石油生成プランクトンの発見

神奈川県は横須賀にある、「国立研究開発法人 海洋研究開発機構」が、先週13日、北極海で採取した植物プランクトンに、石油を生成する「藻類」を世界で初めて発見したと発表した。

そもそも「石油」とは、主成分が「炭化水素」の物質のことをいう。
太古の昔の植物や動物の「死骸」が、地下にあって圧力や地熱によって変質したもの、という考えが主流だったけれど、樺太で見つかる油田の「新しさ」が不明だった。

ぜんぜん「太古」とはいえないのである。
もしや、今回発見されたプランクトンが原因の油田かもしれない。
「光合成」によって、炭化水素を作り出すのだ。

しかも、このプランクトンは、「飽和炭化水素」を造るという特色がある。
「炭素」には、電子を介した「共有結合」のための「手」が4本あって、2本が隣の炭素と、あとの2本が1本ずつ水素と結合して、ムダがない。
単結合だけを、「飽和」という。

構造図だと、ムカデのようにみえる。

胴体が炭素の結合で、対に出ている足にあたるのが水素である。
なお、頭やお尻にあたる場所にも、水素が1ずつ結合している。
これで、酸素などといった不純物がないために、燃焼させると、水素が外部の酸素と結合するから、高エネルギーを発するのである。

なので、炭素同士が二重結合(エチレン)したり三重結合(アセチレン)したりする「不飽和」とは分けるのだ。
また、酸素などといった不純物が結合しているものは、燃焼の邪魔になるから低エネルギーになって、上述したムカデの尾の先端(水素)の手前に酸素があるだけで、エタノールとなる。

ガソリンの燃焼力とエタノールの燃焼力が雲泥の差なのは、余分な酸素を内包しているからである。

さらに、このプランクトンが生成するのは、「ガソリン」と「重油」にあたる炭素数なのである。
炭素数が10個~15個までがガソリン、16~20が軽油、21~38が重油にあたる。

このプランクトンは、主に、10と11を生成することがわかった。
つまり、「ガソリン」を生成するから、あまりにも「画期的」な発見になったのだ。

太陽光パネルや水素といった、持続不可能ゆえに「金食い虫」とは違う。
パネルを作るときに要するエネルギーは、発電して回収するエネルギーの4倍もかかるし、交換後の廃棄処理をどうするのか?についての技術が確定していないから、ただ捨てるだけの環境破壊が容認されている。

つまり、いまは「作りっぱなし」のものを「持続可能」と言っている。

水素については、地球上に気体としての水素が持続的に存在できないのは、原子番号1番ゆえの「小ささ」から、地球の引力で保持できないからである。
水素を作るには、水を電気分解しないといけないけれど、その電気はどうやって発電するのか?

人工的に作った水素は、あらゆる物でつくった容器を通過して、宇宙へと飛んでいき、これを回収するすべを人類はもっていない。
永遠に地球からなくなるものを、やっぱり「持続可能」と呼んでいる。

そんな「インチキ」の数々からすれば、今回の「発見」は、人類史に残るほど重要なことだから、2021年最大のニュースだ。

さてそれで、このプランクトンが作りだしたガソリンを燃焼させても二酸化炭素は排出される。
けれども、「化石燃料とは違って」、もとが大気中の二酸化炭素を光合成によって体内に取り入れたのだから、燃焼させても「プラス・マイナス=ゼロ」だと説明されている。

だから、安心、だと。

ここで、「ずっこける」のである。
「化石燃料」だって、元は植物やらだったのだから、基本的に「プラスマイナス=ゼロ」である。

そもそも、今は「氷河期」で、地球の歴史でいうと「珍しい時期」にあたる。
前にも書いたが、「氷河期」の定義とは、地上のどこかに氷河がある、ということをもっていう。

南極大陸は言うに及ばず、ヒマラヤもスイス・アルプスしかりなのだ。
これらの氷河が、よしんば「溶ける」ことだって、地球の歴史では「ふつう」のことだから、なにが問題なのか?がわからない。

むしろ、たかだかの人間の歴史で以て、「あるはずの氷河がなくなること」へのノスタルジーではないのか?
それもそのはずで、人類は氷河期と共に発生して生存したきたから、ともいえる。

しかし、衣服をまとわない、植物や動物にとって、「寒い」ことはいいことではない。
だから、二酸化炭素濃度が10倍ほどもあった太古の時代の、温暖状態では、植物が巨大化し、それを餌とする恐竜も巨大化した。

その死骸が石油や石炭になったのである。

炭素こそが万能の物質メーカーなのである。
それをまた、「脱炭素」といっているのは、ただの「知識不足」か、「利権欲しさ」のどちらかか、その両方である。

北極海で発見されたとはいっても、太平洋にも大西洋にも棲息が確認されているのだから、人類の未来を支える「期待の星」だ。
核融合はエネルギー「だけ」だけど、このプランクトンは、プラスチックの原料にもなる「資源」なのである。

炭素バンザイ!

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