バイデン署名の無効審査

ミズーリ州の司法長官が、連邦司法省に問い合わせた一通の手紙が話題をよんでいる。

それは、バイデンの署名が「自動署名機」によるものばかりで、本人の認識と合致したものか?という疑問から、もしも、本人が認識していないとしたらホワイトハウス・スタッフたちが勝手に偽造したこととなり「無効」になるのではないか?というものである。

大統領が、その職務を執行できないような病気や怪我などの事態となったら、「合衆国憲法修正25条」はただちに副大統領がその職を引き継ぐ規定となっているけれど、バイデン=ハリス政権は、意図的にこの条項を無視したこともセットに問われる事態となったのである。

そもそもバイデン政権の連邦特別検察官は、バイデンが上院議員から副大統領時代までの機密文書を自宅ガレージに持ち込んでいた「事件」の捜査で、大統領だったトランプ氏が「推定有罪」という司法の武器化による不当な扱いを受けたことを棚に置いて、免責特権がない副大統領だったバイデンについての大アマがあった。

免責特権があるのは「大統領だけ」で、上院議員や副大統領にはないので、トランプ氏からしたらはなしが逆なのである。
もちろん、クリントン、オバマも、機密文書を持ち出していることがわっかっており、オバマにいたっては自身の「記念館」に保存するという違法だが大胆なことを堂々とやっているのに一切のおとがめはない。

本件を担当した連邦特別検察官は、すでに大統領職にあるバイデン容疑者を直接尋問したが、結論は「不起訴」処分であった。

その理由は、認知症による「かわいそうな老人」をとうてい起訴できない、というものであった。

邪悪なガーランド司法長官と綿密な調整をした「作文」であるに相違ないが、現職大統領が認知症であることを公的に認めた重大さを、プロパガンダ機関に堕ちたマスコミは問題視せず、そのまま判官びいきの国民に同情を買うべく宣伝を続けたのである。

しかしこれを発表した、この連邦特別検察官は、その後辞任した。
「検察官」としての責任逃れであろう。

ようはこのときから、バイデンの実務能力はないとして、修正憲法25条の適用をすべきところ、民主党はこれをせず、むしろバイデンを二期目の大統領候補としてロクな予備選挙もやらず(RFK.Jrを排除した)に、トランプ氏とのテレビ討論会に臨ませて撃沈するに及んで、いよいよバイデン降ろしからカマラ・ハリスへと大統領候補の首をすげ替えたのである。

ここにも、選挙をしない、ことでの候補者決定があったので、古くからの民主党支持者もドン引きしたという。

そのカマラ・ハリスは、多選任期の限界がくるカリフォルニア州知事選に出馬することに意欲を見せている。
この無能な人物が出世したのは、この州のドンと呼ばれた州議会議員の愛人になることからだったので、二匹目のドジョウを狙うのか?

なんにせよ、このバイデン政権時代の「司法の武器化」を批判するトランプ政権2.0だから、パム・ボンディ新司法長官は、「正常化」に忙しい。
もちろん、正常化の過程にガーランドを含めた旧司法省の犯罪者たちを処分しないといけない手順がある。

こうした民主党からの直接支配を受けた、岸田自民党は、わが国における司法の武器化にも熱心に取り組んでいるようだ。

敗戦後、GHQ内の派閥争いで、民政局(後のCIA)の配下として設立された「東京地検特捜部」と、G2(参謀第2部)が仕切った警察との分断は、いま、警察が逮捕しても検察が「不起訴」にする第一段階と、裁判になった際に「無罪」とする第二段階がうまくコントロールされて、アメリカ以上に「異常」な司法体制となった。

それが、移民を含めた国内に居住する外国人の犯罪に適用されているし、一部のインモラルな日本人にも適用して、国内秩序の破壊を推進している。

まことに、「政権」の権力が及ぶ範囲の広さをみせてくれているのである。

このように、世界最強レベルになった民主党のコピーたるわが国「自・公・立憲共産」政権は、かつての「小中華」の伝統さながらに、「小民主党」になっているのである。
ここでいう「小」とは、煮詰まって濃くなったという意味である。

つまりここからも、トランプ政権2.0の敵がわが国の「自・公・立憲」政権だということが明らかで、じっくり料理されることになるのは、トランプ政権2.0が目指す中共解体と同格レベルの大問題だからである。

単一執行府理論の実践

アメリカ合衆国憲法第2章第1条1項を論拠とする法理論のことで、行政府の長たる大統領の行政府における権限を広く捉えるものだ。

いわゆる、日本人の「B層」が、トランプ氏を「独裁者」と呼ぶときの情弱ぶりがわかるというものだ。
トランプ氏の傍若無人ぶりをなんとなくでも、「独裁者」と表現することの勘違いの元に、この単一執行府理論の無知がある。

なぜなら、「三権分立」を基礎とする近代民主主義における本来の独裁者とは、その権限が行政府を越えて立法府と司法府にも及ぶことをいい、行政府の長が行政府内でたとえ傍若無人な振る舞いをしても、それを「独裁」とはいわないのである。

この意味で、日本国憲法における首相の独裁的な権限についての批判的な議論がない。

むしろ、明治憲法における首相の無力と、三権に軍を加えた「分立」こそが昭和の軍による政府への介入となったことが諸悪の根源としてずっと批判の的になっている。
だがこれも、「憲法を不磨の大典=教典」とする教条主義からの発想で、不具合に気づいてもけっして「改正すればいい」ということとはしないための悲惨なのである。

トランプ大統領の政治コンセプトは、アメリカ「建国」にまで遡った「国家再生」にある。
これを基にした、ビジョンと経営計画が策定されていて、スクラップ・アンド・ビルドの手段にDOGEを用いていることは明らかである。

このときの「外部環境要因」に世界情勢があるし、何度も書くが、その優先順位のトップが「中共解体」なのである。
そこへの内部資源を投入するために、ムダを排除しないと衰退したアメリカには3方面作戦どころか2方面すら無理だという現実認識がある。

それで、ウクライナの処理、中東、という順が設定されているし、アメリカ大陸の「内部要因」としてのカナダとメキシコがある。
しかし、とち狂ったカナダは、中共が原料を提供し、フェンタニルの国内製造とアメリカへの密輸をはかることの取締要請に応えずにただ反発している不思議がある。

メキシコは、当初カナダと同じ反発をしたが、麻薬カルテルの擁護かと批判されて、左翼政権としての判断でアメリカに協力する妥協を図った。
次は、メキシコ国内の自動車工場に議論が移るのは、アメリカ工業の復活をいうトランプ政権2.0としては必定の手順である。

ときに、わが国は国家戦略の基礎をどこに設定するのか?という自問すらしていない。

アメリカを本社にたとえれば、支社が本社の意向に反発するという根拠不明の事態となっているので、当然ながら本社人事はこれを許さず、支社の陣営を一掃することになるのも必定なのである。

それでたとえ新体制となっても、わが国の歴史観が問われるのは、アメリカ本社が「建国」までの遡りをしているからで、いよいよわが国の秘密が解き明かされることになりそうである。

