機械式時計の修理専門店について、前に書いた。
壊れるときというのは、なんだかタイミングが重なって、今度は四半世紀も愛用してきた電卓の液晶がいけない。
12桁のうち3桁目の数字がはっきりしなくなった。
この機種は、カシオ製の「JS-25」というつまらない名前の電卓なのだけど、いわゆる、「加算式なのに小型」というたいそうな優れものなのである。
見た目でわかりやすい特徴は、ふつうなら分かれている「+」キーと「=」キーがひとつになっていることだ。
ふつうの電卓なら、3+4に、「=」を押さなくてもくても「+」を押せば7となるから、この電卓の機能とそんなに違いはない。3「+=」4「+=」で7になる。
しかし、おなじ数字が続くときにがぜん威力を発揮するのである。
たとえば、3+4+4なら、3「+=」4「+=」「+=」だけでよい。
最後の4を入力しなくてよい。
最初の4を、電卓が自動で記憶しているからである。
実務では、圧倒的に足し算が多く、けた数もそれなりだから、同じ数字が続くときには、なんだか得した気分になる。
それに、こうした機能を利用すると、按分計算や比率計算が容易になるのである。
売れないから、廃番になったということらしいが、まったく了解できない理由である。
みなさん、どうして買わなかったのだろう?
卓上式の100Vコンセントから給電されるタイプも含めて、大型電卓にはいまだ健在な「加算式」なのだが、この「JS-25」には、後継機がない。
しかも、ライバル・メーカーのどこにもないので、いまでは新品での購入は不可能である。
ちなみに、本日15日、メルカリでみたら、残り一台にしてお値段は35,000円がついている。
四半世紀前の購入価格が8,000円以上したと記憶しているので、かりに8,500円だったとして、25√(35000÷8500)=1.0582だから、価格上昇率は5.82%である。
なるほど、35,000円ならそれなりに利益がでる。
しかし、手放そうとはおもわない。
むしろ、どうしたら3桁目の液晶表示が治るのか?
調べると、電卓内の液晶を接続する配線の劣化が原因だという。
ふつうなら、「おしゃか」だから、買い換えしかない。
しかし、驚くことにこの電卓には後継機がないから、おいそれと買い換えができないのである。
そこで、アイロンがけをするという手段が検索から引っかかった。
幅のある配線部分にアイロンをあてると、復活する可能性がある。
そんなわけで、電卓にアイロンがけをしてみようかと思案中なのである。
それにしても、つくづく、どうして「後継機がない」のか?
恨み節はつづく。