それがどうした?とは、「性」の話ではないからである。
ではなにか?といえば、社会における「仕事」の話だからである。
しかし、ここでいう「仕事」とは、「作業」と分けてかんがえるものの方で、さらに「女性の身体」を考慮したことである。
たとえば、生理や妊娠中に限らずとも、また、「ハンデ」ともちがう、女性ならではの身体については、考慮しないといけない。
それがたとえば、肉体労働的な夜勤とか長時間連続勤務のことになる。
一般的に、これらを考慮することが、「女性のハンデ」とみられているけど、そうではなくてただの「特性」なのである。
この点、武田邦彦氏がいう、日本人は男性に逆ハンデを課すことをしてきた歴史があるというのは見事な指摘だ。
いまや「女性上司」は当たり前だ。
しかし、男であろうが女であろうが、自分から昇格することはなくて、かならず「上」から推薦・評価されて昇格することになっている。
だから、昇格することは本人の責任ではない。
昇格してからのことが、本人の責任になる。
英国では三人目、イタリアでは初の女性首相が誕生した。
しかし、だからなんなんだ、なのである。
どちらも「選挙」で選ばれているのである。
それで、わが国でも女性首相を、というのは見事なとんちんかんだ。
たとえ本人が「なりたい」といっても、そうは問屋が卸さない。
古来、「言霊信仰」があるので、ときおり「なりたい」と自らいってはばからない女性政治家がいるけれど、言えばなれるものならみんな言う。
なったらなにをしたいのか?に答えられないばかりか、どうやらかんがえたこともない雰囲気を醸し出して、かえって失笑ばかりか反発を買うのである。
なんど入閣しても、実績がないのはこのためだ。
「極右」とレッテルを貼られても動じないイタリアの新首相を褒める記事を誰も書かないのはどうしてか?という記事がアメリカからでた。
じつは、中間選挙を目前にして、さらに共和党の躍進に冷や水をかけている上院議員がその共和党にいる。
なにかと日和るので有名な、リンゼイ・グラム議員というひとだ。
やらかしたのは、「中絶」に関する「連邦法案」を提出したことである。
これには二つの「驚愕」があって、ひとつは連邦最高裁が出した判決、「中絶法は州に任せること」をガン無視していることである。
もうひとつは、民主党急進派が推進している「女性の権利」のための、「中絶」に、共和党は真っ向反対しているのに、なぜか民主党の主張をもっと先に行く内容なのだ。
上院議員のこの行動に、下院議長は「ワッハッハ」と大喜びしている。
もちろん、「主たるマスコミ」は、大歓迎の記事を書きたてて、共和党内のお粗末を嗤っているのである。
ちなみに、わが国は「議員立法」がほとんどない、「内閣立法」の国だけど、アメリカは議員立法「しか」ない。
さらに、「党議拘束」なる、全体主義もないから、議員は独立して党の見解とはちがっても、文句をいうのは選挙区の有権者の問題なのである。
ところで、女性のイタリア新首相は、「中絶そのもの」に反対している。
左派やマスコミは、もちろん「女性の敵たる女だ」と批判してきているけれど、選挙で大勝利するのだから文句をいっても仕方がない。
当然にカソリックの大本山、バチカンだって拍手することだろう。
しかして、そのバチカンの配下にあるはずの、ヒスパニック系移民たちで総じて都会に住むひとたちは、「中絶賛成」なのである。
すると、グラム議員の狙いはこれか?
どちらにせよ、政治課題になったとき、男だろうが女だろうが関係ないのである。
おもしろいことに、ふだんから「男女同権」をいうひとほど、この手のはなしになると、妙に差別主義を剥き出しにする。
そんななか、わが左翼政権は、企業決算たる「有価証券報告書:略して(有報)」に、「人的資産」の記述を義務化しようとしている。
たとえば、「女性管理職の比率」とか。
そうやって、企業を心理的に追いつめようとするのは、まさに共産党のやり口なのである。
つまり、政権が目指すのは、「見た目だけ」でも女性の社会進出に、我が党は貢献しています、といって、女性票を獲得するのが狙いであろう。
けれども、昨今は、「たいへんだから管理職になりたくない」というひとが増えていて、とくに子供を持つ女性はこの傾向が強いという。
それで、男性社員の育児休暇取得率も記載せよ、というご命令になっている。
まことに、個人の生活に政府が介入せんとする、とんでも案だけど、脳みそが腐っている財界は、反対の素振りも見せない。
ならば労働界は?といえば、「見た目だけ」の実績でほんとうに組合員は幸せになれるのか?をどうかんがえているものか。
組合から足ヌケしたのが管理職でも、「元」組合員なのだから、先輩に対してのリスペクトもないのか?
そうみたら、イタリアの女性首相がなにをするのか?
EUと馬が合わないハンガリーのオルバン首相と、どうやら提携しそうだし、ポーランドの現政権もからみそうなのだ。
それが「EU崩壊」になると一部で騒ぎになっている。
ちょっと楽しみなのである。