トランプ政権2.0からの強烈な圧力で、とうとうゼレンスキー氏も、この戦争を背後で操った黒幕の正体をペロッと明かした。

それが、「英国(保守党政権であろうが労働党政権であろうが)」なのである。

ために、アメリカは慌てて「ロシアとアメリカ(バイデン政権)の代理戦争」と国務長官が発言するに至り、真の支配者「英国」の影を薄める努力をしたのである。
ようは、いまだに世界の本社は英国で、アメリカはその子会社だと認めたから、日本の立ち位置は孫会社にみえる。

しかし、明治維新という欺瞞工作で、あたかも「アジアで唯一植民地にならなかった=独立を維持した」という常識が、じつは、英国による子会社化がされたことを隠すための方便であることがわかってきた。

これは、英国側の一般情報であって、陰謀論ではない。

1865年(慶応元年)4月『ロンドンガゼット(英国における「官報」)』のP.2240~2241に掲載された記事にある「不平等条約」の実質的植民地契約をさす。
それでもって、此度のウクライナと同じく、英国が仕掛けた第二次世界大戦で、子会社のアメリカが日本統治を英国から委託されて今に至っているのである。

そこで大問題なのが、トランプ大統領が「建国」まで遡ってアメリカの「再建」をするとは、つまりストレートに二度目の「英国からの独立宣言」をしたという意味となることだ。

ゆえに、トランプ政権2.0が、ウクライナ停戦・終戦交渉にヨーロッパを入れないのは、EUを無視しているのではなくて、NATOにまだいる「英国」の排除なのである。

だから、わが国も明治維新以来の英国支配からの脱却の大チャンスがきている。

手順として、トランプ政権2.0は、日本統治の委任解除をするための、日米安保見直し論になるのである。
それゆえに、今後、「第二次日英同盟」がより前面に出てくるはずで、それは、英国が日本支配をやめないことの意思表示だといえる。

このために、BBCは、これまでより一層、日本人にトランプへの憎しみを高めるための「独裁者」プロパガンダを強化するだろうし、子会社のNHKも加担するはずである。

だがしかし、英国にはもはや肝心の「国力」がない。

そのために、中共を用いるのだろう。
だから、トランプのアメリカとプーチンのロシアは同盟して、東アジアでの「日本争奪戦」をすることになる。

「はないちもんめ」どころではない、わが国が引き裂かれるかもしれい現実が迫っている。


日本の日和見主義への警告

ダラダラ続く、新政権人事承認(トランプ政権1.0では候補全員の承認に2年かかった)で、4日、連邦上院軍事委員会の公聴会で、国防総省ナンバー3の政策担当次官候補、エルブリッジ・コルビー(Elbridge Colby)氏への質問が注目されている。

アメリカの省庁は、長官、副長官、次官(筆頭が政策担当)の序列になっている。

なお、コルビー氏の著作で有名なのはベストセラーになった、『拒否戦略』(日系BP、2023年)や、『アジア・ファースト』(文春新書、2024年)があり、本人は、6歳から13歳まで東京で暮らした経験がある、いま45歳の人物である。

この公聴会の様子を、YouTubeで長谷川幸洋氏が解説している。

質問者は、与党共和党の議員であるが、その内容は「インド太平洋地域の安全にヘッジング(Hedging)するような国の存在についての所見」であった。

ここでいう、「ヘッジング」とは、国際政治用語としてのものである。

長谷川氏も指摘しているが、こうした専門用語を用いる質問が飛び交うのも、アメリカの国会の特徴で、議員も学位(修士、博士)があるし、返答する側にも学位があるふつうがある。
たとえば、トランプ政権1.0で国務長官を務めた、マイク・ポンペオ氏は、主席士官学校時に取得した工学と、軍を退役して取得した法学のふたつの博士号を持っている。

さて、その「ヘッジング」とは、日和見主義のことで、同盟相手を天秤にかける態度をさす。

コルビー氏は歯に衣着せずにあっさりと、具体例に日本と台湾を挙げた。
日本の政権が、親中であることを見抜いているし、そのためにアメリカはどうするのか?をかんがえている、ということだ。

この答弁を、日本側はどこまで承知しているのか?

ワシントンの日本大使館しかり、報道機関の特派員しかり。
特に、日本大使館から東京の外務省本省にどのような報告がなされているのか?が気になるが、発言の場所が議会の公聴会なので、なにもデスクに座ったままネットから議事録をみることもできる。

さて、マスコミは例によって、防衛費の増額要求として「GDPの3%」という数字に固執しているが、わが国の衰退からすればかつての「GDP1%」ということも、インフレと金額ベースに換算したら、慌てるようなものではない。

むしろ、わが国の置かれている周辺環境の激変こそが問題なのである。

これを法律用語としては、「事情変更の原則」があり、いまや問題なのは、日本政府(「自・公・立憲共産」政権)が、こうした事情が変わってしまったことを認めるか認めないか?という、政治的認知の問題になっていることなのである。

それなのに、悪い意味でのアメリカ依存と「有職故実=前例優先」による官僚主義が行きすぎて、とうとう国家戦略さえも自分で構築することができなくなっている。

これを、「保守主義」というのかどうか?
ずいぶん前に、「保守は危険思想になる」というテーマで書いた。

改めて加筆すれば、わが国の「保守」が歪んだのは、「五箇条の御誓文」を起源とする、ヨーロッパ近代の全面的な受入をもってしたことだ、とまた、長谷川幸洋氏が指摘していることに同感する。

あたかも、明治政府がずっと続いてきた「旧暦=太陰太陽暦」をあっさりと捨てて、「新暦=太陽暦」を全面採用したり、戦後の日本政府が、「尺貫法」を放棄して「メートル法」を強制したのと似ている。

つまり、時間単位を引き伸ばすと、ぜんぜん「保守ではない」のが、お上が幕府から政府になってからのわが国なのである。

京都人的な「いけず」な言葉遣いが得意のトランプ氏だが、彼のいう言葉に嘘はない。
たとえば、パナマ運河にしてももう片がついたし、グリーンランドについてもなんとかするだろう。

パナマ運河通行のための順番待ちをするための「港湾運営」を、トランプ政権2.0は、早くも、中共から取り上げてブラックロックへと引き渡すビッグデールを実行した。

なんとなれば、それがアメリカの国益であり、自由陣営にとっての最善だからである。
すると、ウクライナの農地の半分以上を取得・管理しているブラックロックは、戦後も継続することが決まった、という意味にもなる。

ここで、ぶらっくという会社は、巨大だが、「資産管理会社」であることに注意がいる。
つまり、彼らには管理依頼者=投資家があっての「管理者」であるということだ。
だから彼らの意思決定は、預かり資産の効率的運用であって、資産そのものを自分で投資・取得するという積極的意思は持たないという特徴がある。

トランプ氏は、もちろんプーチンのロシアを「敵」だとして口ではいっているが、本音はそうではなく、グリーンランドを得ることで、北極海の米・露協力での平和利用が構想にあるはずだ。

すると、日本ファーストという視点に立てば、あるいは「道義国家」だと本気で世界にいうなら、日本が台湾を領有するという戦略もあっていいし、大懸案のパラオだって領有すべきなのである。
あるいは、フィリピンやらの東南アジアもどうするのか?

