グローバル全体主義による家族の破壊政策は、「LGBTQ」に代表されるジェンダー思想の発明が武器化して、とうとう、女性から母性を奪う価値観が上書きをはじめた。
進歩思想という名の共産主義が、民主主義国のおおくを席巻しているのは、経済的余力による「致命的な思い上がり」が原因だろう。
しかし、ぜんぜん経済成長をしなくなったわが国では、ひと世代を超えてもまだ「優秀な経済官僚」への依存という、驚くべき思考力の劣化が先になったのである。
進路・路線変更もできない理由である。
アメリカではカマラ・ハリス、ヨーロッパは先行して、ウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエンがいる。
さらに、EUは、6月にバルト三国のエストニア初の女性首相だった、カヤ・カラスを外交安全保障上級代表(外相に相当)に据えた。
このひとは、徹底した「反ロシア」で有名で、「エストニアの鉄の女」との異名がある。
一方、ロシアは彼女を、敵対行為と歴史的記憶の冒涜の疑いで指名手配している。
これは、例によって「ソ連とロシアの区別」ができない典型例でもあるし、グローバル全体主義に堕ちたひとの思考としてフォン・デア・ライエンと合致する。
ソ連憎しの思想が逆転して、自身を全体主義に転化させてしまったのであろう。
さてそれで、そんな女性政治家のシリーズから、カヤ・カラスと似たもの同士に、モルドバの大統領、マリア・サンドゥがいる。
21日の、大統領選挙は得票で50%越がいないための決選投票になるほどであったが、同時に実施された「EU加盟のための憲法改正国民投票」では、あのバイデンジャンプのごとく突如賛成が伸びて、結果的に僅差で改正賛成と決まった。
決め手は、最後に開票された外国居住モルドバ人の投票だった模様だが、西側各国居住者とロシア居住者の「投票券割当」が、政府によって操作されたことが判明している。
なんと、ロシアの割当はたったの10000票で、その数倍がその他なのだ。
モスクワのモルドバ大使館を取り囲んで、順番待ちしたひとたちが「投票券なし」となって、追い返されていた。
サンドゥが「ヤバイ」のは、かつてのエリツィンのように、西側自由世界への盲信があると指摘されていることだ。
ようは、無条件に自由なら豊になれる、という無邪気な信仰である。
どうやらこれに、EUとアメリカ民主党が乗っかったか、あるいはその逆で、役に立つ白痴としてサンドゥをたぶらかしたのか?
それでまずモルドバをEUに加盟させて、ロシアと対決させるためにNATO軍を駐留させるかもしれない。
なんだか、隣国ウクライナの失敗を、モルドバで挽回しようという策略がみえてくるのである。
しかして、モルドバは経済状態としてEU加盟の資格があるのか?が疑問だが、なんでもありになっているなら、通貨ユーロが採用されたとたんに、歴史的に苦しい経済のドイツやフランスの域内大国から収奪されるのではないか?と老婆心ながら心配だ。
さらに、東側には、未承認国家の「沿ドニエストル・モルドバ共和国」があって、サンドゥのモルドバとの関係は悪い。
なにせ、沿ドニエストル・モルドバ共和国は、「親ロ」だからである。
つまり、この未承認国をエサにして、ロシアをが介入に誘い込めば、まったくウクライナと同様の戦争ができる!というわけだ。
けれども、モルドバはEU加盟国だぞ!という、ウクライナとはちがった条件が付いているので、いよいよ第三次世界大戦の危機がたかまる。
まったくもって、100年以上前になぜに第一次世界大戦が勃発したのか?よくわからないバルカン半島の状態が、こんどはおそろしく小さい、モルドバを発火点にする可能性があるのだ。
もちろんプーチン政権は、うかつにこの罠にはまらないだろうけれども、とにかく戦争は儲かるからやりたいひとたちは、麻薬中毒のごとく安易に儲かる戦争を求めている。
そんなきな臭い情勢をみてか?トランプが自身の当選のあかつきには、「アメリカはロシアと同盟する」という、戦争屋には衝撃的な発言をした根拠になったのだろう。
絶対に戦争が嫌い。
これがトランプがエスタブリッシュメントから嫌われる、最大の理由なのである。