6年ぶりの新型「ポメラ」

キングジムのヒット商品、『ポメラ』(ポケット メモ ライターの略語)のはなしである。

わたしのポメラの変遷は、折り畳み式だった2009年発売の二代目、DM20を「初代」として、2011年発売で初のストレートタイプ、DM100が「二代目」で、いまだに健在・現役である。

7月29日に新発売となった、DM250は、2016年にでたDM200の「強化版」だとアナウンスされている。
価格は、6万円台。

はっきり書けば、購入するつもりはない。
もう11年前になるDM100の「完成度」に、一定の満足があるからである。

もちろん新型に魅力がぜんぜんない、というわけではないが、現機種に特段の「不満」がないからである。
むしろ、いくつかの点で「退化」していると感じている。

わたしが愛用しているのは、液晶画面である。
それが、次世代のDM200から、「e-ink」になった。
このとき店頭で確認してがっかりしたのは、その表示の「遅さ」であった。

視認性に優れていることは認めるが、いかんせん「文字」になるのに一瞬遅れる。
ならば、旧機種がモノクロ液晶でもバックライト付きなので認識の点では困らないから、あえて「e-ink」である必要はない。

次が、電池だ。
これは、わたしの愛用する機種が、乾電池(アルカリ電池とeneloopに対応で単三型2本)なのであるが、おなじくDM200から、充電式になって今回もかわらない。

充電式の難点は、充電切れ時の対処法が厄介なのと、充電池そのものの寿命があって、交換が面倒なことにある。
「名機」を永く使うには、あんがいと乾電池式がよいのだ。

なお、旧機種は電池交換にあたっても別途ボタン電池がデータ保護用にあるために、うっかりしてデータが消える心配もない。

おまけ的ではあるが、Bluetoothがあるので、ipadなどのタブレットと接続すれば、外部キーボードにもなるので、わざわざ重量が増す「マジック・キーボード」などを装着する必要がない。

ただし、ipadで文章作成をするつもりなら、もっと軽い外付けキーボードか、HHKBを利用している。
さらにipad使用時は、スタンドで目線を高くして、肩こり防止にしているのである。

そんなわけで、この三大要素があるために、旧型なれども使い続けているのである。

もちろん、新型の魅力はないわけではない。
そのなかでも、日本語変換エンジンの内蔵ATOKが進化していて、入力支援機能が「付加」されたことは大きい。

また、画面下の表示部に、「文字数」がでるようになったのは、魅力というよりも「当然」ともいえる。
旧機種では、文書作成中でも、その都度メニューから表示させないといけないからである。

字数制限がある原稿には、必須の機能だ。

キーボード配列については、「US配置」が選べるというものの、ハード的に購入時に選ぶのではなくて、ソフト的対応なのが残念だ。

前に、「日本語配列」について書いたことがあるけれど、「ローマ字入力」を基本とするなら、キーボードもUS配列の方が効率がよい。

日本語配列とは、キーボードにある「ひらがな(入力)」をもって「日本語配列」というからである。
たとえば、「A」キーにある「ち」がそれだ。

日本語配列でローマ字入力をするときの決定的問題点は、「ENTER」キーの位置が、右手小指で遠いことにある。
見た目で「2段」になっているけど。

これが、US配列だと、「1段」なのに「左に長い」ため、小指が簡単に届くのである。
しかも、変換のために親指で押す「スペースキー」の位置が、左右対称になるのである。

どうやらポメラの開発者は、「親指シフト」がお好きのようで、その対応もしているけれど、是非とも「本格的US配列」を採用して、キー表示からひらがなをなくしてもらいたいものだ。

新機種には、縦書き対応の「シナリオモード」もあるというけど、こうした多機能化には魅力を感じない。
むしろ、たとえばWindowsだけに対応の『秀丸エディタ』様のせめて二画面表示をするための、横幅いっぱいの画面採用はできないものか?

これがあれば、本文と見出し、本文と脚注といった同時進行が一目瞭然となる。

はっきりいえば、ポメラは入力マシンであって、編集はPCで行うから、とにかく入力が快適ならばそれでよい。
その意味で、上述のUS配列と入力支援、それに「辞書の充実」が欲しいのである。

DM100には、物理ボタンとして「国語:明鏡」「英和」「和英」は「ジーニアス」の各辞書があるけれど、「類語(シソーラス)」が必須なのではないのか?

これら辞書を、ATOKの辞書として変換時に選べるようにするのかもあっていい。
それと、「エディタ」としての入力マシン特化だ。
本音をいえば、『秀丸エディタ』がそっくりポメラになってほしい。

もっと贅沢をいえば、分厚く重量が増しても、HHKBのような「快適な静電容量式キーボード一体型」あるいは、画面を分離できて長時間入力のための姿勢が楽になるようにならないものか?

それでPCへのデータ連携がシームレスならば、テキスト文章作成のためにPCを持ち歩く必要から解放される。

電池式・液晶で6万円程度なら、文句なしに「買い」なのであるけれど。

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