究極的に、「大東亜共栄圏」となるのは、わが国が海洋国家としての固めができてからの大陸という順番になるはずで、先に大陸に手を出した失敗の繰り返しではない。

ただし、プーチン後のロシアがどうなるのか?とか、トランプ政権2.0による中共の解体策の結果はまだわからない。

なんにせよ、アメリカはもはや一国で太平洋すらままにならないほどに衰退したのである。

つまり、トランプ政権2.0にとっての「日米同盟」とは、これまでの上・下関係でなく、左・右の水平関係になる。
この大変化に、わが国はついていかないといけないことにある。

ようは、アメリカは日和見主義を許さない、ことだけははっきりしている。

しかしながら、「自・公・立憲」政権ではこれに対応できないから、わが国も政権交代が必至なのである。
それがどんな政党なのか?をアメリカが急いで吟味しているというメッセージが、コルビー氏の答弁なのである。

この意味でも、ジャパン・ラストという順番は、言行一致しているのがトランプ政権2.0なのである。

トランプの戦後レジーム脱却訓練

「常識革命」だから、まるで非常識だった戦後史の書き換えに挑むのは当然だ。

トランプが40年前から掲げて一貫している、「アメリカファースト」とは、実は、対等という意味での「各国の自国ファースト」を認める、という基本スタンスに立つ。

これが、かつての戦争における勝者たちがすすめた敗者への独断的な「覇権主義」と真っ向対立するから、これら多数の守旧派から徹底的に嫌われているのである。
それで、研究予算が欲しい有名大学教授らもトランプ批判に加担して、恥ずべきデジタル・タトゥーを残して後世への傷を自分でつくってしまっている。

トランプ=デストロイヤー論の拡散根拠である。

ソ連が崩壊して、アメリカが唯一の超大国となったら、致命的な思い上がりによって、アメリカ自身の国力を疲弊させる愚策ばかり実行したために、とうとう世界はどんぐりの背比べ状態になった。

この間違った「グランドストラテジー」は、1992年という早い時期に策定されている。

そこでできた3極とは、アメリカ、ロシア、中国となり、このグランドストラテジー通り富を刈り取られたEUと日本が没落・脱落したのが現在の状況である。
だから、このグランドストラテジーの訂正・変更をしはじめたのがトランプ政権2.0だといえる。

これまで、アメリカも加盟するNATOと、日米安保体制及び韓米の安保体制の相似は、アメリカからの片務的な援助が原則にある。

7日に伝わったトランプ氏の日米安保に関する「不満」の表明は、NATO脱退をほのめかす論理と同じだが、「誰がこんなディールを決めたのか?」という言葉を添えることで、「戦後レジューム」を意識的に否定してみせたことが、大ニュースなのである。

つまり、これを安全保障における「地殻変動」と言わずになんというのか?

くるものが来た、のであるが、NATOと日本の慌て方は、双方とも「無策」の証拠となって国民に晒されている。

7日夜、NHKは、3月10日を前にした「東京大空襲」を特集した。

これをトランプ氏や共和党議員らに直接みせることをしないで、「片務的ではない」と国会で首相が答弁したところで、犬の遠吠えにもならぬし、GHQの国民教育で知能を落とされたことの文句のひとつでもいわなければ、その知能が低い国民にも通じない。
逆にいえば、軍事オタクの石破首相自身が、「風化」の象徴になっているのである。

なぜ東京駅「丸ノ内オアゾ」1階広場に、陶板製の『ゲルニカ』があるのか?

いまや、ここを利用する数多の日本人ビジネス・マン・ウーマンたちが、一瞥もくれないのは、80年前に東京のこのあたりでさえ灰燼に帰したことをしらないからなのである。

これぞ、GHQによる「教育改革」の成果なのである。

仲がよかったと喧伝されている安倍晋三氏が首相だったときに唱えた、「戦後レジュームからの脱却」の中身とは、残念ながら「表紙」とはちがって、「戦後レジュームへの回帰」のそのものだった。

「アベノミクス」自体、アメリカの「日本衰退グランドストラテジー」をよりハッキリと実行する、つまり、戦後育成し熟した日本経済のアメリカ資本による刈り取りを確実にするためのもので、まったくもって、トランプ氏が掲げる「各国ファースト」とはことなる。

その嚆矢は、小泉純一郎=竹中平蔵内閣の郵政民営化に象徴される。

しかしながら、日本国民は「郵政選挙」において、圧倒的に小泉・自民党を支持した。
いまも、巷間、「反トランプ政権」をいうひとが多いのは、まさに、比較的知能が低く、マスコミ報道に影響されやすい「B層」が大多数だからだ。

このひとたちがみているのは、「いまだけ」であって、将来の不安については極力かんがえないことが訓練されて習慣化しているのである。
それで、テレビを参考に周りと同じことをいえばおおむね正しいと、まだ信じている。

まさに「ゆでガエル」状態だ。

すると、トランプ氏のヨーロッパや日本に対する態度は、「ショック療法」といえるが、自分でかんがえることに慣れていない人々には、苦痛のほか何ものでもない。
じっさいに企業でも、かんがえることに慣れないひとに、かんがえさせると、軽くて「気分が悪くなって寝込む」症状を訴えるひとがじっさいにでてくるのである。

しかしこれをガマンして半年~10ヶ月ほど根気よく続けると、おとなでも脳内細胞が結合しだして、ちゃんとかんがえることができるようになる。

トランプ大統領は、こうした時間も考慮して、各国の「B層」に向けて、就任わずか一ヶ月半ほどでの「訓練開始」を号令したのだろう。

もちろん、お膝元のアメリカでも、困ったひとがあぶり出されている。

4日の「施政方針演説」で紹介された、小児癌と闘う13歳の少年がシークレットサービスのエージェントに任命されたことに、左翼のテレビキャスターが「自殺すべき」と発言して大炎上している。

ホワイトハウスの報道官も、発言したキャスターの解雇を求める声明を出したが、いまやテレビ局がこうした人物を擁護するに至ったことで、さしもの「B層=民主党支持者」も呆れる展開になっている。

左翼の民主党(グローバル全体主義)こそが、差別主義者の集団だとバレだした。

これから、トランプ政権2.0は、世界の「B層」崩しをさかんにはじめるはずである。
そのために、「機密情報の公開」が重要な手段となっている。
なにせ、政府の公式記録なのだから、「陰謀論つぶし」でもある。

またDOGEによる世界的なあらゆる不正が、この政権からエビデンス付きで発表されるだろう。

そうやって、眠っていた脳が活性化されるのである。

ヨーロッパは戦争ができるのか?

