あっと驚くテキサス州の提訴

「平時」と「緊急事態」のちがいに気づかないのは、端から見れば阿呆だと思うけど、いまアメリカで起きている大統領選挙は、今月2日の「現職」が語った46分間の「重要演説」をもってモードが切り替わった。

すなわち、これより、「緊急事態」になったのである。

わが国のマスコミだけでなく、政府も、議員も、あるいはふつうのひとたちも、このモード・チェンジに気づいていないなら、それはもう、「情報弱者」といわれても文句はいえない。
ただ、そうはいっても既存マスコミの影響力の大きさは、侮れない。

新メディアのはずの、ネット・プラットフォームの大手が、こぞって政治的な偏向を露わにしているのは、息継ぎしないと苦しくなったからだろう。
アメリカの「通信品位法230条」に抵触するとの話題は、いまにはじまったことではないけど、「おすまし」ができなくなって牙をむきはじめた。

今年の2月27日、ウォールストリートジャーナルが伝えたところによると、サンフランシスコ巡回連邦控訴裁判所は、プラットフォーム企業に、「自由に検閲する権利がある」との判決をくだした。

連邦議会は、大統領選挙にあたっての、プラットフォーム企業大手による「検閲」を問題視して、これら企業トップを議会証人として呼んで「糾弾」したが、効果なしであるため、「法改正」の動きが加速している。
そんな状況下、北米でユーチューブは、10日、ガイドラインを変更し、「選挙不正」などの内容を含むコンテンツ削除などを明記した。

「攻防戦」は、一気に高まっているのである。

わが国では、昨日9日、ロイター発の日経新聞夕刊一面トップで伝えられた、ペンシルベニア州での郵便投票無効の訴えが、「米最高裁で棄却」というニュースが走った。さらに、今朝の10日朝刊でも「法廷闘争で再選困難に」という記事が2面にある。

新聞社には残念ながら、これらの記事は、「ことの真相」をつかんではいない。読者には、購読料を盗まれた感がある。
州選挙法を改正した、「77条」が、今回の郵便投票を合法とする法律なのではあるけれど、この条文が「州憲法に違反」しているのである。

そのための裁判は、9月28日にはじまっていて、投票日の11月3日以降の郵送投票をカウントから除外する命令が連邦最高裁判事からでている。
なわけで、この裁判は、まだ終わっていないのだ。

なぜなら、州憲法の改正には、会期で2期を要する上下両院議会決議を通過して、州民投票で過半数がないといけない。
そのスケジュールは、「来年の11月」までかかるのである。
つまり、「憲法違反」に対しての判決が、まだない、という状態だ。

さてそれで、やっぱりロイターが伝えているのに、同新聞がなぜか一字も伝えない、驚きのビッグ・ニュースがこれだ!

憲法違反の憲法が、州ではなくて、「合衆国憲法に違反する」と8日に訴えたのが、テキサス州なのである。
被告は、ペンシルベニア州、ジョージア州、ミシガン州、ウィスコンシン州の4州である。

合衆国は、合「州」国でもあるから、連邦憲法には、州が複数の州を提訴した場合は、連邦最高裁がこれにあたる、とある。
ものすごい時間の節約になるのは下級審を要しないからで、一発で最高裁への提訴、しかも、すでに「受理」された。

さらに驚くのは、この訴えに、以下(いまのところ8つ)の州も賛同して、原告に加わっている。
ルイジアナ、アーカンソー、アラバマ、フロリダ、ケンタッキー、ミシシッピ、サウスカロライナ、サウスダコタで、今後も増えて2桁になる勢いなのだ。

すると、ペンシルベニア州での「敗訴」どころか、「憲法違反」問題が、州と連邦両方で、まとめて連邦最高裁が判断する、という状況になっている。

平時であれば、12月8日が、各州選挙人決定の期日だけど、平時でないから、8日を過ぎても、何も決まっていない。
平時であれば、14日が選挙人による「投票日」だけど、平時でないから投票できない。

提訴された4州には、最高裁から10日(日本時間は11日金曜日)までに「反論せよ」との命令がでている。

あきらかに、いつもと違う「緊急事態」なのだ。

そしてまた、アメリカ史上の初が起きた。
トランプ氏とペンス氏がそろって、バイデン氏とハリス氏を、彼らの「地元」ウィスコンシン州で「詐欺被害」の訴えを起こしたのである。
内容は、州内の郡における郵便投票不正なのだが、被告人の責任追及が甘い訴えになっている。

けれども、こちらも、いったん「棄却」されれば、次は連邦最高裁となる。
おそらく、「証拠」は、連邦最高裁で披露するのだろう。

しかし、もしかしたらそれよりも、「逆・宣伝工作」が目的かもしれない。

なぜなら、大手マスコミもなにも、トランプ氏不利、のニュースをよろこんでたれ流すからである。
ならば、その意図はなにか?といえば、情報弱者に、「選挙不正で裁判になっている」ことだけでも知らせることではないのか?

肉を切らせて骨を切る。

とはいえ、連邦最高裁で「証拠」をだして、勝訴する可能性もある。
もはや、「マインドマップ」をつくらないと、話の構造が見えてこない状態だけど、「マインドマップ」をイメージすれば、だれかが「マインドマップ」を使って作戦を練っていることがわかるような気がする。

そういえば、7日から、グアンタナモ基地の軍法会議日程が全部キャンセルされて、空いているけど、なにか?

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