グローバルダイニング裁判の判決

わかりにくい「判決」なので、「(原告請求棄却の)主文」だけを聴いて飛び出して、速報記事にした慌て者たちが、「誤報」を大量生産して呆れられたというおまけもついた。

16日、東京地裁で、東京都から受けた新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)に基づく時短命令は「違憲・違法だ」として、104円の「損害賠償」を求める訴訟の判決があった。

本件については、過去にも書いているのでそちらに目を通していただくとわかりやすいだろう。
かんたんにいえば、このときの「懸念」が、そのまま「判決」になった、ともいえるからである。

なお、原告側主任弁護士の倉持麟太郎氏が、18日、自身のユーチューブ番組『このクソ素晴らしき世界』(奇しくも50回目記念となった)において、「判決文全文解説」をあげているので、法的な問題点のチェックに役立つからありがたい。

この事件は、東京都による「言論弾圧」について、民主主義の重要性を教えられて育ってきた、同社創業社長の長谷川耕造氏が「違和感」のあることをなによりの「きっかけ」にしているものだ。

それは、氏が「時短要請に従わない」ことをSNSなどで表明したことの「制裁」として、「要請」から「命令」となったときに同社店舗が「狙い撃ち」されたという主張となったのである。

それで、法律家として現状の法体系や裁判制度、もっといえば「わが国の法治」についての批判をしていた、倉持弁護士と「出会った」ことで、提訴になったという「経緯」がある。

それで、判決は、「都の時短命令は違法、賠償請求は棄却」という大手新聞の見出しが書いたとおりの「わかりにくさ」だったのである。
「誤報」となったのは、後段の「賠償請求は棄却」だけをもって、都の勝訴と早合点したことを指す。

都の時短命令は、「違法」という判断を裁判所がしたことだ。
つまり、原告側の実質的な勝訴となっている。
それでもって、賠償請求は棄却されたので、実質敗訴した都が「控訴」もできない建て付けにしてあるのだ。

しかし、長谷川氏が感じた、「言論弾圧」すなわち、「憲法違反」についての判断は「なかった」ので、結果的にえらく「テクニカル」な、よって、「小さい」判断となっていて、また、都にも「配慮」したものになっている。

もちろん、「コロナ特措法」を制定させたのは、「国会」に相違ないけど、「法自体」を批判してもいない。
「運用の問題」としたことも、「小さい」のである。
ただし、1年あまりで「判決」がでた、「スピード」はあった。

そんなわけで、原告は「控訴」を決めた。

さてそれで、飲食業界やレストラン事業を内在させる宿泊業界はどうなるのか?

その前に、「敗訴した」東京都のコメントは、都知事のもとにある「官僚体制」が機能していて、トンチンカンな解釈を表明している。
また、熊本県がさっそくコメントを出していて、控訴によって判決が確定したわけではない、という東京都へのエールを送っている。

蒲島郁夫熊本県知事の経歴をみると、高卒で農協に入って、留学先のアメリカの大学を出てからハーバード大学で博士(政治経済学)を取得後、筑波大学・東大教授を歴任した、典型的な「あっち側」の人物である。

その「あっち側」では、ビル・ゲイツ氏の新刊本が話題になっていて、もはやWHOのオーナー気取りの氏は、今後のパンデミックをパンデミックとさせないために、WHOの命令を加盟各国が遵守する旨の「条約」を準備するので、各国は即座に「批准せよ」と述べている。

つまり、選挙によらない「世界政府の樹立」を目指すと、臆面もなく堂々と主張していて、それがほんとうに実施されそうなのである。

これを、「グローバル全体主義」という。

「こちら側」が、グローバルダイニングだから、なんだかグローバルがかぶるけど、その主張は「真逆」である。

すると、「控訴審」では、「グローバル全体主義」との戦いをせざるを得ないことになって、「敵」は都知事や熊本県知事(=これにぶら下がる都庁や県庁の行政官僚)などといった「手先ども」ではないのである。

むしろ、「憲法に緊急事態条項」を加えたいとする、自民党こそが「グローバル全体主義」の手先になっていることが、国民的大問題なのだ。

たしかに、「日本国憲法」は、その出生からして決して正統とはいえない、あやしげなものではあるけれど、根幹をなすのが、「第13条」だということすら、国民は教育されていない。

「すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」。

さては、今回の判決で、憲法判断がされなかった、ということは、すでにこの13条が、「軽く」なっていることの証左なのである。
それを、「テクニック」で裁判所が逃げたのだ。

都知事や熊本県知事が息をするようにやっている「憲法違反」が、ビル・ゲイツの邪悪のように、ふつうに行われても、国民(業界人も)が気づかないので、なんとかしようとしている。

これが、この裁判の最大の問題点なのである。

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