EUはハンガリーの議決権を保留(=事実上の剥奪)した。

根拠は、マーストリヒト条約が加盟国の全会一致を原則としていたことの「改善」をはかった、「リスボン条約」(2009年12月1日発効)である。

これによって、ウクライナ支援から次元を変える、「参戦」状態となり、第三次世界大戦の危機へと駒を進めたことになる。
この期に及んでも、わが国は「日英軍事同盟」の強化を図るべく、中谷防衛大臣はロンドンを訪問している。

つまり、EUを離脱(NATOは離脱していない)した英国を通じて、怪しげな方法での参戦を目指していないか?が疑われるのである。

4日、EUフォン・デア・ライエン委員長は、「再軍備計画」を発表し、さらに翌5日、フランスのマクロン大統領は、「フランスの核」を用いたヨーロッパ防衛を言いだした。

こうした「大袈裟」な対応の表向きの根拠は、ウクライナが占領されたら、次はヨーロッパ各国にロシアが攻め入る、という妄想である。
この妄言に、言論封鎖の効果が効いて、ヨーロッパでは恐怖からの支持派が多数だという。

すでにEU圏では、「X」に投降するばかりか観ることもできなくなっている。

アメリカの段階的なオプションは、
⑴ 前・バイデン政権の武器供与停止
⑵ ロシア軍情勢の情報提供の停止
⑶ ウクライナ軍が採用した「スターリンク」停止 だと書いた。

すでに、⑵までは実施済みなので、残るは⑶であるが、これをやると⑵でも痛いところが、ウクライナ軍ばかりか政府も完全に通信・情報力を喪失する。
実際、8日、10日からのスターリンク停止が発表された。

つまり、ヨーロッパは、⑵の段階での上の決定を急いだ、という状況なのである。

敢えて加えれば、⑷として、アメリカのNATO脱退がある。
なので、ヨーロッパは⑷を覚悟したのか?という意味にもとれる。

いまだ水面下にあって、表層にはでては来ないが、ヨーロッパは、ドイツ一国への依存状態がありながら、そのドイツはわが国の比でないほど、「中国依存」というもうひとつの前提条件がある。

ウクライナ戦争をやめたくない勢力で、もっとも深刻な影響を受けるのが中国だから、相当にドイツとも深い打ち合わせをしているにちがいない。
その中国(トランプ政権2.0は今後「中共」と呼ぶと決めた)は、関税の問題で実質的にアメリカに降参して中共はカナダに重い関税を課すと反応した。

これは、麻薬・フェンタニルの原材料の生産・輸出をやめよ、というアメリカの中共への関税賦課理由に素直に従わないで、最終生産と販売網をもつカナダへの当てこすりという悪手である。

だが、表面上は露・中はまだ同盟関係にある。

トランプ政権2.0の目的が、はやくヨーロッパを片づけて、中東を落ち着かせ、アメリカの一点集中的な「敵」としたいのが中共だから、これをやらせないためのウクライナ戦争の継続は、中共の利益と合致する。

それで、「親中」のわが国も戦争をやめさせない側の立場に立つのであろう。

ために、日本のマスコミはトランプ政権2.0を批判して、ロシアを敵とするプロパガンダをやめない。

ところで、ウクライナ軍が手にしている武器のほとんどが、「米国製」である。
火薬の在庫を切らした米国(バイデン政権)が、わが国に支援を命じて、自衛隊の在庫をアメリカ軍のためという名目で輸出していた。

信長、秀吉が伴天連とつき合っていたのは、伝来以来すぐさま世界一の鉄砲王国になったものの、決定的に国内になく不足していたのが火薬の原料たる「硝石」であった。
ときに、硝石の一樽と日本人奴隷500人が、切支丹大名の国際人身売買の取引になっていることが発覚して、秀吉の九州征伐となり、伴天連追放令となったのである。

家康が、プロテスタントのオランダと長崎出島で貿易をしたのも、硝石需要のためである。

そんなわけで、カネの予算をどんなに積んでも、第二次大戦後のヨーロッパでは、武器・弾薬の生産拠点がアメリカに移って、いまや製造ができないからいきなりマクロンがいう「核」のはなしになってしまうのである。

核保有数と運搬手段に関していえば、ロシアはフランスの敵ではないから、まさに負け犬の遠吠えでしかない。

ところが、西側には肝心のアメリカの製造業が疲弊して、ロシア側の生産力に追いつかないことを証明したのが、このウクライナ戦争での弾薬消費量だし、ドローンを用いる戦術の大変化なのである。

しかして、もしも中国産の弾薬をヨーロッパで使おうとしても、どうやって運搬するのか?が問題になる。
内陸輸送ができる、中・露間ならまだしも、海運に依存するならそのルート上(たとえばインド洋の英領基地)で、英国海軍との連携が必要となり、これを日本が支援する魂胆なのか?

だがしかし、これで十分な物量が確保できるのか?という問題があるし、トランプ政権2.0に代替わりしたアメリカの大戦略に逆らい続けることができるのか?をかんがえれば、推して知るべし、なのである。

いまや、戦闘現場でもウクライナ戦争は最終局面にある。

この汚職に充ちた西側の犯罪が、トランプ政権2.0によってどのように暴かれるか?に興味は移っているのである。

戦勝国ロシアのヤバイ要求

ヨーロッパの主流派とは、EUとEUを離脱した英国を中心とした「左翼政権」のことをいうようになったけれども、これらの共通は、戦争を欲して平和を求めないことにある。

なぜかと問えば、武器消費による利益の還元(キックバック)のうまみが、麻薬のように忘れられずに中毒化しているからだろう。
世界共通の左翼の本性たる、「今だけ、カネだけ、自分だけ」がむかしは透けて見えていたが、いまはそのまんまむき出しにして恥じない。

社会のエリートが支配してどこが悪い!という開き直りである。

情弱な一般大衆には、ロシアが攻めてくる、というプロパガンダをもって、あたかも「正義」を装うから、バレたら大変なのである。
その悪夢が、トランプ大統領のDOGEが進める情報・監査によるカネの流れがあきらかになることによる「発覚」なのである。

つまり、西側主流派諸国の政治家やらは、ウクライナ戦争を巨大なマネーロンダリングに利用している疑いが深まるばかりなのである。
これが仲間であり、いいだしっぺのリーダーだったはずのアメリカが政権交代して、掌返しに暴かれそうなので焦っているのだろう。

アメリカが裏切った!

しかし、肝心の戦況はウクライナ軍の総崩れ状態で、いまや加速度的にロシア軍の占領地がふえている。

そこで、当初からロシアがいう、「特別軍事作戦」の目的を改めて確認すると、
⑴ ウクライナ国内ナチス勢力の排除=親ロ政権の樹立
⑵ 東部ドンバス地方の独立及び防衛支援
⑶ 作戦開始後に判明した、生物科学研究所の破壊 などである。

3番目の生物科学研究所とは複数箇所(30カ所)にあって、ぜんぶアメリカの関与があるとヴィクトリア・ヌーランド国務次官(当時)がとっくにアメリカ議会で宣誓証言している。
これを、「陰謀論」だといい続けることが「陰謀論」になっている。

それらの研究所で、どんな研究をやっていたのかを解明していたロシア軍将官は自宅入り口で爆殺されてしまったが、軍には暴いた証拠が多数残されているため、引き続き解明作業を行うと発表している。

世界が注目している「戦況」とは、圧倒的に2番目のことで、3番目と1番目はほとんど報道の話題になっていない。

しかし、物事はたいてい順番が早いものから重要である。

現状では、2番目が限界にきていて、3番目はだんだんと明るみにでてきた。
肝心の1番目が、なかなかニュースにならないのは、ゼレンスキー政権の正体が「ナチス」だとしれることが、支援という煙幕を張ってきた側からしたらまことに都合が悪いからである。

