「バイデン政権」は親日か?

カッコで「政権」と書いたのは、「?」だからである。

与党民主党の動きも変で、無理クリの「弾劾」に時間をつかって、政権の政権たる「閣僚人事」をぜんぜん優先させていない。
間もなく「政権」発足1ヶ月になるにもかかわらず、議会承認(人事は連邦上院)を得たのは、全部で20人以上のうちのたったの6人である。

しかも、弾劾の後、上院は連休に入ってしまった。
閣僚がいないから、バイデン氏は新記録の水準すら超えた数の「大統領令」を濫発しているけれど、実行予定もわからない状況になっている。
それで、とうとう「身内」のはずのマスコミが、「独裁的」と批判を開始している。

アメリカのマスコミには、「100日ルール」という慣習があって、新政権発足後の100日間は、政権批判を控えて見守る、というはずなのに。
しかも、選挙でも見事なエコ贔屓をしてきたのに。
だから、よほど腹に据えかねる事態なのである。

そんななか、突然、韓国に対して、「慰安婦だかなんだかと日本にイチャモンをつけ続けるなら、同盟関係を見直す」と発表した。
これを、わが国の「保守論客」で、「ざまぁ」と歓迎しているひとがいる。
どうしてこうも、単純なのか?と疑うのである。

見た目はあたかも、日本を擁護している風情だが、この「政権」は、まちがいなく大陸の大国に絡め取られているひとたちが運営しているのだ。
しかも、「反日」を国是とする建国をしてしまった「韓国」の現政権は、その国是を強力に推進してきた。

したがって、「もっとイチャモンをつければ、同盟をやめて在韓米軍を引き上げるから、韓国現政権の望みどおり大陸の大国の属国にしてあげます」、といったのだ。
すなわち、東アジアの勢力図が、一気に大陸有利に変更することを認める、というメッセージだ。

この「政権」は、明らかに「親日ではない」ことが判明した。

一方で、わが国の「保守論客」の一部は、前から在韓米軍の引き揚げをいっている。
韓国の現政権に呆れたアメリカの政権が、軍を引き上げたら困るのは韓国だ、という論法である。

これも、「おかしい」。

アメリカの東アジアにおけるプレゼンスを維持するには、日韓という味方をもって、全体主義に対峙する必要があるからだ。
だから、みすみす韓国を、たとえ望みが寝返ることであったとしても、これをぜったいに認めない、とするのがアメリカどころか、わが国にとっても死活的に重要なのだ。

だから、「似非」という単語が浮かぶ。

わが国の防衛ラインが対馬までおりてくるのは、19世紀の明治政府が恐れた以上の不安定を、21世紀のわが国にもたらすのだ。
すると、「日露同盟」という発想が必要になる。

プーチンは、こないだ改正した憲法をもって、領土不変の原則をいいだした。
つまりは、北方領土は返さない、という意味だ。
ならば、わが国としては、ウラル以東のシベリアを「円流通圏」にさせるべく仕向けるチャンスなのである。

国際感覚が鈍かったという大日本帝国でもこの状況なら、さまざまな手段をつかって「闇だろうがなんだろうが」、円を流通させてロシアルーブルを駆逐させたろう。
話がかわって、「デジタル人民元」を警戒するのは、上記の方法の実行を意味するからである。

   

「エスタブリッシュメント」たちのアメリカ民主党は、冷戦の記憶(利権)が忘れられないままでいる、という意味での「保守」だから、嫌いな日本と大嫌いなロシアを同盟させることに躊躇しない。
わが国の対戦相手だって、終始一貫して、アメリカ民主党政権だったのだ。

つまり、アメリカ民主党からすれば、米中戦争が第二次冷戦ではなくて、「米・中同盟」対「日・露・英(印豪)・欧同盟」が次の冷戦になることを意味するのである。

19世紀から20世紀までにできた世界秩序の「大地殻変動」だ。

しかしながら、この「バイデン政権」は、ほんとうに「米軍」を掌握しているのか?という疑問が、ここでもむしかえすのである。

それが、「トランプ氏への異常な怖れ」を原動力とする、政治的優先順位にあらわれている。
大統領のために働く内閣の組閣より、離任したはずの前大統領を「免職する」弾劾を最優先させる理由はなんだ?

まったくの論理矛盾が矛盾にならないのは、トランプ氏の「政治的抹殺」が目的だからである。

しかし、米軍はどうしているのか?
「バイデン政権」と、「軍政」が併存しているかもしれない。
これは、法治と民主主義の常識なら「あり得ない」ことだ。
しかし、その法治と民主主義を破壊したのが、民主党だ。

「無罪」となった、トランプ氏は活動を開始した。
2月第三月曜日は、初代大統領ワシントンの誕生日で、「大統領の日」という祝日である。

同日、フロリダの沿道に集まった支持者たちが、トランプ氏に「わたしの大統領」と叫んでいる姿が動画になっている。
これを、たとえば『ニューズウィーク日本語版』(2月16日)は、苦々しく「現役然として」と伝えているのが印象的だ。

不思議なのは、「現役」と変わらない車種による車列(警備)が維持されている一方で、「現役」のはずのひとが乗るへこんだ車列と、シークレットサービス?のコートの下のジーンズ姿が、「おかしな」ことなのである。
警備の常識として、警護対象者がスーツ着用なら警備もスーツを、ラフな姿ならそれに合わせて、カムフラージュをするものだ。

やっぱり「変」なのだ。

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