何度も、「用意周到」のトランプ政権と書いているけど、怖いほどの用意周到に圧倒される。
まったくもって、『鬼滅の刃』のごとく、あるいは、『憤怒の双刃』というべきか。
いやいや、表情を変えずに「やる」方が、よほど恐ろしい。
11月27日付け、『連邦官報(Federal Register)』に、「連邦死刑執行の方法」が告示された。
わが国でいう、『官報』にあたるのが、『連邦官報』である。
アメリカ合衆国大統領には、憲法に基づいた「大統領権限」が付与されている。
そのなかで、大統領が発する「大統領令」には、2種類がある。
ひとつが、いわゆる「大統領令:行政命令(executive order)」で、こちらは『連邦官報』に「記載義務」がある。
もうひとつが、「大統領覚書:メモ(presidential memorandum)」で、これは記載義務はない。
なので、死刑方法の官報告示があったということは、行政命令としての、「大統領令」だということである。
内容は、現行の薬剤刑(一部感電死)に、ガス室と銃殺隊の使用承認を加える。
施行は、本年12月28日から、となっている。
(12月1日修正:当初は24日だったから、わざわざ4日伸ばす細かさはなぜ?)
もちろん、アメリカには、州ごとに刑法があって、死刑を廃止した州がある。けれども、「連邦」には、死刑制度があって、連邦事件の刑執行には、死刑ができる州での執行を定めている。
トランプ政権司法長官のバー氏によって、今年、17年ぶりに執行された。
これも、大統領選挙公約にある、「法と秩序」の履行なのである。
もちろん、執行は行政がすることで、命令は連邦最高裁判所の判断によるから、なにも大統領が「死刑だ!」と決めているのではない。
むしろ、裁判所の判決を、行政府が無視することの方が、「法と秩序」に逆らうことになる。
この意味で、わが国の法務大臣が、着任直後の記者会見で、「わたしは死刑に反対です」といって、在任中に執行の許可を出さないことは、本来の法体系を乱す行為とかんがえなければならない。
つまり、法務大臣による三権分立の破壊行為なのである。
国会議員としてのかんがえが、死刑廃止ならば、その法案を通過させることが第一優先順位である。
でも、刑法の死刑廃止がなされないままで、法務大臣を引き受けたからには、その職務において、自分の主張を通すことは許されない。
まさに、鬼になってはんこをつくことが要求されるのである。
だから、ほんらいなら、死刑判決が確定しているのに、執行をしない法務大臣を、最高裁判所は叱責しないといけないのだ。
それでこそ、三権分立による「法治」なのである。
現状は、法務大臣が裁判所の判決を勝手に変えることができるようにみえるから、歴代大臣が裁判所を軽んじることを発言しても、死刑廃止を是とするマスコミからの批判をあびることがない。
この点、マスコミも「死刑廃止」に賛同するなら、「オピニオン」としての記事を載せるべきで、全体の編集・論調としてしまうのは「誘導」にあたる。
つまり、マスコミからの面倒な批判を浴びたくないから、「死刑廃止論者」だと自己紹介して、任期中にはんこを押さないことで、無事任務をまっとうできることになってしまう。
ここに憲法も裁判所もなにもなく、あるのは保身だけなのだとわかる。
だから、わが国の最高権力は、マスコミにある、ことになるのだ。
それにしても、どうして「この時期」に、死刑方法を追加する必要があるのか?
しかも、ガス室とか銃殺隊とか。
銃殺ではなく、「隊」がついていることに注目すれば、ある程度の人数をまとめて執行するという意味になる。
「官報」には、連邦法による執行に各州の人員と施設を使えることを目的としながらも、薬剤刑以外での執行を行う必要がある「将来の状況が発生する可能性」がある、と理由が明記されているのだ。
すでに憶測がいろいろあるから、ここからは「憶測」になる。
まもなくはじまる、連邦最高裁での訴訟に、どんな証拠が提出されて、どんな決定がくだされるか。
それまでは、みんな「憶測」である。
これまでのところ、選挙不正にかかわったひとたちが、単発的なのではなくて、組織的であることが重要だということから「憶測」が発する。
それは、投票の最小集計単位の、「郡」だけの不正ならまだしも、州はおろか全土での不正が発覚し、その手法が込み入った「計画」によってなされているのだ。
つまり、大統領による12月2日の重要演説があったように、この「選挙不正」は、もはや、選挙法違反という範囲をとっくに超えた、「反乱」とみなされているのである。しかも、外国勢力も関与している。
もちろん、民主主義を世界に標榜するアメリカにおける、選挙違反は「重罪」とされているけれど。
それでも、反逆罪となれば次元がちがう。
刑法ではなく、憲法違反(合衆国憲法第3章司法部第3条「反逆罪」)にかかわるのだ。
わが国刑法にも、「内乱罪(刑法77条~80条)」として明記されている。
外国が関与すると、「外患誘致罪(刑法81条)」、「外患援助罪(刑法82条)」があって、外患誘致罪は、わが国刑法でもっとも重い、死刑しかない。
幸いかな、過去に適用を受けた例はないけど、将来はわからない。
そんなわけで、アメリカの怒りは、大量処刑を可能にする準備を整えた。
国内はこれで処理するも、これだけでいったい何人が対象になるのか?
前代未聞の、「暮れの大掃除」がはじまる予感だ。
ならば、外国はどうなのか?
なぜか、わが国の隣国のトップが、ひと月に3度も国内で戦争準備の檄を飛ばしている。
わが国政府は、それでも「バイデン政権」だと決め込んでいるから、これは、刑法82条の適用か?