しかし、「上手の手から水が漏る」し、「人の口には戸が立てられない」ものだから、徐々に、正体が割れてきている。
そのなかのひとつに、昨年の正月3日、スプートニクが報じたニュースがある。

「ウクライナ政府がポーランド人の虐殺に関与した民族主義者の誕生日を祝福、西側の反発招く」がそれだ。

今年も同じ日に同じように報じているが、1月18日には、ポーランドの元首相が「EUを取るか、ネオナチを取るか」と発言したことを、そして今月5日には、このことを問われたイスラエル外相についても「ウクライナのネオナチ崇拝を調査、非難する=イスラエル外相」と記事になった。

だんだんと、ロシアの第一の目的に接近しているのである。

トランプ政権2.0の「停戦・和平」の進行と、ひっそりとだが確実にナチスだとバレる話題が重なっているので、表向きはあたかもアメリカとヨーロッパ主流派のつばぜり合いにみえるが、おそらくヨーロッパ主流派のここにきての急激な行動は、ゼレンスキー政権の正体がバレることへの焦りが優先されているのだとおもわれる。

それだから、禁じ手の「言論統制」を実行するまでに追い込まれている。

そうなると、わが国でも自動的に、まさかゼレンスキー政権=ナチ政権を支援していたことがバレる。
これは、与党「自・公・立憲」政権と賛成していた他の野党にとっては、致命的なことになるし、ましてやマスコミも同じである。

だから、同じく禁じ手の「言論統制」を堂々と政策に挙げてはばからないのである。

残念ながら、わたしの知人のおおくもゼレンスキー政権がナチ政権だということを信じてはいないし、気がついてもいないから、真実が明らかになったときは、あんがいと「陰謀論」だと反発して、「自・公・立憲」政権に同調するかもしれない。

自己が否定されると同然の情報を、受け入れないという現象が予想できるのである。

これぞ、『大衆の反逆』でいう、大衆の醜態なのである。
それは、「みんなとおなじことに満足する」という習性から生じ、ついには、異質なものを排除する論理に行き着くのである。

すなわち、大衆が自らの弁護(いい訳)のために、逆にナチを呼び込むのだ。

すると、ロシアの生真面目で正義の要求は、大衆社会の西側の大衆にとっては、痛いのである。
ゆえに、追い込み方を間違えると、西側大衆社会は一気にナチス化=全体主義を自ら望むようになる可能性があるヤバさなのだ。

なんとなれば、それが居心地の良い「ぬるま湯」だとおもえるからである。

だから、責任回避したい者共(大金のキックバックを得た政治家やらマスコミ、企業)は、悪魔のようにあらゆる手段を講じて、大衆を誘導・誘惑し、二度と自由のない「餓鬼道」に落とし込むことを計画するだろう。

そうやって、大衆はみずから進んで穴に落ちるのを順番待ちするのだろう。

いまや、中高生は、受験勉強の時間を『ファウスト』の読書時間にあてないと、自己防衛もできない大衆の一部にさせられることをしらないといけなくなった。

こないだまでの教養のため、ではなくて、自由な個人として生き残るため、である。

手持ちカードをつくりだす能力

個人的にわたしは、「麻雀」がわからない。
学生時代に、ずいぶんと徹マンにつき合ったが、なにが面白いのか?まったく興味が涌かなかったのである。

トランプ・カードの高級なゲーム「ブリッジ」どころか、「セブン・ブリッジ」のやり方すらも忘れているが、ポンとチーぐらいしかしらないのである。

ときたま現れるYouTubeのお誘いに、期間限定で無料の『麻雀放浪記』(角川春樹事務所、1984年)がでてきたので鑑賞することにした。
いまでも、どんなアルゴリズムによる「お誘い」だったのか?わからない。

博打におけるイカサマはつきものだろうが、その実行にはそれなりのテクニックを得るまでの訓練が必要なので、文字どおりの「命がけ」になる。
この作品は、終戦直後の占領軍の様子もわかる作品なので、『奇子』とか、『キヤノン機関』とかもみておくと、賭け麻雀の「場」の闇の奥深さが一層理解できる。

牌を積むときのテクニックとか、サイコロの目を出すテクニックとか、いろいろあるらしい。

これらとは別に、相手3人の捨て牌から手を読む技術もある複雑性が、凡人のわたしにはお手上げだったのである。

上手いひとは、手をつくるのが上手いから、総じて「上手い」という評価になって、勝ち組に入るか、イーブンとして負けない、という一線を確保する。

だから、強いひととは、負けないひと、のことである。

この点で、トランプ大統領は、本人もしかりで、強いひとたちの連合体を形成している。
「チーム・トランプ」が最強なのは、とにかく「負けない」ことにある。

「ホワイトハウスでの大げんか」の直接原因が、4日の合同議会演説の前に明らかとなっていた。
そのことを書き忘れていたので、この歴史的演説を聞く前提としてここで書いておく。

通常の外交交渉における、「首脳会談」とは、なんらかの「調印式」という意味が本筋で、首脳同士の直接交渉を避けるのは、戦争ばかりやってきたヨーロッパの智恵である。

もしも決裂したら、そのまま戦争になる時代が長かったからだ。

なので、「外交団」を形成して、互いに「外交官=代理人」による交渉をおこなって、すぐに戦争になるようなことにしない方法を編み出したのである。

なお、言語のちがい問題は、「通訳」をいれるのが正式で、たとえ本人が理解できても「かんがえる時間」を得るための緩衝となるからで、予備会談では何語でやるのか?は必ず議題となる。
それで、英語圏以外の国々は、第二言語として「フランス語」としてきたのである。

さて、アメリカのウクライナ鉱物資源の開発提案の根拠は、先にこの案を締結までしていた英国に対抗するものだった。
まことに英国の掠奪の巧妙は、海賊国家としての面目躍如といったところである。

これに気がついたトランプ政権2.0が、同様の案を提示して、締結済みの英国利権を排除しようとしたから、スターマーが慌ててワシントンに飛んできたのである。
当然に、スターマーはDS=戦争屋の手先なので、トランプ政権2.0は、軽くあしらったし、軽くあしらわれることをしっているから、EU首脳をロンドンに呼ぶ手はずもしていた。

この一連の動きに連動して、DS=戦争屋の民主党議員団が、ゼレンスキー氏を呼んで、ホワイトハウスに行く前に、「破談」を約束させていたのである。
つまり、俳優のゼレンスキー氏が、見事にアドリブでもって締結調印するはずの協定を蹴ったから、アメリカ側の激怒となったのである。

それもそのはずで、当初5000億ドル返還請求と絡めていたが、調印案では桁の単位での「減額」ばかりか、トランプの大統領給与と似て、アメリカ側の取り分をそっくりそのまま「復興基金」に入れるという、大幅譲歩ともいえない事実上の寄付案なのである。

