ソ連の崩壊以来、世界各国の「分断政策」が進行して、あたかも共産主義・全体主義が最終的勝利を収めようとしているのが現代の情勢なのである。
あれれ?
「ソ連」は、冷戦に敗北して世界は「アメリカ一強」になったんじゃなかったっけ?
目に見えた光景はそうだし、マスコミもそうやって報じてきた。
だが、共産主義が滅亡したのではなく、「地図上のロシアの政体」としては、身体を棄ててあたかも魂が抜けたように「幽体離脱」したのである。
あたかも、「オカルト」のようではあるけど、そもそも共産主義・全体主義が「オカルト」だから、じぶんたちを棚に上げて、反対者を「カルト扱い」するのはこのためだ。
それで「自由になった」共産主義・全体主義の霊魂は、勝利したはずの「西側・自由主義陣営」を、内部から腐食させることができた。
この手法が、国民の貧困化であって、エンジンとなったのが「グローバル企業」からの政治家・政府への「資金提供」であった。
そして、その「大義名分」が、「(グローバル企業活動の)規制緩和」と「(グローバル企業を活動しやすくする)構造改革」だったのである。
逆にいえば、過去の「西側・自由主義陣営」には、自国企業を守るための規制やその経済体制の構造が備えられていた、ということだ。
これを「破壊した」のが、「新自由主義」だとマスコミは宣伝している。
そうやって、新自由主義を「憎む」ように国民を誘導したのは、小説『1984年』での、「2分間憎悪」のことである。
このブログでは、何度も紹介しているけれど、現代人にとって「必読の教養書」であることはまちがいない。
人生のなるべく早い段階で読破しておくべき「図書」である。
なお、知り合った東京大学で政治学専攻の学生は、この本の存在をしらなかったから、東大の教育方針が透けて見えたのであった。
しかして、「新自由主義」をもっとも「強く」主張した、ハイエクの『隷属への道』を読めば、巷間いわれている「新自由主義」の定義が、ハイエクとは「真逆」であることがハッキリとわかる。
なので、「新自由主義」という言葉を使うときには、注意がいるのである。
この本も、『1984年』と同時期に併読すべき、必読の、現代人の教養書であるから、なるべく人生の早い段階で読破することを奨めたい。
さて、少なくとも以上の2冊を「思考の土台」に据えれば、現代世界の政治情勢をきっちり図表にプロットできる。
これを「経済倶楽部」も解説している。
「X軸」の右矢印方向には、「自由主義」、反対の左矢印方向は、「不自由=全体主義」を置き、「Y軸」の上方矢印方向には、「グローバリズム」、反対の下方矢印方向は、「ナショナリズム」とする「図」を描けばいい。
すると、各「象限」は以下のようになる。
第Ⅰ象限(自由主義・グローバリズム)
第Ⅱ象限(全体主義・グローバリズム)
第Ⅲ象限(全体主義・ナショナリズム):
第Ⅳ象限(自由主義・ナショナリズム)
これに、各国での対象をプロットする。
第Ⅰ象限:自民党清和会(安倍派)、アメリカ共和党主流派
第Ⅱ象限:清和会以外の自民党と既存野党全部、アメリカ民主党、江沢民派
第Ⅲ象限:習近平政権(習近平派)
第Ⅳ象限:参政党
微妙なのは、アメリカ共和党保守派(トランプ派)と、フランス国民連合(ルペンの政党)、それにプーチンの立ち位置で、これらは第Ⅳ象限にあるけれど、「自由」がやや弱いから「原点に近い」場所になる。
これが、プーチンとトランプ、プーチンとルペンの「近さ」の理由だ。
この意味で、トランプと亡くなった安倍晋三氏には、とくに「Y軸」で象限を超えた「距離」がある。
すると、マスコミが定義する「極右」というのは、「X軸」上での「右はじ」を指すのではなくて、「Y軸」で下方の「ナショナリズム」にあることをいっているのだとわかる。
世界の主流マスコミは、全部が第Ⅱ象限にあるからだけど、これが、「斜め上から目線」の正体なのだ。
「左・右」という「横方向の概念」が、「上・下」の概念に勝手に言い方を変えていて、これを上述の『1984年』では、「ニュースピーク」と説明している。
そのマスコミが取り扱いに困窮しているのが、第Ⅲ象限にある習近平だ。
「共産主義」の本質は、人類平等化(均一化=奴隷化)にあるから、かならず「国際的」になる。
だからみんなで肩を組んで「インターナショナル」を歌っていた。
以来、「国際」が「正しい価値」となったのである。
過去に、共産主義を標榜しながら「ナショナリスト」だったのが、スターリンと毛沢東だった。
それで、プーチンはスターリンを尊敬すると発言した。
いま、毛沢東を信奉する習近平がでたことで、ジョージ・ソロスが激しく反発するのも、ソロス自身が「本物」の共産主義・全体主義者だからである。
日本人が習近平を警戒すべきは、ソロスの論法ではなくて、ナショナリストゆえの「台湾危機=日本の独立危機」のことである。
さてそれで、第Ⅳ象限の深い場所(X・Y軸両方で端になる)に世界で唯一位置するのが「参政党」なのである。
特に敵対する「第Ⅱ象限」は、超大金持ちの大富豪が支配する乞食化・奴隷化してしまった下層民が、おカネを貰えることで支持している構図がある。
一方の、浅くとも「第Ⅳ象限」に位置する政党の支持者は、どの国でも主に「中間層」なのである。
この「中間層」の絶滅を意図しているのが、世界シェアをとりつつある第Ⅱ象限の作戦になる。
その権化が、WHO=国連なのだ。
そんなわけで、参政党は、まちがいなく「弾圧」の対象になる。
いま第Ⅱ象限にある日本政府は、参政党の消滅を画策するはずなのだ。
そして、第Ⅰ象限の宿敵安倍氏亡き後に、「安倍氏の意志を継ぐ」というヤクザの欺瞞を口にしてはばからないのが、第Ⅱ象限の本質的暴力性だ。
しかして、参政党への弾圧とは、国民中間層への攻撃にひとしいので、いよいよ日本人の分断(貧困化)が「政府の政策によって実施される」時代になったといえるのである。
こんな自民党や既存野党の全部を支持する国民は、倒錯した自虐としかおもえない。
激しい攻防となるか、あっさりやられるか?
将来の日本人のための、「自由」と「独立」をかけた歴史上初めての戦い=「見えない内戦」がはじまったのである。