いまさらの「マウス・ジェスチャー」

自宅パソコンのマウスがへたってきて、そろそろ買い換えどきかもしれないと、いろいろ調べてみることにしたところ、例によって、アルゴリズムが勝手に「マウス・ジェスチャー」の紹介動画を紹介してくれた。

何年も前からあるから、「いまさら」ではあるけど、書いておく。

いま愛用しているマウスは、「静音タイプ」が出始めたころの有線(5ボタン)である。

ネットでの購入品がふえて、すっかり家電量販店にも足が向かなくなっている。
久しぶりに訪れてみたら、一種の「カオス」を形成している。

いまさらながら、マウスという入力装置をかんがえたひとは凄いとおもうが、トラックボールも気になるのである。
わが家には、2台あって、古い有線の左右対称の1台は、家内が愛用している。
もう一台は、小型の無線型で、専用ケースもあるから出張のときに持ち運んだもので、普段づかいはしていない。

あとは、なんだかそれなりのコレクション的になっていて、「ゲーミング・マウス」もいくつかあり、残りはやっぱり小型の安いふつうのマウスとなっている。

どうしてゲーミング・マウスがあるのかといえば、ボタン数が多くてカスタマイズ機能が魅力だったからである。
これも古いものは、カスタマイズ機能すら斬新だった時代に購入したもので、ワープロや表計算ソフトなど、それぞれのアプリに対応したボタン機能設定が便利だったのである。

しかしながら、もうすっかり表計算ソフトをつかうこともなくなって、自分でいうのもおこがましいが、かつての「遣い手」としての能力は衰退し、いまさら新規にマクロを組むこととかすらも面倒になっているし、そもそもそんな複雑な計算をする機会もなくなった。

新製品の情報はしっていたけど、なんだか1万円をかんたんに超える「高性能」は、いまの自分には過剰スペックなような気がしてならない。

むしろ、キーボードだけの入力で、マウスを必要としない方法をかんがえたいくらいなのである。

文章作成とネット検索ぐらいがメインなので、ほんとうは高性能パソコンすら必要ないけど、だからといって低スペック・パソコンでは話にならない。
「いまさら」をタイトルにつけた、

ipadも、満足できるエディターがないのを我慢しているものの、気合いが入ったときには、重さにも我慢してHHKB(ハッピー・ハッキング・キー・ボード)の英語配列を外出先で使っている。

HHKBの英語配列には、矢印キーが物理的にはないけれど、修飾キーとの組合せで矢印キーの役割がありこれがまた便利で、マウスを必要としない。
前に書いたとおり、「英語配列」の方が、日本語(ローマ字)入力が楽なのは、「日本語配列」とは、「ひらがな入力」のことだからである。

日本人の「英語嫌い」は、条件反射になっている。

トラックボールの外国製の最高峰にいたっては、2万円という価格設定に怯む。
トラックボールは、みごとに親指派と中指派の2派に分かれていて、わたしは中指派になるとおもう。
展示品で試しても親指でボールを転がすと、関節が疲れてしまうからである。

それで、やっぱり高価格製品は、ソフトでボタン設定をカスタマイズできる機能になっているから、見た目よりもずっと複雑な遣い勝手になるのである。

プログラマーという、パソコンへの入力を生業にしているひとがイチオシの、日本製トラックボールも中指タイプであるけれど、多ボタン多機能であることもオシの理由にあげている。
さらに、わたしは絶対にやらない、動画編集作業における、腱鞘炎をトラックボールなら防止できるという「売り」も、残念だが響いてこないのである。

さてはどうしよう?

とかんがえていたところに、冒頭のごとく、「マウス・ジェスチャー」を紹介されたのである。
まことに便利!という気持のなかに、不気味さもある。

監視社会はとうに完成しているのである。

とはいえ、自分にとって都合がいい、というところだけを切り取ってしまうのも人間だからだ。
こんなご都合主義につけ込んでくるのも、アーキテクチャ側の狙いにちがいない。

そんなねじ曲がった根性があるので、この件はいただきながら、買い物での決済について、電子決済だけはつかうものか!と誓いを新たにするのである。

これぞ、現代の「レジスタンス(抵抗運動)」なのだ、と自分にいいきかさせる。

そんなわけで、「マウス・ジェスチャー」も二つに大別できて、ひとつはグーグル・クロームが提供してブラウザ内でつかうもので、ひとつがウィンドウズのシステム・ソフト(Autohotkey)に乗っかった、外部ソフト『MouseGestureL』がある。

汎用的なのはもちろん後者で、パソコンに全般的な設定とアプリごとの設定も可能で、ずっと以前からある、「ショートカットキー」を、マウスの動きと連動させるものである。
つまり、エクセルとかで「マクロ」を設定する作業とよく似ている。

しかも、マニアさんたちが、様々な設定(マクロ)を、ネット上で公開しているので、これをコピペすると、たちまち使えるのである。

すると、もっとも安価な、2ボタンマウスで十分という、マウス・メーカー・キラーなのである。
いまや100円商品だけでない、「百均」の、300円有線マウスが、最新機能に変身する。

ということは、ふつうの電卓なのに、「最高級」を謳った、万円単位の電卓があるように、2ボタンなのに「コレ!」という、最高級マウスが販売されるのか?に興味が移るのであった。

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