このとき、ウクライナ側は「英語の通訳」を入れていないが、どんな予備交渉があったのか?興味深い。

けれども、問題は、この民主党議員団に、「顧問」として、ヴィクトリア・ヌーランド元国務次官、スーザン・ライス元安全保障担当大統領補佐官などがいたことも発覚したのである。
この状況を、ホワイトハウス=トランプ政権2.0が、どこまで事前に把握していたのか?は、不明だが、事後(施政方針演説の前)には明からとなって報道されている。

しかも、明らかにしたのが、民主党議員団を率いた上院議員本人による自慢話という、マヌケなのである。

ではなにが問題かというと、アメリカには「ローガン法」という、二重外交に関する禁止規定に、「ど抵触」するからである。
この法は厳しく、「アメリカ合衆国と争っている 外国と政府の許可がない個人が交渉することを禁じて、違反者へ 罰金 または 禁錮」を定めている。

つまり、いまや「個人」である、ヌーランドやライスなどが、もろに違反者となるのだ。

すると、ゼレンスキー氏にトランプ大統領が繰り返した、「あなたには(手持ち)カードがない」ということの意味は、このことをしっていての発言だとすればずっと深く重くなる。
これに、ゼレンスキー氏が、「わたしはカードゲームをしていない」と応じたのは、麻薬中毒愚者のムダな抵抗なのである。

悪に厳しく対処する、ボンディ司法長官が、ローガン法違反を見逃すはずもないし、外国要人にあたるゼレンスキー一行の行動を警護及び諜報機関がスルーさせることもないからである。

しかし、目立った動きがないのは、もっと厳しい「国家反逆罪」の証拠を集めていることだってかんがえられるのである。

こうなると、ゼレンスキー氏がやった「ケンカの演技」は、とんでもない結末となる。

おもてだって反抗した代償として、武器援助とロシア軍の戦闘情報提供の停止をやったら、ウクライナ側は一日で降伏し、協定の締結を承認する手紙をトランプ演説に間に合わせた。
だがまた再び翌日には、プーチンとは交渉しないと態度を変えた。

アメリカを相手によくやると評価するむきもあるが、おそらく調印後にゼレンスキー氏は選挙の洗礼を受けるはめになって失脚するので、いまや保身の権化になっているのか?

スターマーの英国がなんといおうが、EUが吠えようが、アメリカはお構いなしに、ロシアと停戦・終戦の話し合いをすすめるだろう。

それには、「NATO脱退」というジョーカーが、トランプ氏の手にはある。

ヨーロッパの戦争屋が抵抗すればするほどに、トランプ大統領の「手持ちカードが増える」のである。

パナマ運河の東西にある待機のための港を、ブラックロックが運営することが決まった。
ウクライナの農地の半分以上を所有するのもブラックロックだ。
トランプ政権2.0は、しっかりウォール街とディールしていた。

トランプ大統領は、巧妙なイカサマを仕掛けている。
稚拙なイカサマをやっているのは、抵抗するヨーロッパの方だ。

よって、ただの負けではなくて、バレバレのイカサマをやった落とし前を払うのはヨーロッパだという結論になるしかない。

まったく、『麻雀放浪記』なのである。

未熟者がやってはいけないことを、プロの前でやったらどうなるのか?なのであった。

2025トランプ議会演説の「まっとう」

4日(日本時間5日午前~)、連邦合同議会はトランプ大統領の議会演説で盛り上がった。

期待していた、「NATO脱退」はなかったが、同盟国とはいえ外国の議会におけるトップの演説が、自国のトップのものとはまったく「次元がちがう」ことの哀しさは、どう表現すればいいのかさえもわからない。

また、その構成・演出の「自由度」もぜんぜんちがう。

わが国における歴史的名演説ならば、斉藤隆夫が有名だ。

今回のものが、「施政方針演説」と呼ばれているのは、就任して1年以内に内政・外交政策について、向こう4年間の方針を示すためだからという。
それで、2年目以降の「一般教書演説」と区別するらしいが、初代ワシントン、2代アダムズと続いたこの演説は「君主的」とあのジェファーソンが批判して一旦途絶えている。

それで、1913年にウィルソンが復活させるまでは、文書を議会に提出するだけであった。

ようは、アメリカの近代史は、なにかと(FRB創設や所得税のはじまりなど)この、ウッドロウ・ウィルソンというDSの手先を起点とすることがおおい。
なので、トランプ大統領は、この詐欺的民主党大統領以来の伝統を放棄することも選択にあっただろうが、国民へのメッセージ浸透の効果を考慮して絶やさなかったとかんがえられる。

そのためか、公式の議会演説なのに、よくこなした選挙ラリーのような演出が光った。

たとえば、不法移民に陵辱されて殺害された女性の家族を傍聴席に招待し、演説の途中で紹介したり、それが殉職した警察官の遺族であったり、はたまた、暗殺地未遂事件の時に流れ弾によって亡くなった消防士の家族であったり、と。

日本では首相の「施政方針演説」について、事前に「テーマ」が発表されることはないが、今回は、「アメリカンドリームの再生」というテーマだと事前に発表されていた。

これは、大袈裟ではなく、事実上の「第二次アメリカ独立宣言」なのである。

そして、話のなかに含まれている「数々の(選挙)公約」実現を、指名・承認された各大臣の名前を示しながら、その「施政方針」を命ずるという方法は、まったく斬新で、あたかも企業における優れた社長が、各担当役員に明確なミッションを伝達・指示するような風情であった。

なんとなく、派閥やらの力学と当選回数で組閣・入閣し、なんとなく各大臣がそれぞれの役所の官僚によってコントロールされ、不祥事があれば解任されるだけのわが国とは、根本的に異質な体制なのだとよくわかったが、この指示の適確さ・まっとうさが聞くものの感動を呼んだのである。

CNNにしても、この演説をポジティブ評価するしかなかった。

だが、議場の半分にまとまった、民主党議員団のシラケた反応も、全世界が観ていた。
なかには、Stand up and applaud. するわずかな議員と、立ちはしないがパラパラと拍手をする議員と、圧倒的多数のただ憮然としている議員との区別がついた。

議会先進国である英国の例を真似て、わが国でも「党議拘束」をふつうとしている自民党のような政党とはちがって、アメリカの政党には党議拘束はなく、議員の自由が保障されている。
なので、民主党であれ共和党であれ、議員は自身と自身を選んだ有権者に忠実であれ、という原則が優先される。

この意味で、多数の民主党議員がトランプ政権2.0と敵対するのは、ついこないだまでバイデン政権を支えてきた過去があるからだ。

そのために、トランプ氏のこの演説では、徹底的にバイデン政権を批判した。

事前に軍幹部も一新したので、軍人席が比較的穏当であったのも、世界は目撃したのである。
そうして、バイデン時代に欠員した米軍の採用が、急速に応募の復活がみられる状況を説明した。

これは、警察も同様で、重い病で余命を宣告された少年の夢が警察官になることだという本人を招いて、その場でシークレットサービス長官から直接「身分証」を交付させたのは、世界の警察官にとっても自信を深める場面だったろう。

それにしても、就任してまだ1ヶ月半あまりで、信じられぬ成果をすでに出していることを強調したのは、当然だ。

いよいよわが国にも、「関税の嵐」がやってくるのだろうけど、馬耳東風の国内ローカル予算案さえ通ればいい、という井の中の蛙状態では身動きが取れなくなること必定である。
なにせ、この演説の1週間前に、連邦予算を司る連邦下院は、超大型670兆円の減税案を可決している。

この「財源」が、「関税」と「政府の縮小」なのである。

さらに、国防総省の高官は、このトランプ演説に合わせたタイミングで、わが国の国防費をGDPの3%とするように求めた、と報道された。
しかし、この演説ではなく、予算案が衆議院を通過したタイミングであると認識すべきではないか?

