子ども中心の人身売買?

あまりにも衝撃的な情報があったので書きとめることにした。
テーマがテーマだけに、よいはなしではなく、気分を害するばあいもあるとおもわれるので、注意されたい。

学校で習う「世界史」や「日本史」では、なかなかでてこないテーマである。

世界史だと、「奴隷」が登場するのは、ギリシャ・ローマ時代のはなしだから、あんがいと早くからあって、アメリカの南北戦争で終止符を打ったことになっている。
しかし、日本史ではめったにでてこない。

ギリシャ哲学が現代人にも影響をあたえつづけるほどに発達したのは、1割の市民とそれ以外の奴隷がいたからだといわれている。
ようは、市民=有閑階級だから、じぶんで労働なんぞ一切しないで、はたらく者は奴隷しかいない社会であった。

暇を持てあまして哲学をしていた。
そうでない市民階級のひとたちは、現代人とかわらずに「遊んで暮らす」という選択をする。
プラトンの傑作『饗宴』は、読みようによっては「変」である。

それに、ギリシャ美術(彫刻や陶器の図柄など)も、あからさまな性表現がふつうにある。
アテネ旧市街のプラカ地区に軒を連ねるみやげもの店には、子どもに説明できないさまざまな形態で「動かせる」キーホルダーが店先にズラッと並んでいる。

肌の色が身分に関係なかったのは、「戦利品」という価値観があったからである。
都市国家間で戦争をして、負けた側は勝ったものたちの奴隷となるのがふつうだからである。

もっとも、ギリシャ神話の最高神ゼウスが、動物に化けて美少年をさらおうとしたし、ギリシャの影響をつよく受けたローマでも、市民階級はきわどい生活をしていたと、ポンペイの遺跡が語っている。
評価がわかれる映画『カリギュラ』(1980年)は、第三代ローマ皇帝の「史実」を看板としている。

そんなわけで、「労働=苦」という発想をして、遊んで暮らしたい、あるいは、遊んで暮らすことを人生の目標にする、というのは、欧米人の伝統的価値観になっている。
それで、遊んで暮らすことができたひとを、「勝ち組」という。

これがわが国に輸入されたのは、バブル期の狂乱とその後の、リーマン・ショック直前の金融バブル期だった。
年収の高さだけをもって、人間の価値を決めるという発想が日本人に刷り込まれたのは、まさしく悲劇的なことである。

日本という島国の特異性は、古くからの「原始共産主義」が残存していることにある。
みんなで働くこと=人生の喜び、という発想を日本人以外では「しない」ものなのである。

和を以て貴しとなす(604年)、というのは、原始共産制への追認だ。

歴史的に、外国の制度を真似て失敗したのは、「律令制」の導入だった。
飛鳥時代の「班田収授の法」(646年)による「口分田」とは、すべての土地を国家所有とする、「マルクス主義の共産主義」であって、これは原始共産主義とは似て非なるものだ。

ここで、わが国にも「良民」と「賤民」が登場し、賤民のうち「官戸・公奴婢 (くぬひ)」 には良民と同額の、「家人・私奴婢」には良民の3分1を支給したとして、「身分」が登場する。
公奴婢と私奴婢とは、どういうひとたちか?

けれどもすぐにほころびて、「三世一身の法」(723年)、「墾田永年私財法」(743年)が登場する。
収穫にも課税したので、喰えないひとたちが逃げ出してしまったのである。
つまり、大化の改新(645年)の改革は、わずか100年で崩壊したのである。

オリジナルの大陸では、律令制の崩壊は王朝の崩壊になったけど、わが国では、外敵がいないのでダラダラと惰性的につづく。
このあたりも、現代に似ているのである。

秀吉が九州征伐にいって「バテレン追放令」(1587年)をだしたのは、ポルトガル人宣教師たちが同国商人たちと結託して、キリシタン大名の領地から「日本人奴隷輸出」をしていることが発覚したからである。

なお、日本にポルトガルがやってきたのにスペインがこなかったのは、ローマ教皇が承認した、トルデシリャス条約(1494年)の「新世界」における「境界線」を取り決めたことによる。
ブラジルとおなじ扱いだし、向こうの都合ではわが国も「新世界」だった。

さてそれで、世界にはさまざまなはなしがあるなかで、キリスト教発祥の地とヨーロッパの一部にも、「食人(カリバニズム)」が確認されている。
なかでも、スペイン北部のアタプエルカ遺跡では、最古のヨーロッパ人が子どもを好んで食べていたことがわかった。

げに恐ろしきことである。

今年、アメリカの新政権は、どういうわけか国境を開いて、移民を大量に受け入れている。
そして、なぜか両親がいない、子どもだけの移民が多数いるのだ。
この子たちが、国境の施設で性的虐待を受けていると、アムネスティが発表し議会に調査を要求した。

また、移民受け入れに熱心なアメリカ民主党からも、異論と曝露があった。
「保護施設を再開し、わたしたちに女の子を送ってください」と現職大統領から指示されたことを黒人女性議員がぶちまけた。

トランプ政権が、児童保護に熱心だったのとは正反対だ。
全米で、1年に10万人の児童が行方不明になっていたのは、大規模な人身売買組織の存在があるといわれている。

わが国では、警察庁のHPに行方不明者の推移が掲載されているけど、詳細はよくわからない。
ただし、令和元年度で、9歳までと10代あわせた「原因・動機」のうち、「その他」が、4000人をこえている。

これも、豊かさ、なのだとすれば、豊かさとはなにか?をもっとかんがえていい。

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