毎年思うのは、七草の「はやさ」である。
大晦日から元旦・お正月三が日が、あっという間に過ぎ去ったことを確認するからである。
でも今日は、旧暦では11月24日で、今年は2月12日が元旦、なので、七草は2月18日になる。
つまるところ、明治5年以前の日本人は、まだ正月どころか師走すら迎えていない時分なのである。
自然に生えるはずがないから、温室育ちの七草で粥をつくることになったのだ。
ところが、2月18日前には自然に生える時期になるけど、こんどは、「七草」を手に入れられない。
野菜コーナーは完全無視してしまうし、わざわざ田園に出ても、他人の田畑で勝手に摘みとることもできない。
そんなわけで、いかに伝統的風習だといっても、「自然」との「共生」とは、とっくに人工的になっている。
「旧暦」を利用した、日本旅館がもっとあっていい、というのはこんなところに日本人を「偲べる」からである。
商品としての「七草」をセットで装飾するから、店頭に配置されるわずかばかりの「野菜」が、妙に高価になっている。
だからきっと、これを見て「あゝ、もう七草か」とは思うけど、買わない家庭も多かろう。
なんだか「うさんくさい」からである。
じっさいに七草粥を食べたことがある日本人の方が、少ないのではないか?
と思うのは、以上の理由による。
新年早々の「うさんくささ」は、なんといっても二度目の緊急事態宣言だ。
タイミング的には、遅きに失している感があるけれど、昨日6日のユーチューブ『松田政策研究所』における、主宰者の松田学元衆議院議員と、あの大橋眞徳島大学医学部名誉教授(細菌生物学)の対談が配信されている。
コメント欄にも見られる、「真打ち登場」なのだ。
大橋名誉教授は、ご自身でもユーチューブ番組を配信されていて、一般人にもわかりやすい、細菌生物学者としての「授業」をしている。
しかし、世の中には困ったひとがたくさんいて、「バッシング」に執念を燃やすのを使命にしているようだ。
これが、「活動」やらになり、国立大学法人である徳島大学への攻撃となった。
「名誉教授」の剥奪をせよという要求に、大学はHPで「本学とは関係ない人物」と応じているから驚いた。
上述の対談でも紹介された下記の書籍は、ドイツの事例を紹介したもので、納得できない市民が多数、ベルリンで大規模デモを実行し、一部が暴徒化した事件のきっかけになったという、「ベストセラー」の翻訳なのだ。
一般人はもとより、緊急事態宣言で商売や生活を痛めつけられることになる、「業界人」こそが読むべきだ。
ここには、ドイツ政府による、国民を「恐怖であおる」政策として、会議室での実態も暴露されている。
指示内容が、もしやわが国でも当てはまらないか?と思わせるのは、「政府依存」という両国民の特性が、かつての「同盟国」だったことを示唆するからである。
かつて、ドイツの医学が世界最高といわれ、日本の医師もカルテにドイツ語で書いていたのは、森鴎外を代表にする陸軍省と旧制東京大学が、ドイツ医学を「採用」したからであった。
陸軍に対抗した海軍は、これを拒否して、英国の「臨床医学」を採用した。
「病原解明」にこだわるドイツ医学と、いまそこにある病人を治すことにこだわる英国臨床医学の対立は、いまもわが国の「白い巨塔」の伝統になって、医系学閥を形成している。
EUの中核をなすドイツと、EUを完全離脱した英国のどちらも、パンデミックの対処に苦慮しているのは、この「病気」の根本的認識のうさんくささを、ねじれた政府が利用している共通点があるからだ。
さいしょからねじれた発想をするフランスは、戒厳令手前の強制を強行して恥じないのは、フランス革命を正当だと信じる若き大統領の本分である。
根無し草になったわが国政府=政権は、ただの浮き草だから、いまだに「ヨーロッパ先進国」に右へならえして、やっている感だけでアリバイ作りをしているとは、何度も書いた。
本来ならいつも通り、アメリカにならえするはずなのにしないのは、全米で半数以上になる共和党の州が「一切強制をしない」からである。
ただし、都市部が主体の民主党の州は、最高裁から違憲判決をくらうレベルの「強制」と「分離」を実行している過激があるから、リスクを回避して欧州をまねるのだろう。
全世界が感染した、「PCR検査陽性=感染者」という発想が、いまや都知事は「感染者=患者」と定義を勝手に変更している。
医師でも、感染学者でもない、むしろ学歴詐称がうたがわれるひとが、どうしてこんな重要な「定義変更」をしても、だれも文句をいわないのか?
その定義変更に中央政府が乗りかけるのは、まさか犬の「マウント行動」とおなじか?
こういうものを「エビデンス」というのである。
ワシントンの混乱で、香港の民主派が大量逮捕された。
人間のこころにある「ウィルス」は、時空を飛ぶことを証明したのである。
歴史的な、大荒れの七草となった。