つまり、余波どころか大津波が日本も襲うと簡単に予測できるのだが、それがわが国で昨日4日に衆議院を通過した来年度予算案にないからである。
トランプ施政方針演説の前日に、よくもまぁ、と呆れるし、石破訪米を「100点満点」と一斉に評価したことの「つけ」なのである。

よくこれで、経団連も連合も黙っていられるものだと、その鈍感ぶりに感心する。

まさに将来予測ができないので、お答えできませんという子供でもできる理屈で通る、ジャパニーズ・エリートの目先の対応しかできない絶望的劣化を証明している。

ウクライナの戦後すら見えないのは、外務大臣がロシア入国拒否リストに挙げられても、まだわからないのだった。

MET36年ぶりの新演出『アイーダ』

2月28日から1週間の公開予定である、メトロポリタンオペラのライブビューイング『アイーダ』を観てきた。タイトルにあるとおり、なんと36年ぶりの新演出=新作、なのだ。

スエズ運河の開通を記念して作られた、という俗説があるものの、とにかく巨匠ベルディのオペラの中でも、筆頭格にあたる豪華絢爛なのは、古代エジプト王朝絵巻の要素がふんだんに取り込まれていて、祝祭的バレエ部分の長さも特徴になっているからだ。

それが、METでの公演なのだから、アメリカ的な物量のこれでもかがこれ以上ない派手派手になるのは当然だ。

初演は、1871年。

原案は、フランスの考古学者で、『インディ・ジョーンズ』の仇役イメージにもなった、オギュスト・マリエットで、実際に「カイロ考古学博物館」の所蔵品のおおくは、このひとが発見した収集物なのである。

遺跡でみつけた男女の遺骨から、マリエットは本作の構想を思いついたという。

なんだか、「王の体をしる女医がいた」という一文の記録だけに着想を得た『チャングムの誓い』のような気もするが、それをオペラにするという発想はさすがなのである。

前作は、キャストちがいで2回観た。

それからの乾燥を率直に言えば、前作の「改善版」であったらいいのに、と感じた。
今回の演出は、マリエットの業績をリスペクトしているのはいいのだが、絢爛豪華さを強調するためのバレエと凱旋の模様が前作より劣るからである。

探検家たちという「現世」と、物語の登場人物たちの「当時」とが、同じ空間で霊的に描かれているのはいいアイデアである。
しかし、上に書いたように、有名な「凱旋行進曲」の最中、敵から掠奪した宝物を王や大衆に披露する前に、現世の探検家たちが遺跡より持ち出す演出は、なかなかに皮肉が効いている。

いま、「METライブビューイング」として、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演された作品を撮影した映画は、全世界の映画館に配給され上映しているものだ。
日本では、撮影日より日本語字幕などの用意のために約1ヶ月遅れて上映される。

初期の、2018-2019シーズンにおいては、世界の70ヵ国、2200館以上と謳っていたが、いまでは倍ほどの国々への配信となっている。

エジプトの映画館で鑑賞できるのか?についての記事がみつからないが、おそらく可能でなのではないか?

1981年公開の『007/ユア・アイズ・オンリー』を、わたしは83年か84年にカイロの映画館で観たのを覚えている。
当時、1等席で200円ほどだったが、映画館から戻ったら必ず衣服を日光消毒することがふつうだった。

この手の娯楽映画などを外国で観ると、その国民性がよくわかるものである。

本編がはじまって早々、007と逢瀬をしているシーンでは、とつぜん「画面のピント」がズレて、よくわからない状態になった途端、劇場内は一斉に「Focus!」の大合唱になったのである。

『ALWAYS 三丁目の夕日』では、『嵐を呼ぶ男』を当時の若者たちが熱狂しながら鑑賞するシーンがある。
これと同じ光景が、カイロの劇場にあったのである。

しかし、どういうわけかいまの日本における劇場内の反応は冷たく、とにかくひたすら黙って観ているのである。

なんにせよ、演出家はエジプトやらの観衆も意識しているはずで、カイロ博物館の収蔵になったマリエットは横にしても、遺跡から持ち出した「お宝」を本国に持ち帰り、一切返還請求にこたえていない。

もちろん、その典型は、「大英博物館」と呼ばれている、「国家的掠奪物保存館」の収蔵品であるし、それは、全ヨーロッパに共通のことなのである。

「ホワイトハウスでの大げんか」の後、即座にゼレンスキー氏とNATO首脳がロンドンに集合できたのは、そうした日程があらかじめ組まれていたからだし、ゼレンスキー氏一行がトランプ大統領と合う前に、民主党上院議員団と会合して、「合意しない」ことに「合意」していたことも判明したから、あのケンカもウクライナ側の演出なのである。

しかし、傲慢さによってにじみ出た愚かな結論で、アメリカは態度を硬化させて、とうとうウクライナへの武器供与を停止する決定となって、いよいよNATO=EU解体のはじまりの幕が開いた。

アフリカ大陸の地図をみれば、エジプトの西と南は直線で分けられているけれども、アフリカ大陸の多くの国境も直線で引かれている。

1884年からはじまる、「アフリカ分割会議」(ビスマルクが音頭をとってベルリンで開催)の結果が、いまの地図に残っている。

『アイーダ』の登場人物たちが知る由もない、掠奪が、モノでなくて地図にあるのだということを想起させる演出は、かなり政治的だ。

そうはいっても、かつてのスーパースター、プラシド・ドミンゴがやったテノールの主役を、サラリーマン経験者が抜擢されるオーディション(実力)主義は健在で、つねに新陳代謝を行う劇場としてのマネジメントの凄みが、芸術も学歴主義にする日本にはないダイナミックさの源泉なのだと納得したのである。


ホワイトハウスでの大げんか

世界が注目しているウクライナの停戦・和平がどうなるのか?について、2月28日のホワイトハウスが揺れた。

オーバルオフィスでの首脳会談が、すべて報道陣に公開されているなかでの「歴史的口論」という事件になったからである。

しかし、トランプ政権2.0の選挙期間中からの「大戦略」をあらかたの論者が忘却している。
米・露・中の三極構造にあって、アメリカの覇権を維持するために、露・中を接近させたバイデンのウクライナ支援の悪手から、米・露同盟による中の孤立化が狙いなのだ。

このことを、長谷川幸洋氏も指摘しているし、その根拠がキッシンジャーだと教えてくれた。

それでこの目先の「歴史的口論」についての評価も真っ二つに割れているけれど、それは、ロシアのウクライナへの特別軍事作戦がなぜ起きたのか?をかんがえるかかんがえないかのちがいとおなじで、事象だけをみて評価するのと、事象の前段からみて評価することのちがいによる、真っ二つ、なのである。

