『ぼっこちゃん』で有名な、ショートショートの大家、星新一の『ようこそ地球さん』に収録の「信用ある製品」を地でいく話である。
いわゆる、「寓話」の「矛(ほこ)と盾(たて)」の話だ。
どんな「盾」をも貫く「矛」と、どんな「矛」をも防禦する「盾」が戦うと?
「専守防衛」ということになっているわが国は、最高級の兵器を用意しているけれど、「ふつうの国」とちがって、敵に向かって「撃つ」ことが「制限」されている。
すなわち「正当防衛」の理由があるとき「だけ」なのである。
このことをきちんと示したのは、かわぐちかいじの名作『沈黙の艦隊』における「戦闘シーン」であった。
すなわち、やられたらやられっぱなし、だから、近代兵器戦における「専守防衛」とは、先制攻撃を受けてからの、はなから「全滅」を意味するか、敵の撃ち損じに依存する。
日本国民である、自衛官を見殺しにするシステムが、専守防衛なのであった。
だから、超先端技術を駆使した武力とはいえ、敵にはただの「まと」にすぎない。
こんな、概念上のファンタジーが戦後ずっと続いてきたのは、単に在日米軍のおかげなのである。
そんなわけで、『ウルトラマン』の「科学特捜隊」も、『ウルトラセブン』の「ウルトラ警備隊」も、「隊」なのは、「自衛隊」のことだからであって、攻めてくる宇宙人も怪獣も、ぜんぶ「侵略者」としての「ソ連」のことだった。
幸か不幸か、「当時」、毛沢東の中国には、ソ連のような脅威はなかった。
あまりにも「貧弱」な国力だったからである。
このことは、残念ながら、『ゴジラ』でもおなじく、自衛隊は貧弱な戦力で、敗戦を引きずっていたのは、「隊」としての「本質的劣等」を意味した。
そこで変身して登場する「ウルトラ」とは、世界最強の米軍のウルトラな軍事力のことであった。
不可思議なことに、貧弱な中国を強力に育成したのがわが国なので、なんのための援助かといえば、自身の滅亡の危機を自分で育てたともいえる。
「隣国を援助するものの愚か」とは、マキャベリが指摘した「愚の骨頂」ではあるけれど、わが国エリートたちはそれを見事に「やり遂げた」のである。
それにつけ、ここにきて、「台湾有事」がにわかに国際的関心となってきた。
ことの本質を、才媛、深田萌絵氏が動画で解説していて、台湾の地元ジャーナリストが彼女と同様の指摘をしていることも紹介している。
「台湾の親日のうそ」という衝撃的内容は、岩里政男(李登輝)亡き台湾にあっては、「さもありなん」なのだ。
そもそも、蒋介石とやってきた国民党は、わが国が戦った大陸での主たる「敵」であった。
「国共合作」という欺瞞は、国民党と共産党が、同じ穴のムジナであることを示唆しているし、台湾の日本資産(民間もふくむ)を放棄したことを棚に置いて、「戦後賠償の請求をしなかった」ことで、なんだか「偉人」と「親日」の評価が蒋介石にできた不思議もある。
これぞ、プロパガンダの成果である。
つまり、いまさらに国民党が大陸寄りなのではなくて、最初から大陸寄りの独裁政権なのだった。
これに対抗すべく、元日本人だった台湾在住者から湧き起こったのが「民進党」という物語になっている。
しかし、はたして元の日本人たる台湾人が一枚岩で民進党一色支持かと問えば、かなりあやしいのが実態だろう。
それは、国民党独裁がながく続きすぎたからである。
この意味で、現在の「蔡英文氏」にも、疑惑の目が注がれている。
この疑惑は、日本の「保守系(自民党)政治家」にもつながっている。
その最たるものは、現職の「幹事長」であるけども、「彼個人」が特殊な人物とかんがえるのは間違っている。
なぜなら、組織が選んだトップだからである。
そして、いっこうに親中・親韓国の露骨が解消されない。
これは、わが国が「レッドチーム入り」している証拠なのだけど、台湾政界との繋がりも忘れてはならない。
すると、深田氏が語る、「日・台」のレッドチーム入りを阻止するのが、G7による「初の台湾有事の阻止」というシナリオが、がぜん説得力を増す。
(ただし、これには一応韓国もはいるので、旧大日本帝国のほぼぜんぶが問題の対象になっている)
だから、言いだしっぺを「菅首相」とする欺瞞工作が透けて見える。
日本が主導した台湾有事阻止という「表向き」をもって、レッドチームのボスが睨み付ける図をつくりたいのだ。
バイデン政権の不思議が、反中路線にあるけれど、影で政権を仕切っているのが米軍だとする「説」が、それらしいのは、わが国が開発しているという、「電子の盾技術」が発表されたことにある。
敵のミサイルに対する、電子回路のプログラムを即座に解析して、あらたなプログラムをセットしてしまう、という技術である。
それで、敵が発射したミサイルの目標を、敵の主要部に再設定する。
よって、敵は、ミサイルを発射することさえできなくなる。
まずは、無人戦闘機に搭載して、これを後から有人戦闘機が解析・再設定電波を送るという。
ほんとうにわが国「だけ」の技術なのか?
日本国産戦闘機を作らせないアメリカ軍が許さないだろう。
そんなわけで、ウルトラの物語はまだまだ続く。