キューバのデモは世界を変えるか?

あのキューバで、11日、信じがたい大規模デモがあった。

誰が、どのように企画したのか?は、わからない。
共産政府側は、すぐさまインターネット回線を遮断したようである。
それで、デモ参加者を数千人規模で逮捕しているという情報もある。
なお、NHKは、参加者が数千人と報じた。

コロナ・パンデミックの、予想外の反応、が言われているけど、もともと、トランプ政権がやった「経済制裁」が効いている。
キューバにとってアメリカの政策は、揺りかごのように左右に揺れていて、概ね民主党政権だと「緩く」、共和党政権だと「キツく」なる。

民主党政権なのに、「強硬」だったのがケネディ政権で、「緩い」と決め込んだフルシチョフがミサイルを持ち込もうとしたら、断固拒否されて、チキンレースに敗北した。
この意味で、ケネディの功績は共和党的であった。

それが、悲劇をもたらしたかどうかはいまだに議論のあるところだ。
飛行機事故で亡くなったケネディ・Jrが、一部に、生存しているという説まであって、保守層が期待を込めている理由もこれだ。
ちなみに、ケネディという苗字は、アイルランドの典型でもある。

「人権派」を装う民主党政権にあって、トランプ政権の経済制裁が人々を苦しめているという理由から、「緩和すべし」という意見もある。
しかし一方で、国民政府ではない、革命政府なのだから、国民の不満を高める経済制裁を継続して、現政府を打倒すべしという意見もある。

自分がどこにいるのかわからないかもしれない、アメリカの現大統領は、とりあえず「デモを支持する」と表明し、政権には「国民のニーズにこたえよ」との声明を出した。
これらのことを、アメリカの左翼メディア(CNNとかニューヨークタイムズとか)が報じている。

しかし、もはやアメリカの左翼メディアは、社会(共産)主義への信奉を表明して久しいので、足下のこの「事件」は取り扱いが難しい。
ほんとうはキューバ政府を支持したいけど、それでは国民はどうするのか?
なので、悪いのはトランプ政権の経済制裁なのだと主張しているのである。

アメリカのまだら模様は、いよいよ激しくて、新しい(本当は過去の歴史を引き摺っている)「南北戦争」が目には見えず密かに起きている。
カリブ海に面するフロリダ州は、キューバからの移民が多数住んでいる。
この州選出の共和党上院議員、マルコ・ルビオ氏も名前からわかるように、キューバ系なのだ。

キューバ移民が、総じて共和党支持なのは、民主党の牙城のひとつカリフォルニア州における「華僑」と似ていて、何のために祖国を捨てて「逃げてきたのか」という「存在」の根本問題があるからだ。
つまり、「自由」を求めてアメリカにやってきたはずだ。

だから、社会(共産)主義の恐怖を知っている彼らは、断固、祖国の政権を拒否する。
このことは、旧ソ連圏の東欧諸国にも見られることだ。
最近は、ハンガリーで大規模デモが起きているのに通じる。

ドイツのナチスは禁止されているけど、世界で共産党など(名前でごまかせることもある)が、どうして「禁止」にならないのか?

わが国をみれば、東京の豊島区議会で、47年ぶり、という「懲罰動議」が出て、さらに「懲罰委員会」が議会内に設置された。
この原因は、テレビ改革党のひとりだけ議員が、一般質問で「共産主義の危険性」やらを滔々と述べたことが、「議会の品位を穢した」からだという。

発言者は、議会で本当のことを言ったら懲罰されるのか?と、絶対に謝罪に応じない姿勢を貫いている。
もちろん、本人も承知している「大問題」は、こんな動議が通って、「懲罰」を許したら、全国の地方議会で「真実を言えない」ということになる危険性があるからだ。

だから、少数党の議員をいじめて追いつめている、という「子どものケンカ」とは大違いだ。
動議を出したのは共産党で、委員会設置に賛成したのは、これに立憲民主党が加担した。

それで、否決はおろか、決議されたということは、区議会という空間が、「そうなっている」ということである。
しかも、どういうわけか、委員会メンバーに「原告」の共産党議員が入っている。

「被告」にあたる発言者本人は、委員会に入れないで「審議の対象」なのだから、一方的でおかしいではないか、という理屈はもっともだ。
どういう「結果」になるのか?
ちょっと前の日本だったら、「おとがめなし」がふつうであったものを。

はてさて、日本にどれほどのキューバ移民がいるのかしらないが、こうした「議会」の状況を、どう分析するものか?
革命政府は、自分たちで選んだのではないけれど、国民政府は公正な選挙をやった結果だから、「より始末が悪い」となるだろう。

すると、分析してなにかを言うよりも早く、こんな国は危ない、と判断して、他国に転居するにちがいない。
自由を求める外国人が逃げ出して、全体主義を求める外国人がやって来る。
わが国における「移民問題」の「やばさ」がここにある。

それでも、キューバのデモが日本人の琴線に触れないのは?
やっぱり、やばいのである。

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