトラ教へと変容すると、これがそのままキリスト教にコピーされた。
ために、キリスト教会は、悪魔に堕ちた「魔女」を火刑に処したのである。
それで、ムハンマドがキリスト教を否定的にコピーして、イスラム教がなり、そのムハンマドの血縁からシーア派が生まれたと書いた。
シーア派の血統に、ササン朝ペルシアの王女があるとの伝説で、シーア派はゾロアスター教からの微妙な影響をうけている。
つまるところ、二元論がキリスト教・イスラム教に入り込んでいて、当然ながらユダヤ教にもある。
日本にはおそらく「景教(キリスト教ネストリウス派)」が、8世紀に伝わって、天台と真言の「密教」とつながって「お焚き上げ」になっている。
わたしは、日本における「大乗仏教」の根本思想に景教があると感じている。
それがまた、釈迦如来=キリスト、という感覚になったのではないか?とかんがえるが、その釈迦如来もキリストも、八百万神のなかに取り込んでいるのが日本人の宗教感覚であるので、イランよりもはるかに世界最強の宗教国家といえるのである。
そうやって「イランの混乱」をながめると、外国からの介入もふくめて二元論同士が戦闘態勢にはいっているとしかみえてこない。
やっぱり、ユダヤ、キリスト、イスラムの三つ巴のことである。
おそろしいことに、二元論の狭い地表では、どんなに血みどろになっても絶対に解決はない。
なぜならば、自分の正義と他(宗派)人の正義がちがうから、徹底的な浄化のための焼却が必然となるからで、落とし所がどこにもないからである。
すると、この二元論の地表から別次元に移動させないと、救いがないことになる。
しかしながら、かれらの宗教的地表面では、できない相談なのである。
ときに、昨年暮れにはじまったデモの理由は、インフレに対する不満だという。
いまや、$1=142万リアルとなっている。
$1=142円とすれば、1円の1万倍も安い自国通貨にイラン人の生活が破たんをきたしているのである。
いってみれば、100年程前の日本でもあった、「米騒動の打ち壊し」の状態である。
それであたかも王政復古で解決できるかといえば、そうは簡単ではない。
しかも、元皇太子は政策の発表もしていないのである。
幼少のみぎりから、アメリカに保護されて生きてきたので、そのままアメリカに依存するなら、第一に「核放棄」をして、長く続く経済制裁の解除が必要条件になるだろう。
むろん、早くやらないとユダヤのイスラエルからあからさまな余計なちょっかいが入りかねない。
そのイスラエル国内では、正統派ユダヤのひとたちが、反ネタニヤフを掲げてデモをしているのは、ユダヤ教徒の国ではなくてシオニストに乗っ取られたことの不満である。
それでもって、イランでは石油の輸出をできるようにしないと国家収入がないのである。
これを、ベネズエラ方式にするかどうか?がひとつの見どころである。
つまり、アメリカ・トランプ政権2.0による国家運営という、事実上の経済占領のことだ。
そのイスラエルを訪問中の日本の茂木外務大臣は11日、ネタニヤフ首相と会談し、「ハマスのテロを強く非難しながらもガザの人道状況への深刻な懸念」を表明したという。
もしや、そんなイランへの強制的投資を、あのアメリカとの億ドル単位の約束から日本がやらされる可能性だってあることのイスラエルへの牽制か?
だが、むかし、「イラン石油プロジェクト(IJPC)」をやった経験が、まさかここで復活するのか?とかんがえると、悪い話ではなくむしろわが国にはチャンスである。
こうした視点でみると、トランプ政権2.0のキリスト教的発想は、かつてとちがって二元論から脱しているのは、成功した「経済人」だからであろう。
カネに余裕がないアメリカは、ベネズエラでも「物々交換」をやるし、暫定政権が従うのも、政治的にも経済的にも「損がない」からだといえる。
政治的な損とは、国民への「プライド」のことであるが、背に腹はかえられないのであるし、マドゥーロ夫婦を事実上救助したトランプ政権2.0には逆らえないはずだからだ。
それにしても、ベネズエラの石油を失ったキューバ政権の生存も怪しくなっている。
二元論の地表から別次元へと、トランプ政権2.0が誘導しているのは、賢明なことである。

