残念ながら、「他力本願」にならざるを得ない。
これが、「パクス・アメリカーナ(「アメリカによる平和」という意味)」の現実だ。
もちろん、古代の「パクス・ロマーナ」(「初代皇帝から5賢帝時代までの平和」という意味)をもじったものだ。
「から、と、まで」があるので、ローマ時代ぜんぶを指してはいない。
すると、「パクス・アメリカーナ」だって、アメリカ建国以来からこれまでを指すわけではない。
すくなくとも、「パクス・ブリタニカ」が終わった、第一次大戦後からをいう。
しかしながら、「パクス・アメリカーナ」となってからこの方、アメリカは戦争ばかりをやっていて、あんがいと「平和」を世界にもたらしてはいない。
わが国の戦後でみたら、「平和」だったのは、朝鮮戦争とベトナム戦争による「利益」があって、なんだか日本だけの平和なのである。
これを、「憲法9条のおかげ」だと思いこませるような努力があった。
しかし、あの共産党の小池晃書記長が、テレビ放送で「9条で平和は守れない。そんなこといったこともない」との暴言を吐いたことが話題になっている。
さすがに「気づいた」ということなのか?
わが国では、軍産複合体に迎合しないと「おカネ」がもらえないからか?とにかくトランプ氏を徹底的にディスることをして、国民の多数がコロナ脳になったのとおなじで「感染」して、トランプ憎しが浸透した。
だから、トランプ政権の4年間が、戦後初、の「平和」だったことをぜんぜん評価しない。
つまり、彼の政権は、戦争をしないばかりか仕掛けることもせずに、中東から米軍を撤退させたのである。
これで、なんと中東各国にイスラエルとの「平和条約締結ブーム」が起きる、「奇跡の時代」となったのだ。
その「仕上げ」が、アフガニスタンからの撤退だったけど、バイデン政権はこれを「逃亡」にしてしまった。
それから、アメリカは「正気を取り戻した」かのように、ロシアを挑発して、ウクライナ侵攻をやらせたから、平和を希求しない軍産複合体が主流のいつものアメリカになったのである。
ところが、これが、「世界史的破壊工作」を旨とするひとたちの、あからさまな「支配」だと、ようやくアメリカ人が気づきはじめた。
それが、「わざと」エネルギー危機をつくってはみたけれど、半世紀ぶりのスタグフレーションもつくりだしたのである。
これには、いろんな「材料」をレシピ通りに混ぜる、料理のようなやり方が準備されていて、その最大の原材料が「コロナ禍」だったのである。
ラーメンでいえば、スープにあたる。
麺にあたるのが、わざとつくったエネルギー逼迫だ。
しかし、スープの最大の原材料は、「水」で、これが、「アメリカ国債」である。
「国債」は、「ダシの骨」にあたる、「金利」と反応するようにできている。
そんなわけで、世界最大の「債務国」であるアメリカは、インフレ対策による金利上昇圧力(もちろんFRBは金融引き締めをやる)で、国債価格を爆下げするという「自爆」をやらざるをえない。
おそらく、邪悪なバイデン政権は、これが「狙い」なのだ。
「債権国」の日本と中国が、たとえば、日本は、そのアメリカ国債を売却して、円防衛のための「介入資金:ドルを売って円を買う」にした感がある。
わが国にとって、せっせと貯めてきたアメリカ国債をかくも大量に売却したのは、初めてではないのか?
よくもこれをアメリカ(財務省)が許したものだが、それこそが「破壊工作」の狙いだから、「もっとやれ!」なのかもしれない。
さてそれで、わかりやすいことが英国とイタリアで起きた。
英国は、「財源なく減税」を打ち出した新政権が「潰された」けど、わが国は、ずっと財源なくバラマキをやっているけど潰されない。
問題は、「減税」なのだ。
国民をあまねく幸せにするな、という意味だ。
しかも、英国で計画された減税規模は微々たるものだった。
岸田自民党政権が、是が非でも減税をしない理由がこれだ。
なので、インド系の新・新政権は、バラマキをやるはずで、もちろん財源はないけど、「市場は評価する」ことになるのだろう。
対する、イタリアの新政権は、「極右」のはずだけど、早速に新首相は「EUに従う」と表明した。
ただし、「これまでのコロナ対策は科学的ではなく失敗だった」とも明言して、その「極右」性は保持したのである。
3党で連立を組んだけど、元首相のベルルスコーニ氏は、さいきんの「誕生日」で、プーチン氏からのプレゼント交換があったことを披露して、首相だった以前からの「親密」さを国民に思い出させた。
これも、現首相の了解があってのことだろう。
イタリアはヨーロッパ中央銀行によるイタリア国債の引き受けがないと「国家破綻する」から、しばらく「EUに従う」のだろう。
それで、気になるのがサウジアラビアや中東産油国たちが、急遽、政府系ファンドに資金のテコ入れをしていることだ。
もしや、突如「イタリア国債」の引き受けを発表するかもしれない。
これら関係者がみんな気になる、それが1週間後のアメリカ中間選挙なのである。