興味深いのは、「X」における日本語でのやり取りにおいても、見事に真っ二つに割れていることだ。

いわゆる、ゼレンスキー擁護派=反ロシア=親EU&英国という集団と、その逆、という構図になっている。

前日におなじオーバルオフィスを訪問した英国スターマー首相を、ホワイトハウスから追い出されたゼレンスキー氏は直行して訪ね、ロンドンの首相官邸でいつもの「全面支援」の約束を得てご満悦という絵を配信したが、ウクライナ本国の国会では「大統領解任決議」の準備が進んでいることもまた、事実なのである。

それにしても、EU=NATO側も準備していて、そのままロンドンにてのゼレンスキー氏を加えた首脳会談を開催し、アメリカ案を無視した「徹底抗戦=ウクライナ人はひとり残らず戦死せよ」を決めるという愚をおかしている。

ようは、トランプ政権2.0に、NATO脱退への絶好の口実を与える一手、となるからである。

また、EUも決して一枚岩ではなく、「X」におけるゼレンスキー氏を応援する各国首脳の判を押したようなおなじ言葉が並ぶことの気持ち悪さに対して、反抗的な首脳たちのメッセージは個性にあふれているのが特徴である。

ハンガリーのオルバン首相、スロバキアのロベルト・フィツォ首相、それに、フランスのマリーヌ・ル・ペン女史といった面々だ。

アメリカの怒りを買ったことに震える、NATO事務局長は、ひとり、ゼレンスキー氏へアメリカへの謝罪を進言するというのも、事態の深刻さを表している。
もしもアメリカがNATO脱退あるいはそれに近い判断をするようなら、小国オランダの首相を経験したルッテ氏には、「EU崩壊」のシナリオがみえるのだろう。

残念ながら、EUの女王に君臨するフォン・デア・ライエンは、ドイツ国防大臣だったことの経験を活かせないのは、はなから無能だということを世界に示している。

ときに、トランプ政権2.0は、今回のゼレンスキーの訪問を「時期尚早」として、一旦拒否していたのである。
なにがといえば、ウクライナ資源開発の同意について、ゼレンスキー氏が大揺れしてどっちつかずだったからで、合意の調印をするための訪問だ、というマルコ・ルビオ国務長官からの言質あっての許可だった。

このあたりが、ウクライナという国家の判断をする人物の法的根拠が曖昧な状態であることの弊害なのである。

つまり、国会の承認を要するのか?という一点で、暫定大統領にその権限があるのか?ないのか?ないなら誰がその権限を有するのか?が、よくわからないのである。
このことが、プーチン氏をして、たとえゼレンスキー氏との間で和平が締結できたとしても、それがウクライナ憲法において合法で有効なのか?という疑問があるという指摘に通じる。

だから、選挙をやるように求めているのだが、ゼレンスキー氏がやらないと決めていた。
しかし、ウクライナ国会が戒厳令下の大統領任期延長をこれ以上しない、と決めたので、誰がウクライナ憲法に合致する人物なのか?という新たな問題になっているのである。

しかし、そうはいっても現実に、戦闘は続いている。

ウクライナ人もロシア人も、現実に死傷者を出し続けているのである。

つまるところ、これ以上犠牲者を出したくないトランプ政権2.0として、とにかく停戦させるための説得に、常識をもってあたったら、相手が異常なまでの非常識だった、ということであったし、これを歓ぶ英国やらEUの態度こそがもはや悪魔的なのである。

そんな悪魔の理屈を支持する日本語話者の「X」投稿を読むにつけ、日本政府によるプロパガンダの成功だけがみえてくるのである。

なんにせよ、トランプ政権2.0は、一致してゼレンスキー氏を相手にしないことを決めたはずで、米・露二カ国による和平を追求することになろう。
EUとNATOは呼ばれない。

安全保障は、米・露による共同資源開発の経済利益の追求が、軍を動かす必要がないことを示して、これ見よがしとするにちがいない。
つまるところ、いつか聞いた「北風と太陽」の話でいう、北風がEUの手法で、太陽の手法が米・露だと世界に見せつけるはずである。

さっそく、プーチン氏がウクライナではなく、ロシア国内の資源開発について、トランプ政権2.0と協議する用意があると発言したのもこのことを示す。

なお、前戦でのロシア軍の占領地が急拡大しているのは、ウクライナ軍に厭戦気分があふれて、司令部の命令に従わず逃亡あるいは投降が相次いでいるからだとかんがえられる。
おそらく、腐敗した政権の私欲のための駒にすぎないと兵が気づいた現象である。

おなじことが、わが国の大戦末期にも起きたことなのである。

それにしても、「軍事オタク」といわれてきた石破首相の3日、衆議院予算委員会における自民党・鈴木英敬(本人初の質問)議員への答弁は、「報道で見る限り、なんでこんなことになったんだという思いはございます。私ども(日本政府)として、どちらの側に立つと言うつもりは全くありませんが、とにかくG7が結束していくことが何より大事である」であった。

このすっとぼけた答弁は、おそらく「歴史に残る」だろう。

なお念のため、国会答弁とは、国会がわが国の「国権の最高機関」と憲法41条にあるとおりなので、これ以上の政府としての「公式見解」はなく、そのまま「法」と同等の重みとして解釈がされることに注意がいる。

マクロンやスターマーと同様にホワイトハウスで直接会見しているのに、「裏切り者」としての確信的な答弁をしたことは、アメリカ側にも「公式」として受けとめられる当然となる。

さて今後のアメリカの行動を、及川幸久氏が解説している。
・バイデン政権の武器供与停止
・ロシア軍情勢の情報提供の停止
・ウクライナ軍が採用した「スターリンク」停止

最後の「スターリンク停止」というオプションは強烈だ。

イーロン・マスク氏の会社が行う衛星通信事業であるが、無線、を用いるために、物理的通信回線の敷設を要しないから、通信について途上国並みだった東欧圏ではこの方式で、ワープスピードで西側に追いつき、追い越したのである。

よって、もしも停止となれば、ウクライナ軍は正規軍としての組織活動が不可能となる。

しかし、このことは世界の通信安全保障への脅威と認識されることにもなるので、スターリンク事業の終わりにもなりかねない。

ところで、スノーデン氏が公表した、アメリカ製の全ハイテク兵器に搭載されているという、始動スイッチを作動させないシステムも、アメリカに逆らうと「一斉ボタン」によって機能しなくなるようにできているという。

わが国が大量購入しているミサイルシステムから航空機や艦船など、全部が停止する可能性があることに匹敵する。

外交と戦争は直結しているという、クラウゼヴィッツの『戦争論』をそのままに、トランプ政権2.0によるゼレンスキー氏への丁寧な説明は、まさに究極にこれがある、といいたかったにちがいない。

戦争の最大目標とは、敵の無力化、なのだ。

そして、トランプ政権2.0が「宿敵」と設定しているのは、あくまでも「中」であって、「露」ではない。

ヨーロッパ首脳と日本政府の無知とは、クラウゼヴィッツを忘れている絶望なのである。