防護服を着ていたから安心のはずが、新型肺炎に感染してしまい、さらに高熱のなか「出勤」して「出動」もしていた。
いったい、どんな「危機対応」をしていたのか?
少なくとも、「科学的」な管理がなされていないことだけは確かである。
いつ感染したのか?
この問いに、横浜市幹部は、「前日に感染者を搬送した」事実をあげた。
は?
素人でも、潜伏期間をしっている。
たった一日で発症するのか?
すぐさま、厚生労働省が、それ以前のどこかの時点にて「感染」したはずだとコメントしたのは、納得できる。
すると、横浜市の「幹部」とは何ものか?
まるで、福島原発が爆発したときの、原子力保安院のひと(法律が専門の事務方だった)が、なんだか「技術職」のふりをしてえらそうに記者会見していたことが思いだされた。
しかも、この事故については、「マニュアル」があるのに、だれも「マニュアル」をみていなかった、という衝撃の事実がレポートされていることはずいぶん前に書いた。
わが国の「行政」は、中央官庁から放射状に、しかも「完璧」に「コピー」されている。
福島のときは、経産省-原子力保安院-東京電力本社-福島第一原発という流れに沿って、コピーされていた。
「マニュアル」を「みない」ということが、である。
今回の横浜市消防局救急隊のお粗末は、総務省消防庁-横浜市消防局という流れに、あろうことか厚生労働省が横やりをいれた形になっている。
すなわち、今回のものだけでなく、感染症が流行した場合の「緊急対策マニュアル」の「有無」と、これを「いつ」「だれが」みて、「どのように」実施するのか?ということが問われているのだ。
厚生労働省-保健所というルートと、消防の救急隊とは、いったいどんな関係になっているのか?
おおいに興味がわく。
「防護服」を着用していたのに「感染した」のは、「想定外」だという横浜市の役人の、信じがたい浅はかさは横に置いておいても、こういう「法学部=文系」がえらくて「現場=理系」は、道具に過ぎないという感覚から、もう狂っているのである。
文系なら、保健所というルートと救急というルートの「配線」をどうするのか?が仕事になるのだろうが、「行政」としての「限界」あるいは、「逃げ道」がここにある。
決めるのは「政治です」と。
しかし、ここがアメリカ合衆国ならそうなるが、日本国という官僚社会主義国では、そうはいかない。
「逃げたい」ならば、官僚社会主義国をやめなければならない。
けれども、一方の、絶対的当事者である「議会」が、他人事だし素人だから、役人任せしかできないのである。
こんなとき、近代民主主義国家ならどうするのか?
じつは、政党が恒常的な「シンクタンク」を持っているし、分野が足りなければ政党が専門家を雇って、方策を策定し、これを議会に提出して決定する。
このとき、市長が行政を代表して策定した案と突き合わせるのである。
わが国には、近代政党が事実上存在しないから、ぜんぶが「行政」に依存するようになっている。
それで、行政組織内でできた「文系優先」(高等文官試験をひきずっている)で、現場を平気で無視できるものが「えらい」ことになるのである。
ところが、何度も書くが、文系の高等行政マンとは、人為的にできあがった法体系というシステムの維持管理「しか」できないから、自然科学による緊急事態=法体系のシステムとはことなる「系」の事態が発生すると、たちまち「無能」をさらけだすようにできている。
それが「原子力保安院」の「あの人」だったし、今回の「横浜市」の「この幹部」なのである。
そして、かれらにそんな役回りをさせる、「組織」というものを、誰がコントロールしているのかさえ不明になるのである。
しかして、こんどは厚生労働大臣が、16日「感染経路がわからなくなった」と発表した。
へんてこな「自由」にとらわれて、「入国放置」ということをしたから、それはわからなくなるだろう。
台湾の総統が、早期に「入国管理」をもって、厳しいけれど「緊急対応」したのとは、おおちがいである。
そんなわけで、いま、わが国内閣は「爆弾ゲーム」に興じだした。
こんどは厚労省が、入国管理の法務省に爆弾を投げつけた。
検事総長の定年問題が、感染症の入国管理に入れかわろうとしている。
福島のときは、防護服を着ていたら「放射線」を防護できるかのごとくの「原始人ぶり」をしていたが、こんどは、防護服を着ていたら「ウィルス感染」を防護できるそうである。
わが国の「法学部」は、もうちょっと「科学」を勉強しないと、「科学技術立国」に泥を塗ることになる。
あぁ、失礼しました。
とっくに「科学技術立国」をやめて、「観光立国」になるのでした。
その観光客を、クルーズ船に閉じ込めていたら、どうしたことか「シウマイ弁当が4000個も」なくなってしまいました。
「管理」ができないことが、世界にバレて、なんだかなぁ。
市民は、まったく、トホホ、なのであります。